体に良い食品 悪い食品
普段から野菜や果物、そして全粒穀物や脂身のない肉を食べるという人は、非常にバランスのとれた健康的な食生活を送っています。
その一方で自分では気がつかないうちに体に悪い食品を選んでしまっている人もいます。
すべての食べ物が同じように生産・消費されるわけではありません。
そのため、たとえ体に良い食品であっても、その摂取方法によりビタミンをはじめとする栄養を思うほど摂取できていないことがあります。
体に良い食品を選ばなかったり、食べ物に注意を払わないと、体内に過剰な砂糖や塩分が蓄積されて健康に悪影響を及ぼす可能性が高まります。
本記事では、体に良い食品と悪い食品について栄養学的な面からも詳しくご紹介します。
体に悪い食品
缶入りの食品
缶詰の野菜は、加工の過程で食物繊維ををはじめとする多くの栄養素が失われることが多いだけでなく、塩分が添加されているため、新鮮な野菜ではなく缶詰の野菜ばかり食べていると、十分な栄養素が摂取できません。
ベイクドビーンズの缶詰
缶詰の豆やベイクドビーンズは、普通の豆と比べると塩分や砂糖の含有量が多いため、食べるときには注意が必要です。
加工されたフルーツジュース
「天然果汁」と謳われていることが多いジュースですが、市販されているジュースの多くは、砂糖や人工甘味料などが大量に添加されています。
製品ごとにカロリーや栄養価が異なるため、栄養表示を確認してください。
また清涼飲料と呼ばれる飲み物は、「砂糖不使用」と書いてあるものの、砂糖の代わりに人工甘味料を使用しているものが多くあります。
砂糖を体が求めているときに砂糖を摂取すると、味覚芽を刺激して後味を残さずに徐々に消えますが、人工的な化合物である人工甘味料が、味覚芽に影響を与えても、天然の糖とは異なるため、逆に甘いものや塩辛いものなどの不健康な食べ物に対する欲求が増加する傾向があります。
缶詰の果物と砂糖を添加したドライフルーツ
新鮮な果物は、そのままで十分甘いため、砂糖を添加する必要はありませんし、香料を加える必要もありません。しかし缶詰の果物には砂糖や香料が添加されていることがほとんどです。
また乾燥させることでさらに甘みが増すレーズンなどのドライフルーツですが、市販品の中には砂糖が添加されているものがあります。
缶詰の果物や市販のドライフルーツを食べるときは、必ず栄養表示を確認してください。
精製された小麦粉で作られたパンやパスタ
精製された穀物、つまり白いパンやパスタ、米、クラッカーなどは、重要な栄養素である胚芽やふすまが取り除かれています。
このタイプの穀類は、食後の血糖値の上昇を示す指標であるグリセミック指数(GI値)が高い傾向があります。
できる限り精製されていない穀類を食べるように心がけてください。
砂糖でコーティングされたシリアル
砂糖でコーティングされた甘いシリアル皿1杯は、チョコレートバー1本と同じくらいの砂糖を摂取することになります。
添加されている砂糖の量は、製品によって異なるため、必ず栄養表示を確認することが大切です。
砂糖が1人前12g以上含まれているシリアルは避けましょう。
赤身肉
- 赤身肉(牛肉、豚肉、羊肉を含む)には、中性脂肪やコレステロールを増やす飽和脂肪酸が含まれており、動脈硬化や心臓系の病気を引き起こすリスクがあります。
- 赤身肉に含まれるヘム鉄や飽和脂肪酸が、インスリン感受性やインスリンの分泌に悪影響をもたらすため、糖尿病のリスク上昇すると考えられています。
- 赤身肉や脂肪が多い肉は腸に刺激を与えるだけでなく、炎症性腸疾患である大腸憩室炎のリスクが上昇する危険が指摘されています。
加工肉
- ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉は塩分が高く、保存料や飽和脂肪酸が多く含まれています。健康に悪影響を及ぼすため、できる限り摂取を避けることが大切です。
風味のついたヨーグルト
風味がついたヨーグルトや砂糖が添加された甘いヨーグルトには多くの砂糖が添加されています。また、飲むタイプのヨーグルトは、さほど満腹感が得られないにもかかわらず、添加されている砂糖やカロリーは多い傾向があります。
砂糖が添加されたヨーグルトや飲むヨーグルトを朝食に食べると、摂取したカロリーほど満腹感は持続しません。
ヨーグルトを食べるときはナチュラルヨーグルトを選ぶようにしましょう。
トランス脂肪酸
厚生労働省のサイトによると、トランス脂肪酸は脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。
揚げ物、焼き菓子、加工された食品やお菓子などに含まれている脂肪酸で、善玉コレステロールの値(HDL)を下げ、悪玉コレステロールの値(LDL) を上昇させます。
これにより心臓の病気や心臓発作のリスクが上昇するリスクが高まる、私たちの健康には悪い食品です。
体に良い食品
野菜
ほうれん草、ケール、ロメインレタス、カブ、ブロッコリーなど、濃い色の野菜は、ビタミン、ミネラル、そして細胞を守り免疫系を強化する働きのあるフィトケミカルを豊富に含んでいます。
豆類
ひよこ豆、黒豆、うずら豆は、全粒穀物や野菜と組み合わせて食べる私たちの健康に良い効果をもたらします。
これらの豆類には食物繊維や植物性たんぱく質が豊富に含まれているだけけでなく、調理することで慢性病や肥満のリスクを下げるのに役立つと言われています。
一価脂肪酸
アボカドには一価脂肪酸と呼ばれる、私たちの心臓の健康維持に高い効果を発揮する、健康的な脂肪が含まれています。
また健康的な脂質に加えて、アボカドには、食物繊維、ビタミンB、E、カリウムなど、12以上の基礎栄養素が含まれています。
こちらの記事もご参考に:アボガドの効能を最大限に活用する7つの方法
果物
ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、イチゴなどのベリー類は、ビタミンCが豊富で低カロリーなだけではなく、フィトケミカルや抗酸化効果のあるアントシアニンを体内に供給するおすすめの果物です。
その中でも、クランベリーは特に抗酸化効果に優れ、心臓の病気や認知症のリスク低下に役立つと言われています。
こちらの記事もご参考に:クランベリージュースの効果
全粒穀物
全粒穀類には、食物繊維、植物性たんぱく質、ビタミン、ミネラル、フィトケミカルが豊富に含まれています。
セリアック病やグルテン不耐症を発症している場合を除き、全粒穀物は私たちの健康に良い、毎日の食生活に取り入れるべき食品です。
オーツ麦
オーツ麦は、オメガ3脂肪酸、葉酸、繊維、カリウムが豊富で、コレステロールを下げ、脂肪を燃焼する効果が期待できます。
砂糖や風味が添加された市販のオートミールを避け、自宅でオートミールを作り、甘みや風味が必要なときは、ハチミツや果物で甘さを調節してください。
魚介類
魚介類は最も健康に良いたんぱく源の一つです。
体の炎症を減らすオメガ3脂肪酸を豊富に含む魚は、血圧を正常に保ちながら、過敏性腸症候群などの病気のリスクを軽減する効果があると言われています。
また、国立がん研究センターなどのチームが英科学誌ネイチャーの電子版関連誌に発表した調査結果により、魚介類を1日に110グラムほど食べると、うつ病のリスクが低下することが明らかになっています。
豆腐
豆腐には1人前につき10gのたんぱく質が含まれています。豆腐は肉類を摂取しないベジタリアンの人にとって、素晴らしいたんぱく源です。
カルシウムが豊富な豆腐は、歯や骨の健康維持に高い効果を発揮します。
全国豆腐連合会のサイトによると、適量の豆腐には様々な効能があり、その中でも豆腐に含まれる女性ホルモンに似たイソフラボンが、骨粗鬆症、がん、動脈硬化に効果 を発揮すると言われています。
ギリシャヨーグルト
通常のヨーグルトの約2倍のたんぱく質を含むギリシアヨーグルトは、優れたカルシウム源であるだけでなく満腹感を持続させる働きがあります。
低脂肪のギリシャヨーグルトは、たんぱく質の量が多く、脂肪分が低いためおすすめです。
今回ご紹介した食品のリストを参考に、バランスのとれた健康的な食生活を心がけてください。
参考サイト:朝日新聞、全国豆腐連合会のサイト
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
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