怒りの爆発を避ける方法
交通渋滞、パートナーとの言い争い、飛行機や電車の運行キャンセルなどの状況が引き金となり、何かを投げたり叫びたくなるような怒りを感じたことはありませんか?
怒りが爆発するのを抑えられず悩むこと、特に大都市では毎日ストレスや不安感にさらされ怒りを感じることが多いと言われています。
本記事では、抑えきれないような怒りが襲ってきたときの対処方法をご紹介します。
怒りとその原因とは?
怒ると、心拍数や血圧が上昇し、血液中のアドレナリン値が上昇します。
日本心臓財団のサイトには「現代社会はストレスの多い社会だといわれています。この場合、ストレスは精神的ストレスをさしています。具体的には不安や緊張、怒りなど心理的なものです。」と記載されています。
さらに「生体は精密な化学工場のようなものです。交感神経が興奮すると神経終末部・副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。それが血液中に増えると血管が収縮し、心拍数をあげ、心臓の収縮力を増して血圧を上昇させます。」と、怒りによるアドレナリンの上昇が、高血圧につながる危険性を指摘しています。
怒りを感じたときの主な身体的な症状:
- 発汗
- 顔の赤み
- 筋肉の緊張
- 息切れ
叫ぶ、何かを叩く、物を投げるなどの攻撃的な行動は、怒りや恐怖心を脳が認知したときの反応です。
怒りの感情が生じる原因は様々で個人差もありますが、「自分の気に入らない状況に直面したとき」と大きく定義することができます。
イライラしたときや自分の力が及ばないと感じたとき、私たちの心は様々な反応を見せますが、それには個人差があり、泣く人や自分の感情を誰かに全て話す人、そして「怒る」人がいます。
怒りはとても自動的な感情で瞬発的に起こるため、ほとんどの場合、何が起こったのか周りは状況が把握できません。
怒りの種類をご紹介します:
1. 手段としての怒り
自分の望み通りに物事が運ばないときや、自分の行動や進路を何かに妨害されて思い通りことが進まないときに、攻撃的な行動や暴力に訴える人がいます。
コミュニケーション能力が欠落しているけれど、自分の希望を伝えたいと思う人が、手段として怒りを爆発させて、自分の望みを叶えようとするときに現れる怒りです。
2. 爆発的な怒り
何かに邪魔をされたり不当に扱われることが長期間にわたるときに、この怒りが現れる傾向があります。
毎日の小さなストレスやイライラが積み重なり、最終的に怒りとして爆発します。
例えば、職場で嫌なことがいくつも重なったもののそれを我慢した状態で帰宅した場合、家庭内でちょっとした問題が起きただけで激しい怒りを爆発させるなどの状況が、この怒りに分類されます。
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3. 自己防御のための怒り
誰かに攻撃されたり、辛いことがやって来るとわかっている状況では、怒りが「自分を守るため」に爆発します。
怒りの爆発を防ぐためのアドバイス
まず最初に自分の習慣や物事に対する反応について理解することが大切です。
普段は攻撃的な行動をしない人は、自分の怒りをコントロールし、衝動を合理化することで怒りを抑えることができます。
詳しくご紹介します:
1. 怒りの原因を見つける
一日の中で怒りやすい時間や状況はありますか?
ある特定の人に対してだけ怒りが爆発していませんか?
怒りには、恐怖心、悲しみ、痛みなどの感情を伴います。
怒りが爆発する原因の一例:
- 仕事に遅れるとき
- パートナーとあることについて話し合うとき
- 物事が自分の思い通りにいかないとき
2. ネガティブな感情を溜め込まない
私たちは感情の「水」を注ぎ入れるガラスの容器のようなものです。
毎日ネガティブな感情が起こりそれが蓄積されると、最終的に容器の水が溢れるように怒りが爆発します。
一日、一週間、一ヶ月など、長期間怒りが継続すると遅かれ早かれ爆発するため、問題から目をそらさず、怒りが積み重なる前に解決する努力が大切です。
3. 10または自分の好きな数字を数える
自分の怒りがいつ爆発するのか予測不可能なこともありますが、症状や怒りの段階を分析することで、だいたい怒りが爆発する前に察知できるようになります。
怒りが爆発するかもしれないという予測が立てられるようになったら、10、100または自分の好きな数字を数えましょう。目を閉じて呼吸に集中することも大切です。
数字を数える時はゆっくりと一定のペースで数えてると、心拍数を正常に保ちながら冷静に物事を判断できるようになります。
4. エクササイズ
エンドルフィンを放出して心を穏やかに保つためには運動が効果的です。体が動いている時、呼吸と心拍数が正常に保たれます。
ボクシングやキックボクシングなどの自分の好きな運動と、ヨガ、ピラティス、太極拳などゆっくりとしたリラックス効果を含むエクササイズには、どちらも怒りの感情を軽減する働きがあります。
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5. 休息
数時間の睡眠は最も治癒効果のある方法の一つです。一日中職場で過ごした後は、帰宅して温かいお風呂に入ったりシャワーを浴びた後、ぐっすりと眠ることをお勧めします。
職場からのイライラを家族やパートナーにぶつけることなく、リラックスした状態ですぐに眠りにつくことで、リフレッシュした気持ちで翌朝を迎えることができますし、家族との不必要な言い争いを避ける効果もあります。
一日に6−8時間の睡眠が怒りの緩和に効果を発揮します。
6. メディテーションなどのリラックス時間
メディテーション(瞑想)、読書、ダンスなど、自分の心身をリラックスさせられる時間を設けることで、怒りの感情を緩和する効果があります。
怒りやイライラを感じている時はすぐにメディテーションを始められないこともありますが、毎日の習慣として取り入れると、激しい怒りに襲われた時も、対処できるようになります。
また、読書やダンス、ペットや子供との時間など、心をリラックスさせる時間を大切にして、心の平穏を保つようにしましょう。
7. イライラする状況や人を避ける
月曜日の朝のボスは一番機嫌が悪いことが事前に分かっている時、試験に必ずストレスでイライラする友人、自分のパートナーが職場で嫌なことがあった時に機嫌が悪くなるサインなど、他人が怒りを感じている兆候に気づいたら、彼らに近づかないようにすることで、不必要なイライラを避け、怒りの爆発を避けることができます。
毎日の運転が辛い時は、バスや地下鉄を使ったり、渋滞が苦手なら早めに家を出るなど、イライラが起こる状況を避ける努力をしてください。
自分の中で怒りが爆発する引き金となる、イライラさせられる状況を避けることで、怒りを抑えることができます。
引用サイト:日本心臓財団
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
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