デリケートゾーンのかゆみ:4つの対処法
月経前の痛みから膣の病気まで、女性特有の不快感がたくさん存在します。デリケートゾーンのかゆみもその一つだと言えるでしょう。しかし、その原因や効果的な対処法をご存知でしょうか。
MSDマニュアルには、「性器のかゆみは、膣または外性器を含む性器周辺(外陰部)に及ぶことがあります。かゆみとは、掻かないと治まらないように感じられる不快な感覚です。」と説明されています。
次に、この症状の詳しい説明と、4つの対処法をご紹介します。ただし、ここで紹介する家庭療法は医師の治療の代わりになるものではなく、健康的な生活を維持しつつ、産婦人科を受診してその指示に従う必要があることを覚えておきましょう。
陰部のかゆみの原因は何?
第一に、かゆみの一般的な原因が何かについてはっきりさせなければなりません。そうすれば、症状を認識する手助けになります。
陰部のかゆみは、女性が頻繁に経験する不快な症状の一つです。膣の周りのかゆみや荒れの原因には、細菌感染、真菌感染、更年期障害、性感染症、化学物質によるアレルギーなどがあります。
かゆみ以外にも、赤み、腫れ、悪臭のするおりものなどの症状がある場合もあります。これらの症状に対処するには、適切な衛生習慣と健康的な食生活を維持することが必要です。
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デリケートゾーンのかゆみを抑える方法
その不快感から、家庭療法で何とかしたいと考える女性もいます。ただし、ここで紹介する情報はあくまで民間対処療法であり、問題を元から解決するには、専門家に診てもらうことが必要不可欠であることを頭に置きましょう。
それでも、一般の人々の間では、次に紹介する材料の有効成分を利用した方法が使われてきました。ただし、女性器は体の中でも特にデリケートな部分です。そのため、安全性の問題から、その利用に対する意見には食い違いがあります。
次に実際の療法、なぜ効くと考えられてきたのか、そして現在の科学的な裏付けについて紹介していきます。
1. ハチミツ
ハチミツには、かゆみや荒れがある場合、症状を鎮めたり感染を抑える働きがあると言われています。 これについての研究が、「Journal de Mycologie Médicale」という学術雑誌に2017年に掲載されました。ハチミツでできた塗り薬を80人の女性に試してもらうという実験です。その結果は好ましいもので、膣カンジダの症状に対する自然療法として効果が期待できると結論付けられています。
ただし、市販のハチミツを使った製品を利用する前に、必ず産婦人科に相談してください。そうすれば、副作用や症状の悪化を防げます。
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2.カモミール
カモミールには抗炎症作用と鎮静作用があり、代替医療の世界では陰部のかゆみを鎮めるのにカモミールを使った坐浴が勧められます。ただし、必ず医師に相談してから行ってください。
3.冷やす
MSDマニュアル(英語版)には、氷袋を患部に当てるとかゆみが和らぐことがあるとされています。肌にダメージを与えないよう、消毒されたガーゼで包みましょう。長期間当て続けるのも良くありません。
また、かゆみが治まらない場合は、コルチコステロイドを含むクリームなどの塗り薬が医師から処方されることもある、と記されています。
4. フレッシュローズマリー
一般の人々の間では、ローズマリーの葉が皮膚への細菌感染を防ぐことが知られています。そのため、デリケートゾーンのかゆみを抑える抗菌剤としても使われます。
これについてはさらに研究が必要ですが、「Revista de Fitomedicina」という学術雑誌に掲載された研究では、メトロニダゾール(陰部のかゆみによく使われる薬)の副作用を避けるための選択肢として有効である可能性が提唱されています。
ニンニクに効果がある?
ニンニクに含まれるアリシンには抗菌・抗生作用があるとされます。そのため民間では、ニンニクがかゆみやその他の不快感の原因となる酵素を殺すことができると信じられています。しかしこれは事実とは言えず、危険も伴います。
イランのエスファハーン医学大学では、64人の女性を対象とした研究が実施されました。その内の半分が、膣炎の治療にニンニクとタイムを使った塗り薬を試しました。しかし、効果がみられた側面もありはしたものの、かゆみが増すというのが主な副作用であったため、ニンニクがかゆみを抑えるのに良い選択肢だとは言えないでしょう。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
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