卵巣がんに関する最新の研究

卵巣ガンは、女性器に影響する病気の中でも最も深刻なもののひとつです。しかし近年の研究で、この病気と闘うための大きな進歩も見られます。
卵巣がんに関する最新の研究

最後の更新: 20 10月, 2020

アメリカがん協会の統計によると、卵巣がんはがんで死亡する女性の死亡原因第5位に位置づいています。このがんを患う確率は78人に一人で、死亡率は108人に一人です。

比較的年齢の高い白人女性がかかりやすい病気です。半分以上が63歳以上の女性に見られます。

過去20年間の研究によって、この病気と闘うための医療は大きく前進してきました。卵巣がんにかかる女性の数が減って、死亡する人の数も減少しています。

最新の研究による成果は、早期発見、鑑別診断、効果的な治療法といった技術の改善に見られます。では、この分野での最新の研究結果について見ていきましょう。

1.卵巣がんの予防

卵巣

ここにあげる最新の研究では、high-grade serous carcinoma (ハイグレード漿液性腺癌{しょうえきせいせんがん})は、実際には輸卵管で発生するものなのではないか、と言われています。この発見は、卵巣がんと闘うための新たな扉をいくつも開きました。

この研究によると、初期段階では輸卵管で出来たがん細胞が流れ、後に卵巣に付着するとされています。これが起きると、がん細胞が高速で増殖し始めますが、その理由はまだ分かっていません。

確かなのは、卵巣がんを予防するための策の一つとして輸卵管除去がすでに実施されているということです。卵巣の通常機能を長く維持するために効果的な方法であるという証拠もあります

2.がん検診の新たな技術

がん研究

現在、卵巣がんの正確な早期発見のための新たな技術が利用されるようになってきています。積極的に研究が進められている技術の一つが、血中のたんぱく質の解析、つまりプロテオーム解析です。これは、卵巣がんの早期発見を可能にする技術です。

また、MRI(磁気共鳴検査)も卵巣がんの早期発見のために使われるようになってきました。同様に、がんが見つかった場合の進行度を測る効果的な方法として、OVA1検査が使われるようになりました

この検査では、腫瘍のリスクが高いか低いかを知ることができます。リスクの高い悪性腫瘍であった場合、通常は腫瘍の専門医の治療を受けます。リスクが低い場合は産婦人科医が診るのが一般的です。この検査はがんがあるかどうかを見極める検査ではありませんが、治療に有益な情報を提供してくれます。

3.分子標的治療

 

錠剤

分子標的治療は、卵巣がんの治療法の中でも最新の方法の一つです。薬やその他の物質を使ってがん細胞を識別、攻撃し、健康な細胞へのダメージを最小限に抑えるという技術です。

分子標的治療は、がん細胞の内部の機能を標的にします。がん細胞が成長、分離、そしてその他の細胞に結合する過程を変化させるものです。基本的には、ベバシズマブ(商品名はアバスチン)と呼ばれる薬を使います。この薬は、進行した場合でも、特定のがんの細胞の成長を抑えることが出来ます。

また、オラパリブ(米国商品名:リムパーザ)、ルカパリブ(米国商品名:Rubraca)、ニラパリブ(米国商品名:Zejula)といった薬も使われます。これらはPARP阻害薬として知られ、がん細胞を殺していきます。

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4.免疫療法とワクチン

免疫療法

ニューヨーク州ミネオラのNYUウィンスロップ病院がんセンターが行った研究で、卵巣がんに対抗するための新たな光が示されました。第一段階としての被験者数は女性26人だけでしたが、その結果は期待が持てるものです。

被験者は、卵巣がん専用につくられた「Vigil」というワクチンを投与されました。このワクチンは各女性の本人のがん細胞から作られるため、一人一人特有のワクチンなのです。これは、免疫システムの反応を高めることが出来るとされています。

この実験では、全ての被験者が卵巣がんを患っていました。26人の被験者の内、20人がその後3年間生存しています。また、全員がこの治療法に対して良い反応を見せました。まだ解決策とは呼べませんが、この方向性で数年のうちに大きな進歩がある可能性は高いでしょう。

卵巣がんの予防

現在、こういったがんを引き起こすのは何なのか、そしてそれを防ぐ方法はないのかについて、研究が続けられています。

がんを完全に予防できる方法はまだありませんが、リスクを下げることは出来ます。いずれにせよ、それぞれ個人の発病のリスクを知るためには、医者に相談するのが一番です

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