イブプロフェンについて知っておくべき事
イブプロフェンは非ステロイド系の抗炎症剤です。痛みや炎症、熱が出た時に服用します。
イブプロフェンってなに?
イブプロフェンは錠剤、カプセル、シロップなど様々な形で売られてます。抗炎症剤、鎮痛剤、熱を下げる働きが期待されます。
熱がある場合は服用から1時間ほど経った頃から効果が出始め、約2時間から4時間効果が持続します。ただし、抗炎症効果を得るためには1週間ほど飲み続ける必要がある場合があります。
イブプロフェンの主な利用法
1.頭痛、偏頭痛、耳の痛み、生理痛、喉の痛み、筋肉痛などの痛みや炎症の治療
2.熱による症状
3.若年性リウマチ性関節炎や関節炎(関節の病気)などの治療
4.肉離れや筋肉緊張のような軟組織の怪我の治療
イブプロフェンの機能
イブプロフェンには、体内で炎症や痛み、熱などを引きおこすプロスタグランジンという物質の生成を阻止する働きがあります。
イブプロフェンはプロピオン酸系の鎮痛剤です。これはラセミ化合物(2つの鏡のように対照的な化合物)で、ほぼ完璧なSの形をしています。
イブプロフェンが体内に入るとどうなるの?
イブプロフェンは非水溶性の薬です。その溶解性や薬物動態プロファイルを改善するために、アルギン酸塩、もしくはリジンの形態でしばしば使用されます。
・吸収:経口、非経口による投与が一般的。経口投与の方が効き目が早く効果的です。
・分類:イブプロフェンは血漿タンパク質と効果的に結合します(90~99%)。これは組織全体にまんべんなく広がるのを可能にします。
・代謝:代謝の大部分は肝臓で行われます。これはハイドロキシル化とカルボキシル化によるもので、様々な不活性代謝産物を生成します。
・排泄:ほとんどが尿に交じって排泄(90%)され、便には少量しか含まれません。
投薬量
投薬量は、それぞれの患者に合わせた調合薬によって変わります。医者が勧める飲み方を守ってください。
ただし一般的な投薬量は以下の通りです。
・大人の場合、400~600mgを6~8時間おきに服用します。1日2.4g以上は飲まないでください。
・3か月から11歳までのお子さんの場合、1日20~30mgを、3,4回に分けて飲ませてください。
・3か月以下の乳児には使用しないでください。安全性も効果も確認されていません。
医者は大人にのみ錠剤を勧めています。600mgを超えないようにして、6~8時間おきに服用してください。
時間を守って服用しましょう。用量が多すぎると、腎臓や肝臓の障害に繋がります。
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イブプロフェンを飲む際の注意事項
以下がイブプロフェンを服用する時の注意点です。
・イブプロフェンに対する過敏性。アスピリンにアレルギーがある場合、イブプロフェンのようなNSAIDs(非ステロイド系炎症鎮痛薬)に対して過敏に反応することがあります。これらは特に喘息を持っている人に見受けられます。
・消化性潰瘍、腸炎症性疾患、その他胃腸の出血を引き起こすリスクを高めます。プロスタグランジンの生成を抑制する過程で、胃腸に穴が開いたり出血をまねくことがあります。その為イブプロフェンやNSAIDsは、食間に服用する事を勧められます。
・血液の凝固に影響を与えます。イブプロフェンは血液の凝固に影響を与え、出血が止まりにくくなったりします。
・腎臓機能を弱めます。尿によってイブプロフェンの大半が排出されるという事は、それが一旦腎臓に溜まるという事です。つまりそこに毒素が溜まり、腎臓の血流を悪くします。
・高血圧や心臓疾患のコントロールを困難にします。
・妊娠中、特に妊娠後期の服用は控えてください。妊娠初期に長期にわたって服用するのも良くありません。
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相互作用
イブプロフェンやNSAIDsの働きに影響を及ぼす薬がいくつもあります。効果を減少させたり、場合によっては反って体に悪い影響を与える事もあります。
以下がその例です。
・NSAIDs:アスピリンと一緒に服用すると、アスピリンが持つ抗凝固効果を弱めてしまうことがあります。
・アルコール:イブプロフェンもアルコールも肝臓で代謝されるため、同時に体に摂りいれると肝臓に副作用が出やすくなります。
・抗高血圧薬:高血圧薬の効果を弱める可能性があります。腎機能障害の患者は病状が悪化する恐れがあります。(脱水症状のある患者、もしくは高齢の患者)
・経口抗凝固剤、ヘパリン:血液凝固を困難にし、出血が止まりにくくなる恐れがあります。ですので、医師は定期的な血液凝固テストを勧めるのです。
・糖尿病の薬:腎臓による排泄を減少させ、低血糖になるリスクがあります。
・アセトアミノフェン:アセトアミノフェンとNSAIDを長期にわたって同時に服用すると、腎臓機能に悪影響を与えます。
イブプロフェンの副作用
副作用は主にシクロオキシゲナーゼ(中でもCOX1)を抑えようとする過程から起こります。これは1日の服用量が3.2mgを超えた時に現れます。
1.胃腸への影響:消化不良、下痢、吐き気、腹部の痛み、胃腸からの出血の可能性があります。
2.皮膚への影響:発疹、蜂窩織炎、紅斑などになりやすい傾向があります。ですが通常アスピリンやその他のNSAIDに対する過敏性がある人に起こります。
3.中枢神経系:頭痛、めまい、不眠、循環器疾患
4.血液:出血が長引く、止まりにくい
5.心臓血管:高血圧、心臓疾患
6.腎臓:尿中窒素の増加、腎不全
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