声がかすれたり、出なくなったりするのはなぜ?
しょっちゅう声が出なくなるけれど、その理由がわからなくて悩んではいませんか? ご心配なく。そんな悩みを抱えているのはあなただけではありません。
この問題を起しやすい人たちもいますが、必ずしも身体が弱いせいばかりではないのです。
理由が何であれ、声を失うと仕事上での責務を果せなくなったり、個人的な人間関係に支障をきたしたりなど、困った事態に陥ってしまいます。
ですから、この現象が起こる理由と治療に役立つ方法を知ることが大切です。
今回は、この問題についてお話します。
声が出なくなる外的要因とは?
職業
職業の中には、いつも声を使わなければならないものがあります。
その中で、声に関する問題を起しやすいものを挙げると……:
- 教師
- 通訳・ガイド
- イベントプランナー
- 歌手
- 電話交換手
- ウエイター
- その他たくさん!
もしあなたの職業がこの中にあれば、日頃からのどを守る自然療法を利用することをおすすめします。
また、もっと無理なく発声するためのテクニックを教えてくれる言語聴覚士に相談するのもいいかもしれません。
ご存知でしたか?:
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周囲の騒音
都会では、家の外に一歩足を踏み出した瞬間から車や電車・踏切などの騒音にさらされています。
カフェやレストランに入っても同じようなことが起こります。音楽が大きすぎて、声を張り上げないと会話ができないケースさえ珍しくありません。
このため声帯を酷使してしまい、ただ友達と会話しただけなのに、のどが痛みだすという事態になるときがあります。これは声の問題を引き起こす、よくある原因の 1つです。
環境の問題
残念なことですが、街中で私たちが吸っている空気の質は日に日に悪くなっています。
もっとも顕著な例は大都会で、大気汚染に対抗するため、マスクをして舗道を歩いている人たちの姿があちこちに見られます。
さらに、 ビルや乗り物内の空調も声が出なくなる原因となりかねません。 気道を守っている粘膜を乾燥させてしまうからです。
こちらもご参考に:
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声が出なくなる健康上の理由とは?
以上の外的要因に加え、声がひんぱんに出なくなるのは健康上の理由による場合もあります。その中で主なものをご紹介しましょう。
喫煙
喫煙が肺におよぼす影響については広く知られています。また、喫煙は声帯(喉頭)ガンも引き起こしかねないということをご存知ですか?
単なる余病といった程度の問題ではありません。
ただ、このタイプのガンはそれほど侵襲性が強くありませんから、早期に発見すれば通常は治癒できます。
失声症または発声困難が、このタイプのガンを発見し治療するきっかけとなるかもしれません。
同じ問題が繰り返されるようなら、医師の診察を受けるようおすすめします。
結節やポリープ
この2つは異なるものですが、どちらも声帯にできる塊です。
この現象は、長い間足に合わない靴をはいていることでできるタコに似ています。
同じように悪い習慣を長い間続けたり、仕事上話しすぎたりすると、声帯を傷めてしまいます。
ポリープや結節はその1例なのです。
治療法として、結節の場合はしばらく声を休めたり正しい発声法を身につけることで自然に消えることもあります。消えない場合は、外科手術を行います。
ポリープの場合は、直接外科手術によって切除するのがふつうです。
急性喉頭炎
これはそれほど深刻な問題ではありません。喉頭が炎症を起こすためで、自然に治ることもあれば、薬で治療することもあります。
喉頭炎で声が出なくなってもあまり心配する必要はありません。のどの痛みを和らげる自然療法を実行してみましょう。
しかし、ひんぱんにこの病気にかかる人がいます。
そのような人は、喉頭に無理をかけることなく機能を向上させるにはどうしたらいいかを教えてくれる代替療法を受けることをおすすめします。
胃食道逆流
典型的な胸焼けに加え、口の中にいやな味を感じることがあれば、胃酸が逆流しているせいかもしれません。これは健康のために無視できない症状です。
逆流してきた胃酸が、接触する器官を少しずつ蝕んでいくためです。
この問題を解消するためにまず大切なことは、脂肪分が多いものや刺激物は避け、消化によいものを食べることです。胃酸の逆流を抑え、のどの健康を守るには、食生活の改善が欠かせません。
こうしたことすべてを考えに入れ、何はともあれ医師の診察を受けることをおすすめします。問題がどこにあるかを指摘されたら、その指示に従いましょう。
また、長期的に役立つ代替療法を探すことも大切です。試しに言語聴覚士による指導を数回受けてみましょう。あなたの声を取り戻し、同じ問題が再発するのを防ぐ手助けとなることでしょう。
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