実はなくても生きていける臓器
なくても生きていける臓器があるとご存知でしたか?
人間の身体の構造は非常に複雑で、私たちを驚かせてくれることがたくさんあります。例えば、それぞれの臓器にそれぞれの機能があるのは確かですが、事故や、先天性異常や、病気に見舞われた時、生き延びるために必ずしも必要ではない臓器というものがあります。
実際に、これまでの長い時間をかけた進化の中で機能を失ったことにより、仮に取り除いたとしても生活の質は変わらない臓器があります。
どの臓器かご存知ですか? この記事では、そんな7つの臓器について詳しくご紹介いたします。
1. 扁桃腺
扁桃腺は、免疫システムの一部で、なくても生きていける部分です。気管の入り口にバクテリアが感染するのを防ぐのに役立ちますが、扁桃腺がないと死に繋がるのは3歳になるまでです。
実際に、健康上の問題が後々になって出ないように、若いうちに扁桃腺は取り除くべきだと考える人もいます。
- 繰り返す扁桃炎に悩む患者さんへは、扁桃腺を取り除くことを医者が推奨しています。
この記事もお読みください:のどの痛みを和らげる3つの方法
2. 虫垂
虫垂とは、大腸にくっついている、小さい袋の形をした臓器で、下腹部の右側に位置します。
大腸の一部なのに、消化作用に全く関係がありません。むしろ、虫垂の役割はひとつも解明されていないのです。
- 虫垂が炎症したり感染して初めて存在を認識する人が多く、虫垂炎になった場合、虫垂を切除する必要があります。
- 虫垂の切除後は、健康上の副作用は全くなく、患者はこれまで通りの生活を不便なく送ることが可能です。
2. 脾臓
脾臓は、腹腔に位置しており、重要な健康上の機能があります。血液のろ過と、体が感染に抵抗するのを助けます。
それでも、必要不可欠な臓器ではなく、外傷や慢性疾患がある場合、取り除くことが可能です。
- 患者は、感染症を防ぐために普段以上に用心しながら、普通の生活に戻ることができます。
4. 生殖器
卵巣・子宮・睾丸などの生殖器には、ご存知の通りの機能があります。しかし、慢性疾患の病名によっては、治療として取り除かれることがあります。
ほとんどの場合、医者が切除を勧めるのは癌の進行を防ぐためです。しかしながら、他の疾患の治療の一環として勧められることもあります。
- 生殖器の切除手術をした場合、通常は患者に重大な後遺症が残ることはなく、ホルモン剤を摂取して、切除した生殖器が分泌していたホルモンを補うことができます。
5. 腎臓
全身の健康にとって腎臓が大切な役割を担っていることは、誰もが認めるはずです。腎臓は、血液をろ過し、尿を生成し、その他の臓器の機能にも関係しています。
興味深い点は、腎臓は2つあるにも関わらず、実は1つあれば生きていけるという点です。生まれつき1つしかなかったり、事故や病気で腎不全になったり、たとえ腎臓移植のために提供したとしても、慢性的な健康上の問題にはなりません。
- 一般的に、腎臓が1つしかなくても寿命は通常と変わらず、腎臓が1つしかないことによる後作用はほとんどありません。
- しかし、残った腎臓を健康に保ち、合併症を防ぐための予防策は必要です。
6. 胆嚢
胆嚢は、肝臓の裏に隠れている、緑色の小さな豆の形をした袋です。主な機能は、消化作用の助けをする胆汁の貯蔵と排出です。
しかし、胆嚢の機能低下や、胆石や癌などの合併症が起こった時は、医者が腎臓を取り除くことを勧めることがあります。
- 消化作用を助ける役割はありますが、大抵の場合は腎臓がなくても問題なく生きることができます。
- 人によっては下痢やむくみが起こることがありますが、刺激性があるものを食べた時のみです。
こちらの記事もお読みください:胆石の予防法
7. 胃
不可能に思えるかもしれませんが、人間は胃がなくとも生きていくことができます。実際に、胃全摘出と言って、癌の治療のために胃を全て取り除く手術があります。
この手術では、執刀医が小腸と食道を繋ぎ合わせます。手術後、全快までの数週間は、患者はチューブを通して流動食を与えられます。
- 複雑な手術なので、全摘出をする患者は、徹底した治療をしなければなりません。
- 手術後は、ほとんどどんな食事も消化できますが、少量に分ける必要があります。
- 栄養の吸収が困難な場合、栄養補助食品が推奨されます。
今読んでいただいたように、ご紹介した臓器を健康に保つことに越したことはありませんが、万が一取り除かなければならない場合、なくても生きていける臓器があるのです。驚きですよね?
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- General, C. de S. (2006). Tratamiento de la Apendicitis aguda. Catálogo Maestro de Guías de Práctica Clínica IMSS–049–0, 1–12.
- Le Gac, M.-S., Delahaye, L., and Marianowski, R. (2010). Amigdalitis infantil. EMC – Pediatría 45, 1–8.
- Ic, M.E.R., Col, A.N., Surgeons, E.G.E.O.F., Of, I.O.N., and At, E. (2016). Colecistectomía. American College of Surgeons 5, 1–8.