ターメリックがアルツハイマー病にもたらす効果
ターメリックは、身体を守り、健康を改善してくれる自然の食材の中でも最も良く知られたスパイスの一つです。ターメリックはインドに由来するスパイスですが、世界中で料理や医療に用いられるようになりました。その主な特徴はクルクミンと呼ばれる生物活性剤によるもので、特徴的な色を持っているのはこのためです。
また、クルクミンはターメリックが150以上の治療活動に効果的である理由でもあります。ターメリックには優れた抗炎症作用や抗酸化作用があり、これによって身体の生命維持に不可欠な機能を助け、がんやその他の慢性疾患のリスクを低減させることができます。
英デイリー・メールによると、多発性骨髄腫を患っていた女性が、2011年に従来の治療を止めターメリックを1日8g摂取する食事療法に切り替えたところ、平均余命である5年を過ぎても病状が落ち着いた状態であることが、世界最大級の症例報告専用データベース「BMJケース・リポート」で報告されたそうです。
研究によると、ターメリックは血液脳関門を通過することができるため、脳疾患の予防や治療が期待できると言われています。。
ターメリックはなぜアルツハイマー病に効くのか?
アルツハイマー病は最も一般的な認知症の一種で、この病気を持つ患者は認知機能の低下に苦しみます。
現在アルツハイマー病患者は2600万人にも上り、2050年までにその有病率は4倍になると言われています。つまり、85人に1人はこの病気を患うことになるということです。
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ハチミツとターメリックを使った自然療法
現在、治療法は見つかっておらず、従来の医療では症状を完全に抑制することはできません。そのため、ターメリックのような自然の食材を用いて病気の影響を抑える研究が行われています。
去年末に発表された『認知症の行動心理学的症状を伴うアルツハイマー病におけるターメリックの効果』という研究では、研究者たちは3人のアルツハイマー病患者を検査しました。12週間にわたって毎日100mgのターメリックを摂取したところ、患者の症状が改善したとの結果が現れました。
公表されている情報によると、3人の患者には、怒りっぽさや動揺、不安、無気力などの症状があり、そのうち2人は尿失禁や徘徊に悩まされていました。患者たちにターメリック粉末のカプセルが処方されると、こういった症状が改善し始めたそうです。臨床症状や検査データに副作用は見られなかったとのことでした。
そして、3ヶ月に及ぶ分析の後、患者の症状が改善し、看護人の負担も著しく減ったと結論づけられました。
ターメリックがアルツハイマー病にもたらす効果
ターメリックとアルツハイマー病の関係に関する近年の研究によると、ターメリックにはアルツハイマー病患者に良い効果をもたらすと言われています。
この活発な物質は、βアミロイド斑の除去を促進します。また、ビタミンD3と合わせて摂ることで、神経を回復させる効果が強まります。ターメリックのもたらす効果には以下のようなものがあります。
- 低分子量であることとその構造のために、血液脳関門を簡単に通過することができます。
- 異常タンパク質であるβアミロイド斑と結びつきます。これらの分子はアルツハイマー病患者の脳内に蓄積されています。
- 強力な抗炎症作用と抗酸化作用によって、特に、脳の過度な炎症や細胞の酸化によって引き起こされた症状を緩和します。
ターメリックは700以上の遺伝子の発現を妨げると信じられています。炎症を制御する酵素である、クロオキシゲナーゼ2(COX-2)とアラキドン酸-5-リポキシゲナーゼ(ALOX-5)の合成を阻害します。
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ターメリックを食事に加えるには?
ターメリックの抽出エキスやサプリメントは健康食品を扱うお店で買うことができますが、ものによって含有量や品質も様々です。
もちろん、少量のターメリックを、スープや煮込み料理、米料理など普段の食事に混ぜたり、フルーツや野菜で作るスムージーに加えることで、抗酸化作用を強めたりすることもできます。しかし、ターメリックの特性を最も手っ取り早く簡単に活かす方法は、お茶にして飲むことです。
材料
- ターメリック粉末 大さじ1
- 水 1リットル程度
作り方
- お湯が沸いたらターメリックを加え、蒸らします。
- ターメリック茶が冷めたらグラスに注いで、1日に2回飲みましょう。
- お好みで、はちみつを少量加えて甘くすることもできます。
今回ご紹介したように、普段からターメリックを摂取するのはとても健康に良いです。アルツハイマー病の影響を抑えるだけでなく、健康な人がアルツハイマー病になるリスクも低下させてくれます。
もちろん、ターメリックが健康に良いからといって過剰に摂取するのはいけません。また、奇跡的な効果も期待すべきではないでしょう。しかし、優れた自然療法はいつでも食事に取り入れていきたいものです。
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