子宮筋腫の警告サイン7つ
子宮筋腫とは子宮の内側、または外側に発達する腫瘍です。
ほとんどの場合は良性で、一般的にはガンの発達とは関係ないものとされています。
しかし、子宮筋腫の中には、危険を知らせる警告サインがみられることがあります。特に、筋腫の成長が速すぎる場合は、婦人科で検査する必要があるでしょう。
子宮筋腫とは?
子宮筋腫は、子宮内の細胞が異常に発達しコブのような塊になる病気です。
日本産婦人科学会でのサイトでは「子宮筋腫は珍しくない腫瘍です。小さなものも含めると、30歳以上の女性の20-30%にみられます。がん(悪性の腫瘍)ではありませんが、貧血や痛みなど様々な症状の原因となります。筋腫は卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなります。閉経すると、逆に小さくなります。」と記載されています。
中には肉眼では見えないほど小さく、何の症状ももたらさないものもあります。
問題が起こるのは、そのコブが子宮や胸郭をも圧迫するほど大きくなってしまったとき。
不快な症状につながり、どんどんひどくなっていくこともあります。
子宮筋腫が危険を知らせるのは以下のような場合です。
- いくつもの子宮筋腫がすでにできているとき。
- とても敏感な場所にできているとき。
筋腫が大きければ大きいほど症状も強まるでしょう。
ここでご紹介する警告サインがあるならば、注意が必要となります。
1.膀胱に問題がある
一つ目のサインは、子宮筋腫と関係があるようには思えないかもしれません。
しかし、子宮筋腫が子宮の外側、つまり膀胱の近くにできた場合は、膀胱が圧迫されて尿の溜まる容量が小さくなることがあります。
特に一般的な症状は頻尿ですが、子宮筋腫によって排尿が妨げられる場合もあります。
トイレに行く回数が普通より多いのに尿を出し切ったという感じがしない場合は、一度検査を受けてみましょう。
こちらもご参考に:頻尿の原因とは?自宅でできる頻尿の簡単な対処法
2.直腸の圧迫感
子宮筋腫によって膀胱が圧迫されるように、直腸にも同じことがおこります。
この場合、直腸が圧迫されることによって満腹感があるように感じることがあります。
また、腸の動きが妨げられることによって痔につながってしまうこともあります。
もちろん他の要因も考えられますが、家族に子宮筋腫の病歴がある場合は特に、婦人科で検査を受けてみるとよいでしょう。
こちらもご覧ください:子宮筋腫の症状・原因・種類・リスクとは
3.骨盤の不快感や痛み
子宮筋腫が大きくなると、骨盤のあたりに不快感や痛みがでてくることが多くなります。
前かがみになったり横になったりしたときに特に症状が顕著になる女性もいるようです。
あるいは、骨盤に重みや張りを感じる場合もあるでしょう。
骨盤付近に鋭い痛みを感じる人もいますが、これは筋腫が縮小していることが原因で、2週間から一ヶ月程度続くことがあります。
また、子宮筋腫の構成成分が血液や周辺組織に影響を与えることで熱がでる可能性もあります。
4.腰痛
腰の痛みも子宮筋腫の警告サインです。
筋腫が子宮の外側に位置している場合は、背骨の神経や腰の筋肉が圧迫されることがあります。
これによって、日常生活に支障をきたすような鋭い痛みを感じるかもしれません。
筋腫の位置によっては、腰痛と合わせてその他の症状があらわれることもあるでしょう。
5.性交時の痛み
子宮筋腫の大きさや位置によっては、性交時に痛みを感じる女性もいるようです。
セックス中の不快感や痛みは、ある位置や、月経サイクルのある時期において、特に顕著になることがあるかもしれません。
パートナーとよく話し合い、痛みの原因が相手でないということを知らせておくのも大切になるでしょう。
6.月経時の出血量が多い
子宮筋腫の症状としてもっともよく知られているのが、月経時の出血が多くなることです。
短時間に多くの出血があり、大きな不快感のある症状です。
この症状の問題は、少し驚いてしまうことだけでなく、痛みを伴うということです。
なかなか和らげることのできないつらい生理痛があるかもしれません。
月経時の出血量が急激に増えたり鋭い痛みを伴ったりするならば、すぐに医師の診断を受けましょう。
生理が重い女性は貧血になりやすく、疲れ、虚弱体質、頭痛などに悩まされることがあります。
7.生理が長引く、不正出血がある
月経時の出血量が増えるだけでなく、月経の期間が長引くこともあるかもしれません。
生理が7日間以上も続いたり、生理期間外に不正出血があったりすることもあります。
この場合もひどい生理痛が伴うことがあるでしょう。
これらの症状は子宮筋腫の警告サインなので、注意する必要があります。
理想としては、1年に1度は婦人科で検査を受けるのがよいでしょう。
しかし、上記の症状がみられる場合はすぐに医師の診断を受けてださい。
引用サイト:日本産婦人科学会
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Donnez, J., & Dolmans, M.-M. (2016). Uterine fibroid management: from the present to the future. Human Reproduction Update, 22(6), 665–686. https://doi.org/10.1093/humupd/dmw023
-
Farris, M., Bastianelli, C., Rosato, E., Brosens, I., & Benagiano, G. (2019). Uterine fibroids: an update on current and emerging medical treatment options. Therapeutics and Clinical Risk Management, 15, 157–178. https://doi.org/10.2147/tcrm.s147318
- Manta, L., Suciu, N., Toader, O., Purcărea, R. M., Constantin, A., & Popa, F. (2016). The etiopathogenesis of uterine fibromatosis. Journal of Medicine and Life, 9(1), 39–45. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5152611/
- Phelippeau, J., & Fernandez, H. (2016). Fibromas uterinos. EMC – Ginecología-Obstetricia, 52(4), 1–6. https://doi.org/10.1016/s1283-081x(16)80902-9
- Reis, F. M., Bloise, E., & Ortiga-Carvalho, T. M. (2016). Hormones and pathogenesis of uterine fibroids. Best Practice & Research Clinical Obstetrics & Gynaecology, 34, 13–24. https://doi.org/10.1016/j.bpobgyn.2015.11.015
- Zimmermann, A., Bernuit, D., Gerlinger, C., Schaefers, M., & Geppert, K. (2012). Prevalence, symptoms and management of uterine fibroids: an international internet-based survey of 21,746 women. BMC Women’s Health, 12(6). https://doi.org/10.1186/1472-6874-12-