恋愛がうまくいかない原因

私たちは、真実の愛とは映画で見たようなものであるべきだと思いがちですが、愛がいつも完璧であるとは限りません。
恋愛がうまくいかない原因
Raquel Aldana

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Raquel Aldana.

最後の更新: 04 1月, 2023

恋愛がうまくいかないことには、お互いが必要としていることのすれ違い、相手に認められたいという気持ち、心の傷、優しさや思いやりの不足、精神的に依存することなど、数え切れないほどの理由があります。

遠い昔から、かなわぬ恋についてのたくさんの物語が書かれ、人々の胸を打ってきました。数々の素晴らしい文学・芸術作品が、このテーマを元に生み出されました。

ロミオとジュリエット、若きウェルテルの悩み…結ばれないことが運命づけられた恋人たちの愛を描いた、私たちの誰もが知っている物語です。

かなわぬ恋を描いた文学や芸術が支持されるのは、私たちが、作品に自分自身の経験を重ね合わせるからです。

一方で、おとぎ話やディズニーアニメ、メロドラマが、たくさんの紆余曲折を経たあとで必ずハッピーエンドを迎えることは、私たちに、愛とは力強いものであり、全てが最後には良い結果になると信じさせてくれます。

こちらもお読みください:別れた恋人とヨリを戻した方が良い4つのパターン

恋愛のイラスト

しかし現実には、全ての恋が叶うわけではありませんし、全ての恋が努力するに値するわけでもありません。叶うことなく通り過ぎていくこともありますし、愛という美しい感情に対し、必ずしも公平でないこともあります。そのため、実現が難しいものは、時には手放した方が良い場合もあります

なぜ手に入らない相手を愛するのか

かなわぬ恋に延々と苦しむことは、心が疲弊しますし、苛立ちます。しかし、心が十分に成熟していない場合、傷つくだけだとわかっていても、こういった恋愛を自ら選択してしまうことがあります。

心の奥では痛みを感じていながら、自分は正しい道を選んでいるのだと思い込んでしまったり、衝動を抑えられなかったり、破滅的な恋愛を選んだりしてしまうことには、以下のようないくつかの理由があります。

1. 不安

ただ誰かと一緒に過ごし、安心したいという気持ちだけで、可能性がありそうな相手なら誰でも親しくなろうとする人たちがいます。このようにして始まった関係には不安がつきもので、相手にそばにいてもらうことでしか、気持ちを落ち着かせることはできません。

相手が自分と一緒に過ごしていないときは、どんどん不安が大きくなり、常に愛情を求めて苦しむことになります。精神科医のシンディ・ハザンとフィリップ・R・シェイヴァーも、これは非常に不健康な関係であると述べています。

2. 「困難なときも愛する」

私たちは、良いときも悪いときも愛するべきだと教えられます。しかし、本当に全てを受け入れなければいけないのでしょうか?私たちは、自分を傷つけるものを無理に受け入れる必要はなく、何かを強いられるのでもなく、自分自身で決断しなければいけません

3. 親切心

少々信じがたいことかもしれませんが、時に、誰かが自分を少し気にかけてくれたという理由だけで、その相手に夢中になってしまう人もいます。誰かに受け入れられたいという欲求がそうさせるのです。

4. 欲しているようで欲していない

奇妙なことではありますが、親密になることを恐れるがゆえに、かなわぬ恋を選ぶ人たちもいます。このタイプの人たちは、架空の現実の中で生き、理想的な恋愛を夢見る傾向があります。

精神科医のリンダ・ハッチは、「彼らは、相手が決して自分を拒絶したり、見捨てたりしない関係を求めている。現実に誰かと親密な関係になるのを避けることで、安心を感じる。他人と距離が近くなることを、危険なこととしてとらえている」と述べています。

5. 高嶺の花

これは片思いのプラトニックな恋によくある形です。ヘクター・G・バーンズは述べています、「非常にシンプルな論理です。それは、限られた資源の価値は上がり、豊富な資源の価値は下がるということ」

同じ商品でも、手に入りにくい場合は贅沢品となるように、自分のものにならない相手ほど価値が高いように感じてしまいます。しかし、自分に振り向いてくれない相手が、誠実に愛してくれるパートナーよりも、本当に自分にとって価値があるのでしょうか?

6. 称賛

恋愛においては、お互いが相手を称賛するものですが、時に、その感情が一方通行である場合―どちらか一方が、相手の良い点を認めるのではなく、欲望のためだけに関係を維持している場合があります。そういった関係は、やがて終わりを迎えることでしょう

蝶々

それは本当に愛なのか?

ここまで見てきたように、かなわぬ恋にはさまざまな理由があり、それぞれのケースが、異なった背景を持っています。しかし一つ明らかなことは、どのケースも、健康的な恋愛関係ではないということです

愛とは本来、幸福と、未来への可能性を意味するものです。しかし、感情の高ぶりと、何か生きるためのよりどころがほしいという思いだけで、相手との関係に縛られるような場合もあります

幸せな恋愛のために

まずはじめに、たとえ相手に魅力を感じているとしても、その相手と一緒に、健康的、建設的で満足のいくような関係を築けるとは限らないということを知っておいてください。

また、恋愛の最初の段階で相手を理想化するのは、ごく自然なことですが、それを続けているとやがて疲弊することになります。完璧に理想的な相手はいないと理解することが大事です。パートナーが自分の理想に当てはまるかどうかということではなく、その人自身としっかり向き合うようにしましょう。

このことは、ロマンティックな恋愛や、恋愛についての理想をあきらめるという意味ではありません。夢や理想を持つのは良いことです。ただ、時には、変えられないこと、受け入れなければいけないこともあるということを心に留めておきましょう。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Bauman, Z. (2012). Amor líquido: acerca de la fragilidad de los vínculos humanos. Fondo de Cultura Económica.
  • Branden, N. (2000). Psicologia del Amor Romantico. Paidós.
  • Hazan, C., & Shaver, P. (1987). Romantic love conceptualised as an attachment process. Journal of Personality and Social Psychology, 52, 511-524. https://psycnet.apa.org/record/1987-21950-001
  • Sanpedro, P. (2005). El mito del amor y sus consecuencias en los vínculos de pareja. Disenso45, 5-20.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。