女性に多い!腎臓の感染症、腎盂腎炎の原因と症状
女性はその身体構造的な理由から腎臓の感染症、腎盂腎炎にかかりやすい傾向にあります。尿路感染症にかかった時に、細菌が腎臓にまで上行する恐れもあるのです。そうなると不快な症状を引き起こすことはご存じの方も多いのではないでしょうか。
1.腎臓の感染症、腎盂腎炎の原因
国立循環器研究センター・循環器情報サービスHPによると、腎盂腎炎とは、『膀胱炎などに感染後、その原因菌が腎盂などに炎症を起こして腎臓全体に広がった状態。背中の痛みや発熱、尿の白濁などの症状があります。抗生剤で治療』とあります。
腎盂腎炎の症状は前兆なく突然現れ、日ごとに悪化します。診断されると驚いてしまう方も多いでしょう。この疾患の原因は様々です。
- 最も多い原因は膀胱炎です。膀胱炎にかかっても適切な治療を受けずに、なかなか完治しないことがあります。自己流の治療で治そうとする女性も少なくありませんが、なかなか難しいものです。膀胱炎になってしまったら、診察を受け、細菌が腎臓まで上行しないうちに膀胱炎を完治させることが大切です。
- 上述しましたが、身体構造的な理由から、女性は腎盂腎炎にかかりやすい傾向にあります。そのため、細菌を寄せ付けないように清潔に保つことが重要です。ですが、だからといってデリケートゾーンを過度に洗浄すると、身体のバランスを維持している有益な細菌まで殺してしまう恐れがあるので注意が必要です。また、性行為の際にも感染しないように気をつけましょう。
- 多発性嚢胞腎(腎臓に嚢胞≪水が溜まった袋≫が無数にできて腎臓の働きが徐々に低下する疾患)は腎盂腎炎の原因の一つです。
- 糖尿病も腎盂腎炎の原因の一つと考えられます。
- 防御能が低下したり、免疫システムの弱まると、腎盂腎炎の危険因子になる場合があります。
こちらもお読みください『膀胱炎を予防する方法』
2.腎臓の感染症、腎盂腎炎の症状
1.説明し難い倦怠感
徐々に倦怠感を感じるようになります。もちろん生理の時や偏頭痛を患っているときも普段よりだるい日が続くことはあります。ですが、腎盂腎炎にかかった場合は、時間とともに身体の力が抜けてしまい、まるで道で倒れたまま救助を待っているような感覚すら覚えるでしょう。
- 倦怠感は徐々に悪化します。日に日に悪くなり、急に良くなることはありません。
- ストレスや身体活動量は、倦怠感とは関係ありません。
- 倦怠感に効く薬はなく、日常生活をこなすのが難しくなります。
2.様々な種類の痛み
腎盂腎炎にかかると、様々な不快な症状にみまわれます。これらの症状については知っておくべきです。
- 左右両方の脇腹痛
- 痛みは股間にまで広がることがあり、痛む部分を押すと一時的に痛みが和らぐ。
- 激しい腰背痛。痛むのは通常、右か左のどちらか。痛む部分に熱を持つ
- 断続的な激しい頭痛。
3.尿の変化
- 腎盂腎炎の症状でよくあるのは頻尿。排尿の度に残尿感がある。
- 尿がコカコーラのような色になる。これは尿に血液や膿が混じっている証拠。
- 排尿に強い痛みを伴う。
こちらもお読みください『頻尿の原因とは?自宅でできる頻尿の簡単な対処法』
4.発熱に注意
発熱は身体に何かが起こっているという警告です。特に感染症の場合は注意すべきです。上記のような症状がある上に発熱がある場合は、できるだけ早く病院に行き、診断を受けて下さい。腎盂腎炎かもしれません。
5.食欲減退
極度の疲労感にともなって食欲が減退します。凝った料理はもちろんのこと、簡単なサラダすら食べたくなくなるでしょう。また、喉の渇きもよくある症状の一つです。腎盂腎炎になると脱水症状を起こすため、水分が欲しくなります。
6.頻脈
発熱したり感染症にかかると頻脈になります。これは疾患と闘おうとして体が反応し、心拍数が上がるためです。これは疲労感の一因になります。
7.吐き気と嘔吐
吐き気や嘔吐の症状が出たら、腎盂腎炎が進行したことを示しています。消化不良を起こして特定の食物を受け付けなくなっているためです。そうなると、身体はさらに弱まり、震えや倦怠感などが増します。そんな状態になるまで放置してはいけません。発熱、倦怠感、腰背痛、血尿などの兆候に気付くことで、腎臓の感染症、腎盂腎炎を早期に発見できるのです。
大切なのは、医師の診察を受ければ適切な治療が受けられる、ということです。腎臓の感染症、腎盂腎炎の治療には抗菌薬が必要なのが通常ですが、ご自分のかかりつけ専門医の指示に従いましょう。また、正しい食生活をして十分な睡眠を取ることも回復を助けてくれるかもしれません。
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