見逃さないで!ホルモンバランスの乱れを知るサイン10選
ホルモンには、成長機能、代謝機能、そして性的機能などといった、人体の様々な機能を正常に保つ働きがあり、日常生活や人生の様々な節目を経験する私たちの心身の変化をコントロールします。このため、 ホルモンバランス の乱れは、健康に悪影響を及ぼし、病気を発症する原因になるのです。
残念なことに、ホルモンバランスの乱れによって起こる様々な症状をただの体調不良だと勘違いして、治療を行わない人が多くいます。
本記事では、絶対に見逃せないホルモンバランスの乱れの10の兆候をご紹介します。これからはホルモンバランスの乱れの兆候を知ることで健康維持を心がけましょう。
1.体重増加
健康上の特別な問題がないのに、継続的に体重が増えるのは脂肪や糖分の多い食品を食べているからだけではありません。
徳島大学教授の島袋氏などによる研究でも、「ストレスホルモン」と呼ばれるコルチゾール値が上昇することで脂質代謝が異常をきたし、脂肪が蓄積されやすくなると報告されています。
健康的な食事を心がけているのに体重が減らない、または体重が増えてしまう人はホルモンバランスの乱れを疑ってください。
2.不眠症
ホルモンバランスの乱れが原因で、私たちの健康や生活習慣に悪影響を及ぼす睡眠障害が起こることがあります。
不眠症の症状が現れたら、なんとかして体内のメラトニンやセロトニンを増加させる必要があります。また、不眠症改善のためにはヨガやトリプトファンを豊富に含む食品を摂取がおすすめです。
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3.慢性的なストレス
気分の浮き沈み、とりわけストレスによって副腎機能が低下し、プロゲステロン値やその他の大切なホルモン値の低下が起こります。「たかがストレス」と侮らず、それがホルモンバランスの乱れになる、もしくはすでになってしまっているかもしれないと気をつけておきましょう。
ちなみに慢性ストレスや気分の浮き沈みを解消するためには、トリプトファンが豊富に含まれた食品の摂取や、様々なリラックス方法が効果を発揮します。
4.過剰な発汗
更年期に突入した女性は、エストロゲンの生産能力が低下するため、更年期の様々な症状や寝汗を経験します。ただ、これはホルモンバランスの乱れや栄養不足により、若い女性にも更年期の症状が現れる可能性もあるのです。
フィトエストロゲンやイソフラボンを豊富に含む食品を摂取することで、これらの不快な症状を緩和・解消できると言われています。
5.性欲の低下
性欲をコントロールする男性ホルモンであるアンドロゲンは、男性だけでなく女性の体にもあるホルモンです。
このホルモンが低下すると、性欲の喪失や女性器の乾燥などを引き起こします。
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6.疲労
睡眠不足や栄養不足による疲労感は一般的な症状です。
しかし特別な理由もなく継続的に疲労を感じるときは、日経Goodayが指摘するように副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)に陥っている可能性があります。コルチゾール値が上昇し、エネルギーを向上させるホルモンの分泌が低下している可能性が高く、注意が必要です。
7.抑制できない食欲
体が必要以上に甘い物を欲しがったり、食欲が異常に増加するのはホルモンバランスの乱れのわかりやすいサインです。これらの抑制できない食欲は、甲状腺の病気や、代謝機能を正常に保つホルモン分泌機能に問題が起きているサインである可能性が高いです。
乳製品や砂糖の摂取や、甲状腺の問題の原因となる成分を含む食品の摂取を減らして、食欲を抑制しましょう。
8.鬱病
鬱病の症状の原因の1つは、不意のホルモンの乱れや変化と言われています。単に鬱病だと言い切ってしまう前に、その症状を丁寧に診断する必要があるでしょう。
もし鬱病の疑いがある場合、まずはホルモンの分泌を促進する栄養素の摂取を増やし、気分の改善を目指しましょう。
9.消化器官の疾患
消化管の機能に関わる3つのホルモンはガストリン、セクレチン、そしてコレシストキニンです。これらの消化管ホルモンは、消化機能を効率よく機能させ、消化器の炎症を管理し、栄養素の正しい消化吸収を助けてくれます。
これらの働きからもわかるように、ホルモンバランスの乱れが、腹痛や消化管の炎症などの消化不全や消化器系疾患を引き起こします。
10.抜け毛
抜け毛の原因には、まだまだわからないことがたくさんありますが、一説ではテストステロンのヒドロテストステロンへの変換や、ジヒドロテストステロン値と甲状腺ホルモン値の変化が原因ではないかとささやかれています。
抜け毛対策や治療法を試しても全く効果が現れない場合は、上記のホルモンの分泌について医師の診断や検査を受けましょう。
今回は、見逃してはいけない体内の不調を示す重要な兆候をご紹介しました。私たちは、これらの症状に慣れてしまうことも多いですが、症状を悪化させないためにも医師の診断や検査を受けることが大切です。
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