胆のうの病気を知らせてくれる6つのサイン
私たちの体は、胆のうに何かトラブルがあると特定のシグナルを発することがあります。では、そのシグナルとはどういうものなのでしょうか。消化器系だけに症状が出るものなのでしょうか。これらについて見ていく前に、まずは胆のうとは何かについておさらいしましょう。
胆のうは、肝臓の下に位置する小さな臓器で、その主な役割は脂肪を分解して消化しやすくする胆汁を分泌することです。
何かがその機能を妨げると、老廃物が胆管に溜まり、これが胆汁の通過を妨げるようになると様々な症状が現れ始めます。これらの症状は、正しく対処せずに放っておくと、生活の質に影響しかねません。
胆のうの異常を示す症状が存在するの?
存在します。胆のうに問題があると、体は特定のサインを出します。しかしこれらは他の病気の症状と混同されることも多く、そのために対応が遅れることがあります。
次に、MSDマニュアル(スペイン語版)に基づいた、胆のうに異常がある可能性を示す6つのサインをご紹介していきます。もしこれらの症状に心当たりがある場合は、医師の診察を受けて正しい治療を受けましょう。
1. お腹の張りやガス溜まり
胆汁が通る胆管が詰まると消化が遅くなり、老廃物が溜まる(排出されないために発酵して体調不良の原因になる)、お腹が張る、腸内にガスが過剰に発生するといった症状が現れます。
2. 腹痛や腹が重く感じる
胆のうに問題があることを示しているかもしれない別の症状が、お腹が重たく感じたり、お腹から背中の右側に向かって広がる痛みです。
- 痛みは突然おこり、約15分間ほど続くことが多い。
- その後痛みが消えてはまた起こり、を繰り返し、その度に痛みが増す。12時間から15時間続くこともある。
- こう言った症状がある場合、胆石症の疑いがあるため、必ず医師の診察を。
3. 吐き気とめまい
吐き気やめまいは、様々な原因(例えば胆のうの病気)から現れる症状です。しかし、体の中で何かがおかしいことを示すものであり、軽いものであっても無視すべきではありません。
脂肪の消化に際して胆汁を使えなくなると、腸と血液の中の老廃物の量が増えます。さらに胆石が出来た場合には、胃が圧迫され吐き気や嘔吐を引き起こします。
4. 口臭
口臭が、口の中の細菌感染や衛生状態が良くない時に発生するということは、私たちも知っています。しかし、頻繁に口臭が気になって生活習慣を改めても改善しない場合は、肝臓や胆のう機能の異常と関連があるかもしれません。
- この場合、嫌な臭いと共に、金属の味がして口に不快感を生じる。
- 毒素の蓄積や、胆汁の分泌の減少がこの異常の原因である可能性がある。
こちらもお見逃しなく:胃腸が原因の口臭 5つの対処法
5. 食欲不振
食欲が突然落ちるのは、内臓のどこかがうまく機能していないサインです。慢性炎症疾患による場合もありますが、胆のうの機能悪化から来る消化不良が原因であることもかなり一般的です。
- 食欲不振が数日続く場合は、胆管が炎症を起こしているか、胆石の形成により詰まりが生じているサインと考えられる。
- 症状が進むにつれて、お腹の張りや満腹感を感じる。
6. 黄疸
黄疸は、血中のビリルビンが増加すると発症します。ビリルビンは肝臓で生成され、その大部分は胆管を通って排泄物へと流れていきます。しかし胆管が塞がっていると血中に溜まり、この病気の黄色の源となります。
医師の診察を受けるべき?
これらの症状に覚えがありますか?2つ以上の症状がありますか?もしそうなら、原因を突き止めて最適な治療を受けるため、一刻も早く医師の診察を受けてください。自己判断で薬を飲むのはやめましょう。
そして良い結果を得るためには、医師の指示に従うのに加えて、生活習慣の改善を行うべきだということを忘れないようにしましょう。
常にバランスの取れた食事を心がける、フライや加工食品をあまり食べないようにする、充分な水分補給をする、座りっぱなしの生活を避けて体を動かし、何でも摂りすぎには気を付ける、といった習慣が基本です。
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- Rogers, A. B., & Dintzis, R. Z. (2012). Liver and Gallbladder. In Comparative Anatomy and Histology. https://doi.org/10.1016/B978-0-12-381361-9.00013-5