慢性的な悲しみ:気分変調性障害

慢性的な悲しみ:気分変調性障害

最後の更新: 14 10月, 2018

慢性的な悲しみは、どうやって起こるのでしょうか

心の中の不快感や悲しみ、絶望感が解決されず、毎日憂鬱な気分が続くと、何が起こるのでしょうか?

本記事では、気分変調症または気分変調症障害 と呼ばれる心の問題についてお話しします。

気分変調性障害または慢性的悲しみとは何か?

 

utsu

気分変調症とはうつ病の一種 で、 米国精神医学会が発行する精神疾患の分類と診断 マニュアル( Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders / DSM-V)第5版には、 持続的なうつ病性障害(persistent depressive disorder) という別の名前で明確に書かれています。

主な特徴:

  • 慢性的な悲しみの状態は、良い時や悪い時といった波ははなく、ネガティブな感情や感覚が2年以上持続するケースもあります。
  • その原因は、ほとんど遺伝性であり、一般的に女性に影響を与えます。
  • 通常21歳くらいで発症します。
  • 食べたり服を着たりといった日常生活に助けを必要とする、気分変調症が非常に顕著である深刻なケースがあります。
  • 遺伝性であるにもかかわらず、ストレスがうつ状態を悪化させる傾向があり、深刻な状態に陥ることがあります 。
  • 慢性的な悲しみに、不機嫌、疲労感、不眠症、摂食障害、などの症状を併発することがあります。
  • 気分変調性障害は、早期治療が行われない場合、怒り、激怒、さらには自殺未遂を伴うより重篤な精神疾患につながることがあります。

こちらの記事もご覧ください:うつ病:/人にはわかってもらえない5つの側面

気分変調性障害はどのように治療するか?

 

utsu-nayameru-josei

気分変調性障害は、一生を通じてコントロールしなければならない病気であることを明確にしておく必要があります

次の指針に従うことが大切です:

  • 抗うつ薬
  • 行動療法やと認知療法、またはグループ療法を行う
  • 生涯を通じて定期的に医学的モニタリングを受ける
  • 社会的、個人的サポートの輪を持つ。

気分変調性障害は遺伝性 で、神経伝達物質であるセロトニンにわずかな変化が見られます。 これは薬による治療と心理療法が大きな効果を発揮することを示しています。

治療はほぼ一生続けなければなりませんが、治療を通じて症状をコントロールすることで、日常生活を楽しみ、仕事し、夢や目標を叶えることができます。

気分変調性障害と診断された人は、この問題と自分の精神状態を理解し、専門家のサポートのもとで症状をコントロール・治療することが大切です。

また、気分変調性障害の症状を悪化させる原因となる可能性の高いストレスや不安感はを軽減することが大切です。

 

utsu-kanashimi

家族の誰かがこの障害を持っている場合、あなたも発症する大きな可能性があることも忘れないでください。

現段階では発症していなくても、医師に相談することが大切です。

  • 気分変調性障害は通常、21歳ぐらいまでに発症し、気分の落ち込みに具体的な理由や原因がない持続的な悲しみが続きます。
  • 症状は1年半から2年ほど持続しますが、早期に治療しなければ、時には自殺未遂のような深刻なうつ病へと進行することがあります。

こちらの記事もご覧ください:自殺願望がある人を助けるために


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • American Psychiatric Association. (2013). Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM-5 (5th ed.). Washington, DC: American Psychiatric Association.
  • Carta, M. G., Paribello, P., Nardi, A. E., & Preti, A. (2019). Current pharmacotherapeutic approaches for dysthymic disorder and persistent depressive disorder. Expert Opinion on Pharmacotherapy, 20(14), 1743–1754. https://doi.org/10.1080/14656566.2019.1637419
  • Chen, K.H., Tam, C. W. C., & Chang, K. (2019). Early Maladaptive Schemas, Depression Severity, and Risk Factors for Persistent Depressive Disorder: a Cross-sectional Study. East Asian Archives of Psychiatry, 29(4), 112–117. https://doi.org/10.12809/eaap1821
  • Cuijpers, P., Sijbrandij, M., Koole, S. L., Andersson, G., Beekman, A. T., & Reynolds, C. F., III. (2013). The efficacy of psychotherapy and pharmacotherapy in treating depressive and anxiety disorders: a meta-analysis of direct comparisons. World Psychiatry, 12(2), 137–148. https://doi.org/10.1002/wps.20038
  • Furukawa, T. A., Efthimiou, O., Weitz, E. S., Cipriani, A., Keller, M. B., Kocsis, J. H. et al. (2018). Cognitive-Behavioral Analysis System of Psychotherapy, Drug, or Their Combination for Persistent Depressive Disorder: Personalizing the Treatment Choice Using Individual Participant Data Network Metaregression. Psychotherapy and Psychosomatics, 87(3), 140–153. https://doi.org/10.1159/000489227
  • Hoepner, C. T., & Zetin, M. (2014). Depression and Dysthymia. In Encyclopedia of the Neurological Sciences (pp. 974–977). https://doi.org/10.1016/b978-0-12-385157-4.01076-9
  • Ishizaki, J., & Mimura, M. (2011). Dysthymia and Apathy: Diagnosis and Treatment. Depression Research and Treatment, 2011, 1–7. https://doi.org/10.1155/2011/893905
  • Orvaschel, H. (2001). Dysthymia. In Handbook of Conceptualization and Treatment of Child Psychopathology (pp. 133–148). https://doi.org/10.1016/b978-008043362-2/50008-1

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。