エアロゾル療法って何?
エアロゾル療法とは、エアロゾルの吸入によって薬剤を投与する治療システムです。この治療には、ネブライザーと呼ばれるデバイスを用います。ネブライザーは、液体をエアロゾル分子に変換することができます。患者にとって呼吸可能である細かいミストを作り出します。
エアロゾル療法では、薬剤が気道に到達して治療効果を発揮します。
エアロゾル療法とは
最も一般的な吸入器は、喘息やCOPDの患者に気管支拡張薬を投与するものでしょう。ですが、他の病気の治療に使うこともあります。例えば、嚢胞性線維症やHIV、気管支拡張症です。
投与可能な薬剤
エアロゾル療法では、以下のような薬剤を投与することができます。
- 気管支拡張薬やコルチコステロイド薬
- 粘液を切りやすくする粘液溶解薬
- 分泌液をより液状にする生理食塩水などの物質
- 気管支の炎症を直接治療する抗生物質
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エアロゾル療法の利点
エアロゾル療法の主な利点は、気道の影響を受けた部分に直接薬剤の投与ができることです。そのため、低投与量で素早い効果が得られるでしょう。
さらに、全身投与に比べて副作用が少ないでしょう。気管支に直接薬剤が到達するからです。ネブライザーの種類によっては、分子のサイズやミストの速度、分散に明らかな違いがあることもあります。
患者側の要因として、以下のようなものがあります。
- 年齢
- 呼吸パターン
- 肺の状態
リスクと合併症
考えられる合併症は、次のようなものです。
- 気管支痙攣:気管支が痙攣を起こし、狭まる。それにより、咳が出たり呼吸が困難になる。
- 汚染による感染
- 動悸や血圧の上昇
- 二酸化炭素の滞留:呼気によって普通は排出される。
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エアロゾル療法を使った投与
ネブライザーは正しく使われなくてはいけません。そうでなければ、効果的ではありません。また、治療するために使う薬剤に合った種類のネブライザーを使用することも重要です。
薬剤は、極度の倦怠感や息切れで苦しむ患者に酸素マスクで投与することができます。また、従来の吸入器が使えない場合もマスクが使われます。従来の吸入器が使えない場合とは、高齢者や重症患者のケースが多いでしょう。
患者または医師は、適切に薬剤を準備しなくてはいけません。必要なものを全て準備し、手は綺麗に洗いましょう。正しく装着をするためには、装置の取り扱い説明書にしたがい、薬剤の投与量も間違えないようにしましょう。
複数の薬剤で治療している場合は、以下の順番で行いましょう。
- 気管支拡張薬/コルチコステロイド
- 分泌物を流動化する物質
- 呼吸理学療法
- 気管支感染症を治療する抗生物質
ですが、これに関しては主治医にまず確認しましょう。
エアロゾル療法は座って行うことが推奨されています。背中をまっすぐにし、頭を後ろに傾けましょう。こうすることで、ミストが余計な場所にかからなくて済むでしょう。使用後は、全ての器具や素材の除菌を行い、清潔に保つことが大切です。
ネブライザーの種類
ネブライザーの種類は3種類あります。
- 超音波ネブライザー:圧電結晶を振動させることでミストを作り出す。異なる濃度の生理食塩水と水を噴霧する時のみに適している。
- ジェットネブライザー:ガスの流れでエアロゾルが生成されるミストチャンバーで成り立っている。気管支拡張薬、抗炎症薬、異なる濃度の生理食塩水、粘液溶解薬、抗生物質の噴霧に適している。
- メッシュ式ネブライザー:メッシュの穴を通して噴霧されるよう、液体を通すことでエアロゾルが生成される。薬剤のロスが少なく、肺に沈着しやすいので、抗生物質の噴霧に適している。
まとめ
エアロゾル療法を利用する際は、医師の指示に従いましょう。
複数の薬剤を必要とする場合は、順番に気をつけて順に投与しましょう。また、ネブライザーの使用後は除菌をし、清潔に保ちましょう。口の衛生状態を保つのと同じですね。
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