ステビア /糖尿病患者のための甘味料

6月 1, 2016
生のままで食材としてはまだあまり馴染みのないステビア。スーパーなどでは、ステビアからとれた人工甘味料が購入可能。

ステビア(学名:Stevia Rebaudiana Bertoni)はパラグアイやブラジルが原産の多年草で、甘味料としてとても有効なのが特徴。原産地では、大昔から甘味料だけでなく薬としても使われてきたもの。

ヨーロッパ人がステビアのことを初めて耳にしたのは、スペインがラテンアメリカを植民地にしていった16世紀ごろ。ステビアに驚いた植民者たちがスペインに送った報告の中に、パラグアイの先住民たちがこの植物を甘味料として使っていることの記述が。

しかし、ヨーロッパで本格的にステビアに対する関心が高まったのは19世紀。これによって、ブラジルでの利用についても研究が開始。1899年には、植物学者モイセス・ベルトーニが初めてステビアを学術的に分析・報告。

その後、科学者オビディオ・レバウディによってステビアの成分が初めて科学的に解析されたのは1900年。これによって、ステビアが砂糖の300から400倍も強い甘味料として働くにもかかわらず、砂糖と違って体に悪い影響を与えない、ということが明らかに。

現代人の新しい希望の光

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ステビアの市場はまだまだ大きいと呼べるものではないのが実情。しかし、甘味が非常に強い甘味料であるだけでなく、ショ糖や、そのほかの人工甘味料の健康的な代用品として大きな可能性を秘めていることを考えると、あまりポピュラーでないのは不自然。

こういった利点に加えて、ステビアには薬用効果も山ほど。これは私たちに馴染み深い家庭療法にとって代わる、更には医薬品業界に大きなインパクトを与えてもおかしくないほど強力なもの。

しかし別の言い方をすれば、ステビアの市場をより大きくすることは、食品業界や医薬品業界を大きく揺るがすことに繋がるということ。つまりステビアの可能性を信じる人々に言わせれば、その効果を疑う人だけではなく、その効果を知っていながら、それを広めたくない人から妨害を受けているのが一番の懸念。

もう一つ気になるのは、欧州連合ではステビアがまだ法で規制されているということ。というのも、その薬用効果の成分の中に、降圧剤として作用する物質が含まれているからだとか。

更には、ステビアを継続的に摂ると不妊に繋がると疑う人も。これは原住民のグアラニー族がステビアを避妊薬として使っていたとされることが理由。

とはいえ、そう簡単に何でも黒か白かはっきりはできないもの。そのせいで、ステビアの商業権、商業化をめぐる論争は、それぞれの利害関係が強く絡んだものへと発展。

ただし、食用としての販売がされていないヨーロッパでも、観賞用としてはステビアを手に入れることが可能。

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健康の救世主?それとも危機?

パラグアイに住むグアラニー族の間では「kaa hee (甘い草という意味)」と呼ばれ、マテ茶の甘味付けに利用されるステビア。さらに薬用茶としても利用され、肥満、高血圧、腹痛、尿酸を下げる、さらには強心薬としても利用されている。

ステビアは、たんぱく質、食物繊維、鉄、リン、カルシウム、カリウム、亜鉛、ビタミンAとCの優れた供給源。しかも、カロリー、飽和脂肪酸、糖、コレステロール、炭水化物は一切なし。

甘党の人にはうれしい甘味料であるだけでなく、糖尿病にもとても有効。例えば、炭酸飲料のような食品でさえ、ステビアを使うことで糖尿病や肥満に悩む人でも飲めるものを作ることが可能に。

さらに、インスリンの値を自然に調節する機能があると主張する意見もあり。これが確かなものでその技術の開発が進めば、インスリン注射やその他の治療薬が必要でなくなる日も来るかも?

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しかし、その薬用効果と降圧剤としての働きが原因で、中にはステビアを摂らない方が良い患者も(ただし、高血圧の人にはお勧め)。

だからこそ、例えばヨーロッパの規制下では、商品化するには処方薬として扱われる必要が。

”この点から考えると、ステビアの利用を規制する必要があるのもある程度は納得。しかしよく考えてみれば、私たちが普段食べるものの中には、低血圧の人は食べない方が良いものが山ほどあっても、それを禁止にはしないはず。”

しかしこれは、ステビアがヨーロッパ原産ではないがために、様々な厳しい規制をクリアしなければならない、という事実も背景にあり。そのため、ステビアの未来とその効果がどう利用されていくかは、違った方向から今の事情にタックルできる人や、新しいアイディアを持った人の手に託されていると言えるかもしれない。

こうしてみると、この植物の持つ可能性を無視しているようにも見える。特に、上に挙げた注意点は適切な規制さえあれば解決できることを考えるとなおさら。

それでもやはり、一般消費を目的とした商品化は、残念ながら見通しは不明。

こういった医薬品として、また一般消費者向けとしての利用の規制、禁止、許可を巡った様々な問題を見ていくと、業界で実際いったい何が起きているのか、どんな利害関係があるのか、なぜ、どのように…といった疑問を抱かずにはいられない。

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議論の残る食用としてのステビアの普及

色々な国の政府がステビアの食用一般化に反対している一方で、世界保健機関(WHO)と国際連合食糧農業機関(FAO)は、両機関の専門家が作る合同食品添加物専門家会議(JECFA)において、ステビアから作られる甘味料を非遺伝毒性の食品添加物として分類

またこれらの機関は、ステビアの一日摂取許容量を体重1㎏にたいして4㎎と設定(これはステビオールに換算した量)。この値は許容範囲内でかなり高く設定してあり、実際にこの摂取許容量を超えるほどステビアを取ることはあまりない。

”アメリカ大陸全土では、規制なしにあらゆる形でステビアを商品化できる国も。ここまで述べてきた事情を考えれば、これはヨーロッパにとってみればユートピアのようなもの。”

この摂取量設定に関係して、ステビアの可能性とそれが引き起こした一連の議論は、ある一定のグループや食品企業を説得するだけの力があったことも事実。これらの企業は、ステビオールからグルコシドと呼ばれる配糖体(Rebaudioside A とE-960と呼ばれるもの)を抽出。これらの化学物質は問題なく人の消費が認められている。

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しかし、このステビアの「抽出物」を疑う人は、化学的に抽出され合成されたものだけが消費を許可されているという事実の裏を読み取れると言う。それは、薬品業界がインスリンやその他の医薬品で利益を得続けることが出来るということ

この食品業界と医薬品業界の利害との一致には、疑問を抱かずにはいられないはず。しかし問題は、ステビアの利用に関する規制が、市場を失うことに対する企業の不安感の影響を受けているのかどうか、知ることが出来ないこと。これは消費者にとって疑いの種となって当然。

同様に、私たちが「ステビア」だと思って買っているのは実際はその抽出物であることも重要な事実。つまり、ステビアそのものではなく化学合成物であり、少量の人工添加物が混ざっていても「ステビア」の名で売られているということ。

少なくとも、E-960は添加物として研究が進み、厳しい審査を潜り抜けて一日摂取許容量が定められるに至っている商品の一つ。

これは商品表示が消費者をごまかすものであることも意味。「ステビア」の名を使って、ナチュラル商品市場に売り込むのがその戦略。そのパッケージを見てステビアを買っていると思っても、実際はステビアから取れる化合物を買っているのが事実。

”このように、「E-960」と呼ばず「ステビア」と表示して販売するのは、追及されるべき嘘・誇大広告である。”

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ステビアについてどう考えるべきか

ステビアは体に良い?それとも良くない?その答えはまだ未明、または少なくとも今は様々な意見が矛盾しあう状態。専門機関がステビアについてはっきりとした答えを出していない今は、どちらも意見も裏付けできないのが実情。

”しかし、ステビアをめぐる議論を批判的な目で見れば、その裏にある経済的、政治的利害とその影響を誰もが疑うはず。”

これを考えると、政府、大陸、世界規模で様々な専門機関が存在し、入手可能な商品が実際に規制や謳われている効果を満たすのか、逆に禁止されているものが実際に問題があるのか、消費者が知るのはとても困難。

この現状は私たちにとって信用しにくいもの。住んでいる国、または大陸によって、その効果の内容が変わってしまう商品もあり、馬鹿げているとしか言いようのない、消費者が疑ってしまうのも当然と言わざるを得ない状況。

”だからこそ、これらすべてを踏まえたうえで、自分の目で判断をするのが唯一の方法。特に食品表示はしっかりと見て。パッと見ただけの印象にごまかされないよう、賢く選んで。”

参考資料:Global Stevia Institute, bbc.com, jmmulet.naukas.com, Informe 2005 FAO y OMS sobre la Stevia, Informe 2010 FAO y OMS sobre la Stevia, elmundo.es, joseppamies.wordpress.com, dimetilsulfuro.com, lacomunidad.elpais.com, Revista chilena de nutrición, elespectador.com, Journal of Ethnopharmacology, Canadian Journal of Planet Science

 

 

 

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