子宮筋腫:知っておきたい5つの事実

子宮筋腫の治療法は、筋腫の大きさによってちがいます。摘出するために外科手術が必要な場合もあれば、適切な薬物療法と定期検診で十分な場合もあります。
子宮筋腫:知っておきたい5つの事実

最後の更新: 23 11月, 2018

スペイン産婦人科学会(SEGO)によると、女性の70%近くが、生涯のある時点で子宮筋腫ができる可能性があるそうです。

ただし、このうちがんになる可能性があるものはわずか0.5%にすぎない、ということをまず知っておく必要があります。

子宮筋腫が引き起こす不快感や不妊症の可能性など、たとえ悪性でなくても、子宮筋腫は私たちが定期的な婦人科検診を忘れないようにすべき理由のひとつであることは間違いありません。

子宮筋腫は、平滑筋腫または繊維筋腫としても知られており、女性の腫瘍の中で最もよくあるタイプです。

今回は、子宮筋腫の症状とその原因、および体に及ぼしかねない影響を認識するために知っておきたい5つの事実をご紹介します。

この情報があなたの健康維持にお役に立つことを願っています。

続けてお読みください!

1. 子宮筋腫って何? その原因って?

健康的な生活を送り、性的健康に気を配り、定期的に婦人科検診も受けていても、子宮筋腫と診断されることが多くあります。

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これは一体どういうわけでしょう?

実は、何が子宮筋腫を引き起こすのか、正確な原因は現時点ではまだ解明されていません。

筋腫発生に関しては、遺伝的要因が関係しているのではと考えられていますが、どのように発生し成長するのか正確にはわかっていないのが現状です。

日本産科婦人科学会は「子宮筋腫は珍しくない腫瘍です。小さなものも含めると、30歳以上の女性の20-30%にみられます。がん(悪性の腫瘍)ではありませんが、貧血や痛みなど様々な症状の原因となります。」と説明しています。

子宮にはいくつかの層があります。そのひとつは子宮筋層です。

  • エストロゲンやプロゲステロンのような女性ホルモンが、子宮筋層にごく小さなしこりの発生をうながし、それがやがて筋腫に変化していく可能性があります。
  • これらの子宮筋腫は、子宮の表面にできる漿膜下筋腫と子宮壁の内部にできる壁内筋腫とに分類できます。または、子宮の内側にできる粘膜下筋腫の可能性もあります。

漿膜下筋腫は、ほとんど症状がありません。でも、壁内筋腫と粘膜下筋腫は子宮内膜に影響し、出血・痛みのほか、もっともひどいケースでは不妊を引き起こす可能性があります。

子宮への血行が阻害されると子宮筋腫を引き起こし、ひどい痛みや流産の原因となることもあります。

2. 子宮筋腫のリスクが高い人って?

医師たちによると、子宮筋腫は一般的に35歳〜55歳のあいだに現れ、45~55歳の女性に最もよく見られると言います。

  • このタイプの良性腫瘍は、妊娠可能期間にもっともよく現れます。
  • 母親が子宮筋腫を経験している人は、自分も発症する可能性が高くなります。
  • 太り過ぎで、出産経験がない人は、子宮筋腫になるリスクが高くなります。

3. 子宮筋腫の症状って?

覚えておく必要があるのは、子宮筋腫のある女性の30%近くは症状がないということ。

子宮筋腫があるかないかを正確に知るためには、定期的に婦人科検診を受ける以外に方法はありません。

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子宮筋腫がある大部分の女性が一般的に体験する、もっとも顕著な症状を見てみましょう:

  • 生理中に出血がひどい  
  • 生理以外の不正出血がある  
  • 生理期間がずっと長くなる 
  • 鉄欠乏性貧血を経験する  
  • むくみがあり、疲れを感じる  
  • 体重が増える  
  • 性交時に痛みがある  
  • 排尿の回数が増える 

ご存知ですか?:子宮筋腫の警告サイン7つ

4. 子宮筋腫の治療法って?

子宮筋腫と診断された時にまず頭に浮かぶことは、手術が必要かどうかということ。

外科手術はすべての子宮筋腫に必要なものではありません。以下の説明をご覧ください:

  • 小さな子宮筋腫は、薬物療法と定期検診で治療することが可能です。
  • 筋腫が非常に大きい場合、あるいは小さくても薬の効き目が現れない場合は、手術で取り除くしか方法はありません。

筋腫核出術(筋腫だけ摘出して子宮はそのままに残す方法)か、子宮摘出術(子宮の一部あるいは全部を摘出する方法)のどちらかを受けることになるでしょう。

しかし、専門家の多くは、ウリプリスタル酢酸塩を用いた薬物療法を行うよう勧めています。

これはプロゲステロンを調節する役割があり、子宮筋腫のサイズをかなり小さくすることが可能です。

5. 子宮筋腫と不妊の関係って?

子宮筋腫の診断を受けた際に女性が一般的に抱くもうひとつの疑問は、妊娠が可能であるかということです。

もちろん患者さんの年齢にもよるでしょう。

でも、子宮筋腫は妊娠可能な年齢層の女性によく見られる良性腫瘍ですから、多くの人に共通する怖れであることはまちがいありません。

専門家は以下のことを提案しています:

  • 腫瘍が大きい場合は、不妊や妊娠中のやっかいな問題を引き起こす可能性があります。
  • 子宮筋腫核出術―筋腫だけを取り除き子宮はそのままにしておく手術―を受ける場合は、術後も妊娠することが可能です。
  • 子宮筋腫は流産を引き起こす可能性があります。ですから、計画妊娠を実践し、妊娠が可能であるか、子宮筋腫などのリスクがないかなどについて、婦人科の医師に相談することをお勧めします。
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子宮筋腫が4センチよりも大きい場合は、妊娠中にすでに深刻な不都合を引き起こしていることでしょう。

早産・骨盤の痛みのほか、胎盤早期剥離さえ経験する可能性があります。

ですから、日頃から健康に気を配り、定期検診を欠かさないようにすることが大切です。

何かおかしいと感じたら、すぐかかりつけの医師に相談するようにしましょう!

引用サイト:日本産科婦人科学会


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。