マグネシウム欠乏症とは
血中にマグネシウムは1%しか含まれていないため、マグネシウムは血液検査で検出されにくいだけではなく、マグネシウムを検査項目に入れないことさえあるといいます。
そのため、マグネシウムが欠乏しているかどうかを知ることが難しくなっています。
先進国では、マグネシウムが不足している人が多いと言われていますが、これはあまり知られていない事実です。
大切なのは、マグネシウムの欠乏が多くの病気を引き起こす原因になり得るということを理解することです。
マグネシウム欠乏症:知っておくべきこと
マグネシウムは、水、酸素、その他基本的な栄養素に続いて、最も重要なミネラルの一種です。
発育に重要であり、カルシウムやナトリウム、カリウムよりも大切なものです。
マグネシウム不足による症状で最も一般的なものは、過度の喉の渇きであり、食べ物から必要な栄養を吸収できていないせいで、積極的に水を摂取しようとします。
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マグネシウムの欠乏は睡眠のサイクルを乱し、ストレスを増加させ、運動能力を下げます。
初期症状は非常に微妙であり、ほとんど感じ取れないものですが、徐々に虚弱になっていきます。
運動していないのに足のけいれんや痛み、筋肉に刺すような痛みが出るなどがその一例で、一度症状が悪化すると、しびれ、痙攣、ちくちくした痛みが頻繁におこるようになります。
さらに症状が深刻化すると、冠動脈攣縮(心臓の冠動脈が異常な収縮を起こし、心臓の筋肉が酸欠になること。狭心症の一種。)、人格変化、心拍異常などが生じます。
マグネシウムの欠乏は、体内のすべての組織、特に筋肉に影響を及ぼすため、痛みや緊張、こむら返り、痙攣、顎関節の障害や頭痛、胸部の圧迫感による呼吸困難も起こる可能性があります。
さらに、筋肉の収縮を引き起こし、便秘や月経痛、排尿時のけいれん、嚥下障害(ものを飲み込みにくくなること)、のどの瘤、羞明(強い光を受けた際に、不快感や目の痛みを生じること)、騒音に対して過敏になる、神経過敏、不眠、不安、パニック発作、多動、広場恐怖症、PMS(月経前症候群)、ヒリヒリ感、しびれ、心の不安定などにつながります。
心臓血管系に関していえば、マグネシウム不足は不整脈、動悸、胸痛(狭心症)、動脈のけいれん、高血圧、僧帽弁逸脱(心臓の左心房と左心室の間にある弁である僧帽弁が、心臓の収縮期に左心房側に落ち込んでしまうこと)を引き起こす可能性があります。
なぜマグネシウムが重要なのか?
私たちの体は、すべての機能においてマグネシウムを必要としています。
細胞は、マグネシウムのおかげで生きていくことができます。酵素が機能するために必要であり、その酵素がタンパク質、炭水化物、脂肪を合成しています。
また、エネルギー生産においてもマグネシウムは必要不可欠であり、マグネシウムの欠乏は、体内のすべてのシステムに影響を与えます。
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マグネシウム不足が糖尿病を引き起こす可能性があるというのも興味深いことです。
いくつかの研究によると、マグネシウム不足の患者はより血糖産生における障害を受けやすいといわれています。
普段の食事にマグネシウムを加えるには?
マグネシウムの1日当たりの推奨摂取量は、厚生労働省によると19~31歳の男性で400mg、女性で310mg、そして妊娠中の女性は350mgが必要です。
マグネシウムは主にナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、クルミ等)やマメ類(エンドウ豆等)に含まれます。
1日でマグネシウム豊富な食事をとるためには、次のようなメニューになります。
- 朝食: 低脂肪乳を使ったミルクティーと全粒小麦のトースト2枚。
- 午前半ば: ナッツとアーモンド10粒ずつ。
- 昼食: ほうれん草のサラダ1杯、ツナ120グラム、全粒米飯1カップ。デザートに、2つの刻みクルミを乗せたタルト。
- 軽食: 低脂肪乳を使ったシリアルとリンゴ。
- 午後半ば: 一握りのレーズンが入った米またはオートミールのクッキー2つ。
- 夕食: 甜菜のプディングと鶏むね肉、トマトときゅうりのサラダ。デザートとして、いちご半カップ。
日本で手に入りやすい食材としては、豆腐や納豆などの大豆製品、煮干しやあさりなどの魚介類、あおさやひじきなどの海藻類が挙げられます。
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