ブロークンハート症候群:知っておくべき5つのこと
"ブロークンハート"と言うと詩的な響きがあるかも知れませんが、これは最近になって発見されたストレスに起因する心筋症です。
ブロークンハート症候群は1991年、広島市民病院の佐藤光医師らが世界で初めて報告しました。
左心室が軽く収縮し息苦しい感覚をもたらし、アドレナリンが異常に分泌されます。
奇妙な症候群
ブロークンハート症候群は3つの特徴のある、たこつぼ型心筋症の一種です。
一般的には、重大な心臓疾患に発達したり特別な治療をする必要もないまま、数日で治ってしまう事です。また、女性に多く起こる疾患です。
今回はこの症候群に関する興味深い事実をお伝えします。
1.ブロークンハート症候群が男性に起こると深刻になる可能性がある
ブロークンハート症候群は女性にしか起きない病気だと信じている人もたくさんいますが、実は男性にも起こりうる疾患です。
男性の場合、女性に比べて高い比率で心臓の病歴のある人にこの症状が現れやすいようです。男性が患うと深刻な事態に陥るケースもあります。
こちらもご参考に:
“ブロークンハート心筋症” /女性の心筋症
2.心不全ではない、一時的な不調
たこつぼ型心筋症の最もやっかいな事は、病を患った本人が致命的心臓発作を起こしていると勘違いするところです。
症状は同じですが、テストをすれば心不全ではないことは一目瞭然です。
・動脈を防いでいる血栓がない
・左心室が円錐型になっている
・アドレナリンが一時的に心筋を変形させているためにブロークンハート症候群の症状がでますが、冠動脈には影響がありません。
・通常この症状は、特に何もしなくても自然と改善します。
・過去に心臓病の病歴がある人、1度以上ブロークンハート症候群にかかったことのある人は深刻な状態につながる可能性があるので注意が必要です。
3.ある日突然感情が心臓を攻撃する
失望、誰かを失う、感情への強い衝撃、悪い出来事。。。
私たちの心は常にこういったものに対処するよう準備が整っているわけではありません。脳もまた上手く反応が出来ず、心臓を直接攻撃するような有害なホルモンを分泌したりします。
・ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンが異常なほど分泌されます。これらのホルモンはカテコールアミンと呼ばれ、血中を流れて直接心臓の筋肉に影響を与えます。
・しびれるような胸の痛み、息苦しい感覚、めまいなどを起こします。
本人は、まるで死んでしまうのではないかと思うほどの苦しみに陥ります。辛い状況に心が上手く対処できなかったがために、感情が敵となって体を攻撃しているのです。
ご存知でしたか?:
ブロークンハート症候群を防ぐ5つのカギ
4.ブロークンハート症候群の深刻度
・ストレスの高い状況を上手く乗り越えていけないと、心筋症などになる事があります。これは心臓発作などを引き起こす可能性があります。
・何度もブロークンハート症候群を経験すると、心臓の筋肉にダメージを与えることがあります。
・他に心臓に疾患を抱えている場合、たこつぼ型心筋症は重大なダメージを与えることがあります。
ブロークンハート症候群は、体が発する警告として受け取るべきです。心身ともに今まで以上にケアをするようあなたを促しているのです。
5.「自分を訓練する」
誰も明日何が起こるかなど予測できませんし、悪い出来事に備えることも難しいです。
出来る事と言えば体をケアし、心が強くなるよう訓練することくらいです。自制心や心の中の静けさを保ち、早く立ち直れるよう鍛えましょう。
・毎日の生活習慣を見直しましょう。喫煙を控え、健康な食生活と運動を心がけてください。心臓を強くする助けとなります。
・心を鍛えましょう。瞑想など、様々なリラクゼーションテクニックを学ぶと良いです。
・感情を解き放つ事の出来る活動をしましょう。心を開放し幸せな気持ちにさせてくれるものを探してください。:ダンス、絵を描く、執筆、友達とのおしゃべり、何かのクラスを受けるなど自分の心が安らぐものを見つけてください。
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