アメリカ食品医薬品局が片頭痛予防薬を承認

· 9月 19, 2018
その症状の激しさと、この静かな病気で生活が中断される苦しさを描写できるのは、片頭痛持ちの患者のみでしょう。その予防薬に新たな選択肢ができるかもしれません。何百万人もの人にとってとても明るいニュースです。

2018年5月、アメリカ食品医薬品局(FDA)が革新的な薬を承認しました。一般名「erenumab」、商品名「Aimovig」という月1回の注射で片頭痛を予防する薬です。(日本国内未承認)

 

片頭痛の予防薬についてのこのニュースが重要なのはなぜ?

片頭痛の治療に選択肢を増やすことは、この病気による苦しみを知る人にとっては新たな解決法を提供することになります。多くの人には理解できないのですが、耐えられない痛みを軽減するために暗い静かな部屋に閉じこもらなければならないのは非常に辛い状況です。

この片頭痛の深刻さから、世界保健機関(WHO)は片頭痛を仕事や日常生活に支障をきたす疾患と位置付けています。それまでは片頭痛持ちの人は、「ただの頭痛で」仕事を休むというような非難に耐えなければなりませんでした。全く現実とは違うにも関わらずです。

この病気は遺伝的な要素が強いもので、女性に多くみられます。つまり特定の生活習慣やストレスで起こるものではなく、そのため片頭痛に対処するには予防が最良の方法なのです。

 

Aimovigはどのように作用するのか?

この素晴らしい薬の効果は、アメリカ神経学学会の年一度の学会で発表されました。デジタル専門雑誌『IFL Science』の記事によると、基本的にこの薬の主要なメリットは、片頭痛が起こってから攻撃する代わりに、発症を予防することにあるということです。

オフィスで頭を抱える男性

この学会で、この薬の効果は長く月1回の処方で良いこと、錠剤を飲む必要もないことが報告されました。月1回70から140㎎の注射をするだけで十分だということです。この投与量で片頭痛のサインを伝える分子、この病気の特徴的な激しい痛みの原因となる分子を麻痺させます。

 

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副作用と費用

医学専門誌の発表によると、この薬の副作用は非常に軽いとあります。しかしその効果はすべての患者に保証されているものではありません。

発表された研究によると、この薬を使用した患者の3分の1にかなりの効果がありました。症状が完全になくなったと答えた人はわずかで、最終的にその中の何人かが緩和効果はそれほど大きくなかったと答えました。

 

入手は難しい

残念ながら、全てバラ色なわけではないこともお伝えしなければなりません。この薬は費用が高く、承認されている国でも社会保障制度に加入していない人にとっては購入は簡単ではないでしょう。

この薬を製造するアムジェンという会社の発表では、1回の注射が575USドルです。ヨーロッパでは欧州医薬品庁がこの薬品の承認を検討しており、承認された場合は、価格はアムジェンと公的医療システムとの交渉によって決まります。

このアメリカの製造会社は、患者にも医療関係者にも大きなメリットのあるものだと主張してこの高価格を擁護しています。このような治療によって生じる、全ての関係者へのポジティブな経済的効果だという立場の主張です。

 

片頭痛を予防する他の薬

もちろんこれが初めての片頭痛予防薬ではありません。アメリカ食品医薬品局(FDA)にすでに承認された薬として、メチセルジド、プロプラノ ロール、チモロール、ジバルプロエクスナトリウムがあります。(日本国内では未承認のものもあります)

けれどもこれらの薬の使用には副作用が伴うことがあり、そのため医師が使用の効果から判断して、投与量を調節したり、必要であれば処方を中止したりすることが重要です。

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片頭痛についてのデータ

片頭痛の症状には、吐き気、光に過敏になる、ズキズキとした痛みなどがあり、ヨーロッパでは人口の10%以上の人に発症しています。さらに少なくとも3日に1度の片頭痛に苦しんでいる人が1%以上います。

これらの患者の中には、従来からの薬や家庭療法で症状を抑えることができる人も多いですが、この病気の精神状態へのネガティブな影響によって日常生活に大きな支障を感じている人々もいます。

薬のある机に伏せる女性

この病気について考慮すべきデータを以下に挙げます。

  • 10人に1人に発症します。
  • 20歳以降に発症することが多いですが、子供にも起こる場合があります。
  • いくつかの種類があり、脳のどの部位に影響があるかによって異なります。
  • 最も重く激しい症状が出るのは神経性片頭痛です。
  • 遺伝的原因によるものであっても、きっかけとなるのは些細な外的あるいは内的刺激であることもあります。片頭痛のエピソードの原因となりえることについて記録しておくことが勧められます。

 

ここまでお話ししてきたこと、そして世界で何百万という人が苦しんでいることから考えると、少しずつであってもその数を減らしていけることは明るいニュースです。Aimovigのような選択肢が増えていけば、何千人もの人がより良い生活を送れることでしょう。