睡眠の質を高める9つの食べ物
睡眠について何か悩んでいることはありますか?眠れないとき、眠る必要のあるときなど、副作用の伴う睡眠薬に頼ってしまうこともあるのではないでしょうか?今回は、睡眠の質を高める9つの食べ物をご紹介します。眠れないときに、ぜひ参考にしてみてください。
睡眠の質を高める食べ物
よく眠ることは、休息をとるという意味もあります。しかし、どちらかというと、睡眠は活動する時間をより活発に、より生産性のある時間とするために必要なことなのです。そして、子供にとっては、身体的な成長にも大変重要な要素です。
一般的に、理想的な睡眠時間は、幼児は1日につき9~11時間、10代の若者は8~10時間、成人男性・女性は7~9時間、高齢者は7~8時間ほどと言われています。
非常に多くの人々が睡眠に関する問題を抱えていますが、普段の食習慣を正すことが、睡眠に大きく影響し、その質を上げるということに気づいている人は多くはありません。注意して頂きたいのは、消化の時間を確保するため、眠りにつく2時間前までにはできる限り夕食を済ませておくとよいでしょう。重要なポイントなので、ぜひ覚えておいてください。
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1.アーモンド
アーモンドは寝つきを良くするのに大変効果的な食べ物です。アーモンドにはトリプトファンとマグネシウムが豊富に含まれており、それらの成分は、睡眠ホルモンを正常に分泌する手助けとなるのです。
また、アーモンドには睡眠中に代謝を上げる良質な脂質も豊富に含まれています。
- おすすめは“生”で食べることですが、食べ慣れていない場合は何か少し味を足したり、トーストしてもかまいません。
- バナナやイチゴなどとブレンドしてジュースにするのも良いでしょう。ただし、甘味料は入れないよう注意をしてください。
- 果物にもアーモンドにもカロリーがありますが、夜寝ている間にもカロリーは消費されますので、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。
2.全粒粉のパン
全粒粉で作られたパンにはビタミンB1とB6が含まれています。これらは蜂蜜と組み合わせることによって、トリプトファンがすばやく脳に伝達され、そこでセロトニンとなり、眠りにつくのに効果的です。
ここで補足として、トリプトファンとセロトニンの関係について少々説明いたします。
トリプトファンは、“ノルアドレナリン”、“ドーパミン”と並ぶ三代神経伝達物質と言われている脳内物質“セロトニン”の材料となる必須アミノ酸の一種です。セロトニンは、精神面に大きく影響する神経伝達物質であり、心のバランスを整えるのに重要な作用をしているといわれています。
セロトニンが睡眠に与える影響も大きく、不足すると興奮状態が続いたり、暴力的になったりなど、精神的に不安定な状態を招く原因となることもあるのです。
セロトニンを合成する材料となるのがトリプトファンなのですが、これは体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。トリプトファンは先ほどの全粒粉のパンをはじめ、肉類や大豆、赤身の魚など、タンパク質が豊富な食品に多く含まれています。
しかし、トリプトファン単体ではセロトニンを合成することができません。そこで必要となるのがビタミンB6です。さらに、吸収率を上げるために、炭水化物を同じタイミングで摂取するのが有効と言われています。
トリプトファン、ビタミンB6、そして炭水化物の組み合わせからも、これらが揃っている全粒粉のパンは、セロトニンを効率良く摂取するのに効果的と言えるでしょう。
全粒粉のパンと蜂蜜を寝る前に摂取することは、体内でトリプトファンをすばやく合成するのに有効だと考えられているため、ダイエットにも効果的な手段として知られているのです。
全粒粉のパンを購入する際、生産者に成分を確認することをおすすめしますが、それができない場合は、製品ラベルを良く確認し、砂糖が最も少なく、穀物が最も多く含まれているものを選んでください。
3.ダークチョコレート
ダークチョコレートは、その種類が昨今非常に増え、味も様々なものが市場に出回るようになり、日常で見る機会も以前より多くなったのではないでしょうか。
ダークチョコレートはセロトニンの生産を促し、食べることによって心身ともにリラックスできる効果もあります。
また、チョコレートにはカカオバターが含まれているため、心臓病の予防にも役立つとされています。
4.バナナ
バナナは睡眠に関する悩みにおいて効果的だと言われています。バナナは多くの栄養を含んだ食べ物です。その高い栄養価に加え、睡眠の質を改善するために必要なメラトニンとセロトニンの生成を促してくれます。
寝る前にバナナを食べることで、マグネシウムとカリウムが体内に摂取されます。これら二つの成分によって、筋肉と神経をリラックスさせることができるのです。
バナナを普段の食生活に加えることによって睡眠の質が上がれば、睡眠中のトラブルも減り、とてもいい気分で起きられるようになります。
5.ハーブティー
ハーブティーは、睡眠を改善するのに良い手段として、長年の間重宝されてきました。カモミールやレモンバーム、パッションフラワーやライムブロッサム(リンデン)、レモンが含まれたハーブティーは鎮静作用があり、飲むとリラックスできます。
寝ている間頻繁に起きてしまう方は、これらが含まれたハーブティーを飲むことによって、眠りが深くなり、身体をより休めることに繋がります。飲み方としては、眠りにつく少なくとも10分前に、温めたものを砂糖なしで飲むのがいいでしょう。
ハーブティーに慣れておらず、砂糖の入っていない状態で飲んだことが無い方は、せっかくの効能を逃してしまっているかもしれません。数日で慣れますので、この機会にぜひお砂糖無しのハーブそのままの味を試してみてださい。
6.牛乳
牛乳にはトリプトファンとカルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは、トリプトファンが効率よく摂取されるのを手助けします。牛乳は、子供たちにとって必要な栄養源の基本ですが、ビタミンAとビタミンDも含まれており、大人に取っても大切な栄養素といえます。
おすすめは温めた牛乳です。温かいものを飲むことによって、リラックスした状態になり、身体的なストレスの解消にも繋がります。さらに、炭水化物と乳脂肪を摂取することで、インシュリンが分泌されます。これにより、体内でトリプトファンの合成が促され、睡眠に良い効果をもたらしてくれることでしょう。
7.鶏肉
鶏肉はトリプトファンが豊富で、消化をするにも身体にあまり負担がかかりません。
全粒粉のパンと鶏肉で作ったサンドイッチを夕食にしてみてはいかがでしょうか?そして寝る前にアーモンドを数粒、食べてみてください。
消化にも良く、作るのも簡単な素晴らしいメニューです。夜、空腹に耐え切れなくなってしまったときに、ぜひ試してほしい一品です。
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8.蜂蜜
蜂蜜にはブドウ糖が含まれており、これらはオレキシンという覚醒物質の作用を減少させるよう働きかける効果があります。
蜂蜜は、体内のリズムを整え、身体に就寝時刻を覚えさせるのに効果的です。先ほど、お茶に砂糖は無しでと言いましたが、もし甘みが足りない場合は蜂蜜を少しだけ加えてみるのをおすすめします。今後、甘みを足したいときは蜂蜜を選ぶようにするだけでも、身体に変化が現れることでしょう。
9.さくらんぼ
睡眠に最も効果的な食べ物として挙げられるのが、さくらんぼです。さくらんぼに含まれるメラトニンが睡眠の改善に効果的とされています。
夕食の一部として、さくらんぼを8粒食べてみてください。
今回ご紹介した不眠に効果的な食べ物はこれら9つですが、それ以外にも、それぞれの体質に合った効果的なものがあるかもしれません。少し意識して食生活に新しいものを取り入れてみてください。時に驚くほどの発見があるかもしれません。
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