傷ついた心:心理的虐待を受けた人々の真実
小さい頃に心に傷を負うと、心が傷ついたまま成長します。心理的虐待とは、両親による虐待、愛情不足、放棄により受けた傷です。
心理的虐待を受けた子どもがそのまま成長して、大人の人間関係を持つようになります。でも心が傷ついたまま大人になった人の恋愛や人間関係は、小説や映画のようにロマンチックには進まないものです。
そのすべての原因は、心理的虐待を受けた幼少期に始まり、大人になってもそのトラウマが続いているためだといわれています。傷ついた心の修復は可能なのでしょうか?
心理的虐待を受けた人生とは?
虐待が起こるときに、そこに「加害者」と「被害者」が生まれます。虐待を受けている被害者の周囲にいる人々は、何とか真実を見てもらうように努力します。しかし被害者は真実に目を向けようとはしません。
幼少期の心理的虐待や親の育児放棄によって心が傷ついてしまった人は、大人になって攻撃的な態度を向けられても、それを受け入れてしまうのです。攻撃的な行為とは、屈辱的な言葉、暴力的な行動、汚い言葉、また相手を傷つける態度や行動があります。
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子供の頃に同様の虐待を受けてきた人は、傷つくことに慣れてしまっています。自分の状況を辛く屈辱的だと感じないことが多く、その状況に応じた解決方法があっても何とかしたいという気持ちが起こりません。
この現状は何かおかしいと自分で気づいて、初めて「怖い」と感じるのです。
虐待に対して少し反抗してみても、加害者はもっと暴力に走ります。虐待によって怪我をしても、化粧で怪我を隠したり、「転んだ」時の怪我だと嘘をついて、結局周りにその状況を隠そうとするのです。
自分が「普通」だと思っていることが実は正常ではないと気づき、その状況から抜け出そうとしても、そこから抜けだす方法がわからず、混乱し、恐怖を感じ、そして誰の助けも得られないような絶望的な気持ちになります。
実は、気づかないうちに「加害者」という怪獣に捕まり、その怪獣に餌を与え続けた結果、そこから逃げる方法がわからないのです。
心理的虐待は一枚のコインの表と裏
信じがたいことに、加害者と被害者はどちらも同じコインの表と裏です。どちらも幼児期に虐待などに苦しんだ経験の持ち主であることがほとんどですが、大人になった時、その経験の現れ方が異なるため、同じコインの表と裏といえます。
- 他者を力づくでコントロールする:加害者は幼児期に自分が奪われた力を、今度は誰かを虐待することで取り戻そうとします。傷つけられたくない、自分が弱いと思われたくないので、身近にいる無力な存在である、自分が一番愛している大切な人を傷つけてしまうのです。
- 相手に媚び、ご機嫌をうかがう:被害者は自分を受け入れてもらい、相手から愛の言葉をもらうために、媚びてご機嫌をうかがいます。絶対に失敗せず、すべてを完璧に行うべきだという強迫観念に押しつぶされます。相手を満足させないと叱られると恐怖を感じているのです。
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ここでの大きな問題は、すべての被害者の心が傷ついてしまうということです。被害者だった子どもが成長して加害者となって、傷つける相手を見つけたら、相手を脅迫するような方法で怪我をさせ、ひどいときには命を奪ってしまうこともあるのです。
被害者は子供の頃、自分を守る方法を誰からも教わらなかったため、大人になってからも自分を守る方法を知りません。一つだけ被害者がわかっているのは、辛い状況では自分の感情を押し殺し、苦しみを自分の内側に閉じ込めることだけなのです。
ただし強い心と忍耐力があればこの悪循環から抜け出すことは可能です。
傷ついた心を修復する
「傷ついた心を修復することはできない」という意見は否定できません。幼児期の経験やすべての出来事は、私たちの人生に大きな影響を及ぼします。
しかし人生の中で適切な人々と出会う機会があれば、自分がこれまでに気づかなかった内面の強さを引き出して、恐怖心などの先入観をコントロールする方法を身につければ、心の修復は可能です。
まずあなたの心と魂に大きな穴をあけるような、破壊的で痛くて辛い虐待関係から抜け出しましょう。
抜け出した後は、あなたの目の前に新しい道が広がります。あなたのことを愛してくれる人々と一緒に過ごす時間は非常に大切であり、あなたが変わるきっかけとなります。さらに、専門家のカウンセリングや指導を受け、正しい方法で心を修復していくことも重要です。
一歩ずつ、落ち着いてゆっくりと心の傷を取り除き、壊れてしまった心のかけらを拾い集めて修復していきます。
虐待を受けた人の心には大きな傷跡や欠けた部分があります。虐待を受けたという事実を忘れようとするのは難しいでしょう。過去のすべての出来事や経験が、現在の自分を作り出しているのです。
ただし、傷ついた心を癒すためには、これらの辛い経験から学んで、傷跡が残っていても前に進みましょう 。傷跡は私たちの傷が癒された印です。
傷ついた心を持った人でも前に進むことができます。ただし絶対に後戻りしてはいけません。同じ間違いを二度と繰り返さないように、それまで正しいと信じていたことや間違っていると思ってきたことの方向性を変えてみるのです。
虐待に関わる人間関係には「過去」と「現在」がありますが、「未来」はありません。すべてを変えるこのチャンスを逃さず、勇気を出して新しい道を進んでいきましょう。
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