アルツハイマー病の進行を止めることはできるのか
アルツハイマー病は、ここ数十年間で診断数が非常に増加していることで、最も懸念される病気の一つです。アルツハイマーの初期は、軽い混乱や物忘れなどから始まります。
時間が経つと、自分にとって大切な人が分からなくなったり、人格が大きく変わるようなこともあります。これは本人や家族に大きなダメージを与える症状です。だから、多くの人がアルツハイマー初期にその進行をとめることは出来ないのかと自問します。
アルツハイマー病とは
人間の脳は身体全体のコントロールセンターのように働きます。体内外からの刺激を解釈し、それらに反応するための信号を送ります。喉が渇いたり、歩いたり、多数のデータを記憶したりできるのは、この脳の働きのおがげです。
アルツハイマーは神経変性疾患の一つで、数多くの認知障害が現れます。「認知障害」とは、知的・社会的能力を失わせる脳障害をまとめたものを意味します。
そして、Reina Sofía 基金アルツハイマーセンターのガイドにあるように、そういった失われてしまう機能の例が認知能力や記憶能力です。
老化に従って人間の神経は劣化していき、再生できないため死滅します。こうして脳の多くの機能が減少するため、高齢者はより認知障害を起こしやすいのです。
しかし、老化と関連していることは確かではありますが、若者であってもリスク要因があればアルツハイマーを発病する可能性はあります。学術雑誌「Cell」に発表された研究によると、これらの要因には遺伝的要因、神経変性、そして不健康な老化の原因となる諸炎症も含まれます。
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アルツハイマー病と関連付けられる症状
脳の萎縮プロセスの進行とともに、多くの患者が性格や日常行動において大きな変化を見せます。アメリカのアルツハイマー病協会は、患者に最も頻繁に起こる兆候について注意を喚起する「10の兆候」というリストを作成しています。以下がその症状です。
- モチベーションを失う。
- 視覚像の理解が困難になる。
- 時間や空間の感覚を失う。
- 日常習慣が難しくなる。
- 簡単な問題が解決できない。
- 気分、振る舞い、人格の変化。
- 会話あるいは筆記でうまく言葉が使えなくなる。
- 日常生活に支障をもたらす程度の記憶の消失。
- 物を通常ではない場所に置く、また見つけることができなくなる。
- 判断力や決断力の低下。
アルツハイマー病に関連付けられる要因
アルツハイマー病については、まだその根本的な原因は分かっていません。しかし、アメリカ・アルツハイマー協会の「アルツハイマー病の基本情報」というガイドには、老化に加えて以下のリスク要因が挙げられています。
- 乱れた食生活。
- 肥満、糖尿病、高コレステロール。
- 喫煙、飲酒、座りっぱなしの生活。
- 高血圧などの心血管系障害。
- ドラッグなどの有害化学物質の摂取。
- アルツハイマーの家系。家族親戚に一人以上アルツハイマーの患者がいる場合、発病の可能性は上がる。
- 社交活動が少ないもしくはない。これは脳を退化してしまう。
- 事故、衝撃、病気による脳の損傷。
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アルツハイマー病の初期症状を止められるのか?
アルツハイマー病の初期症状を止めるということは、一般的に、症状の進行を防ぐか遅らせることを意味します。つまり、日常習慣の中のリスク要因を排除して予防することがより賢明です。
そのためここで、上記したリスク要因を考慮しながら、日々私たちの脳や身体をケアするために変えるべき習慣を提案します。ただし、これらの生活習慣の変化は、医師の治療の代わりにはならないということを忘れないようにしましょう。
- バランスのとれた食生活を送り、高カロリーで栄養のない食事や食べすぎを避けましょう。
- 世界保健機関が推奨するように、少なくとも一日30分、定期的に運動をしましょう。
- 太り過ぎをや心血管疾患を防ぐために、体重をコントロールしましょう。
- ビタミンCや抗酸化成分の豊富な食品を摂りましょう。
- 飲酒はほどほどに(もしくはやめる)し、喫煙やドラッグの摂取はやめましょう。
- 瞑想やヨガなどを通して、日々のストレスレベルを下げましょう。
- 休息や娯楽の時間を大切にしましょう。
- 1日8時間眠るようにし、睡眠の質にも気を遣いましょう。
- 良い人間関係を維持し、ポジティブな環境で過ごしましょう。
- 自尊心を大切にし、ネガティブな思考を避けましょう。
- 必要なら心理士の助けを求めましょう。
アルツハイマー初期には必ず医師の診察を
上にあげたアルツハイマー予防のためのキーポイント以上に、初期症状が見られ始めた時には医師の診察と指示が何より大切です。
また、予防のために医師に相談するのも良い考えです。そうすれば、脳の退化を促進するような生活習慣をプロの基準で判断して変えることが出来ます。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
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