誤解によるすれ違いを避けるために
善意からの言葉や行動であっても、誤解されて悪く取られてしまうことは、人間関係では時々起こります。たとえ長い時間を一緒に過ごした相手であっても、そのような誤解は生じます。
結果としてすれ違いが起きたり、お互いに傷ついたりすることもあります。
誤解が起こるのは、それぞれの意図や、コミュニケーションの方法、ものの見方などの違いのためです。
こんな言葉があります:
「私たちが考えていること、言いたいこと、言ったと信じていること、実際に言ったこと、聞きたいと思っていること、実際に聞いたこと、聞いたと信じていること、理解したと思っていること―これらの8つの要素の食い違いが誤解を引き起こす」
状況を客観的に見つめる
誤解は、意地を張ること、疲れてちゃんと話を聞かないこと、自信のなさ、相手に対する信頼の欠如など、さまざまなことがきっかけとなって起こります。それらが複雑に絡み合っている場合もあります。
声のトーンや、あいまいな言葉など、小さなことを深読みして、(実際はそうでないにも関わらず)敵意や何か特別な意図があると感じ取ってしまうこともあります。
このような状況を避けるためには、起きていることや、自分の心の状態を冷静に見つめる必要があります。
たいていの場合は、起きていることから少し距離を取って客観的に見てみると、実はそんなに大げさなことではないと気付きます。そうすることで、意地を張ったり、感情をぶつけたりして状況を悪くするのを避けることができます。一歩引いて全体を見ることで、相手の気持ちを傷つけず、より適切な反応を返せるようになります。
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お互いを尊重する
少し似ているもののように思えるかもしれませんが、高慢さと、誇りを持つこととは、しっかり区別する必要があります。
いつも自分を中心に置いて、相手よりも優位に立とうとし、相手に何か譲ることもなく、話に耳を貸さずにいると、ただの高慢な人になってしまいますし、いつまで経っても相手を理解することができません。
状況を公平に見つめ、自分の言いたいことを伝えると共に、相手の気持ちや立場も理解しようと努めることが大切です。
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理解を深める
自分の意図を誰かに理解してもらうことは、決して簡単ではありません。何かをするときの動機は、人それぞれ異なっているということが、余計にそれを難しくします。
同じことを繰り返し説明しても、目の前にいる相手が理解してくれないことがあります。これは、必ずしも相手に原因があるとは限らず、お互いの立場や視点の違いが原因となっていることもあります。
このような場合でも、一歩引いて、全体の状況を見渡すことが、どうしたら相手が理解してくれるか考えるための助けになります。
ジグゾーパズルを組み立てるには、相手への敬意を基本としてコミュニケーションをとる必要があります。
冷静に対処する
伝えたいことが大事なことであったり、相手が親しい人であったりすると、誤解されてしまったときは余計に悲しく感じるものです。
しかし、感情的になると余計に状況がこじれてしまいますので注意しましょう。誤解が長引くにつれて、お互いが感じるネガティブな感情が強くなってしまったり、問題を解決しにくくなったりすることもあります。
誤解は時に心の痛みを伴います。例えば、何気なく言ったことが、特別な意図があると受け取られてしまったり、ネガティブにとらえられたりするときなどです。
誤解のせいで、誰かとの間に溝ができてしまいそうなときは、放っておかずに適切に対処しましょう。
ここまでお伝えしてきたように、最も有効な方法は、一歩引いて、距離を置いて冷静に全体を見渡すことです。
そのときの状況や、相手が何を期待しているかなどに応じて解釈の仕方も変わってきますので、まずは状況を把握しましょう。
また、身近な相手であるほど、お互いの言いたいことはわかっていると思いがちですが、そういったことも含めて、何か思い込みがないか一度見直してみましょう。
そして、次のようなことも心に留めておきましょう:
- 考え方やものの見方など、お互いの違いを受け入れること
- 大事な要求を軽く扱われそうになったら、はっきりとした態度を取ること
- 人によっては、言葉と行動が必ずしも一致しているわけではないと知ること
- 相手の立場や気持ちを理解しようと努めること
- 結論を急がず、慎重に考えること
- 問題がすぐに解決しそうにない場合は、時間を置くこと