イースト菌膣感染にニンニクは利用可能?
民間では、イースト菌膣感染の治療にニンニクが効果的だと信じられています。これは、ニンニクに抗菌成分があるためです。
しかし、実際にニンニクに効果があるのでしょうか?その効果を最大限利用できる具体的な方法があるのでしょうか?その答えをこれから見ていきましょう。
女性器の悩みに家庭療法、これって大丈夫?
女性器はとてもデリケートな部分で、様々なものに影響を受けます。例えば洗いすぎもその一つです。ですから、自分自身で状態を改善したい場合も注意が必要です。
この意味で、家庭療法に頼ることには高いリスクが伴います。荒れや不快感の原因になったり、元の症状が悪化する可能性があるからです。
ヨーグルトも、エッシェンシャルオイルやハーブもニンニクも、イースト菌膣感染症を治すことはできません。民間療法として効果が強く信じられている場合でも、これらの素材を使った家庭療法は安全とは言えず、状態を改善する代わりに、より悪化する可能性もあるのです。
イースト菌膣感染症を正しく治療するためには、医師に診てもらってその指示に従うのが一番です。それに加えて、デリケートゾーンの保湿などのお手入れの習慣を見直す必要があります。しかし、ニンニクなどの家庭療法に頼るべきではありません。
女性器にニンニクを塗るのは危険
ペースト、そのまま、もしくはほかの材料と組み合わせてあろうが関係ありません。ニンニクはイースト菌膣感染症の解決法にはならないのです。これらの家庭療法の効果を裏付ける科学的証拠はありません。むしろ、あるのはニンニクを使うことで症状が悪化したケースです。
アメリカの産婦人科医、ジェニファー・ガンター医師は、なぜニンニクを女性器に使うべきでないかを分かりやすく解説しています。
- 研究でアリシンという成分に抗菌作用がある可能性は指摘されているが、だからと言ってラットや女性器など動物にも効くとは限らない。
- ニンニクには土から入った有害なバクテリアが付着している可能性もあり、健康を害する可能性がある。そのためニンニクを女性器に使うと、イースト菌を除去する代わりに更なる感染を引き起こしかねない。
- 皮付き、丸ごと、つぶしたものなど、いずれの形であっても患部を刺激したり悪化させる可能性がある。
そのほかの国でも、イースト菌膣感染症(またはその他の病気全般)にニンニクを使わないよう様々な専門家が警告しています。その代わりに、医師の指示に従うよう説いています。
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イースト菌膣感染症の治療法
一般的に、イースト菌膣感染症の治療には抗菌薬の服用、または塗布が短期間(約7日間)行われます。個々のケースに応じて、錠剤、クリーム、軟膏、または座薬などが利用可能です。
これらの薬の中には処方箋が必要なものもあるため、医師の診察を受けることが大切です。
症状がひどい場合は、治療期間が長くなったり薬の量が多くなります。さらに、医師が服用役と外用薬両方を必要だと判断することもあります。
メイヨークリニックによると、場合によっては女性器に直接使用する薬ではなく、内服用抗菌薬の服用量を増やすように医師が判断することもあるそうです。
感染を予防するには
次に、デリケートゾーンを清潔に保ち、イースト菌膣感染症の予防に役立つ習慣をいくつかご紹介します。
- きつすぎる服は避ける(下着、タイツ、ジーンズ等)。
- 膣洗浄、家庭療法の薬浴、プールなどを避ける。
- 刺激の少ない(もしくはデリケートゾーン用の)石鹸を使う。
- 運動した後は必ずシャワーを浴びる。
- トイレの後に拭く場合は、バクテリアが膣に入ったり尿道炎になるのを防ぐため、必ず前から後ろに向かって拭くようにする。
- 通気性を良くすることで高温多湿を避けて菌の繁殖を防ぐため、毎日清潔な綿の下着を使い、合成繊維を避ける。
- タンポンやナプキンを使う場合、交換は頻繁に行い、デリケートゾーンを水で洗って感染症を防ぐようにする。
- 海やプールに泳ぎに行く場合、湿気が細菌の繁殖を促進するため、濡れたままの水着を長期間着たままにしない。
- pHのバランスを崩してしまうため、デリケートゾーンに香水、パウダー、制汗剤、スプレーなどを使わない。
- セックスの前後の清潔保持に注意する。
- 水分補給を欠かさず、バランスのとれた食事を心がけ、健康的な生活習慣を維持する。
ここまで読んでお分かりの通り、どれもシンプルなものばかりで、普段の生活に取り入れるのも難しくありません。自分の体のケアは、特別なことでなくても良いのです。
もしも疑問がある場合は、産婦人科医に相談するようにしましょう。医師はそれぞれの心配、必要性、健康状態に応じて、最適な治療法を指示してくれます。
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- Watson, C. J., Grando, D., Fairley, C. K., Chondros, P., Garland, S. M., Myers, S. P., & Pirotta, M. (2014). The effects of oral garlic on vaginal candida colony counts: A randomised placebo controlled double-blind trial. BJOG: An International Journal of Obstetrics and Gynaecology. https://doi.org/10.1111/1471-0528.12518