ひざの痛み:その原因と治療法
階段を登ったり、歩いたり、走ったり・・・私たちが動きまわれるのは、ひざの関節のおかげです。動くために欠かせない体の部分であるからこそ、時として痛み・不快感・炎症・故障などの問題にみまわれます。ひざの痛みには、さまざまな原因が考えられます。今回はそれらの原因と、手軽にできる治療法についてお話しします。
ひざの痛みは、年齢に関係なく起こります。最も一般的な原因は、打ち身・ 靭帯(じんたい)の損傷・関節炎の初期症状などです。原因が何であれ、痛みがひどくなると、歩くのも難しくなり、生活の質に影響します。アクティブなライフスタイルとヘルシーな食生活を通して、ひざの故障を防ぐことが第一です。しかし、いったん故障が生じた場合は、簡単な家庭療法を利用して、痛みを軽減することができます。まず、痛みの原因から見ていきましょう。
ひざの痛みの原因って?
誤った動きをしたあとに痛みが起こったら?
- 私たちは時として、ひざをひねったり、打ちつけたりすることがあります。急にひざをひねったのなら、半月板 を損傷してしまったかもしれません。ひざに疼痛があり、24時間後にいちばん激しくなります。
- 靭帯の損傷も考えられます。痛みがあり、脚を地面につけられないような状態なら、ひざ関節にある4本の靭帯のうちのいずれかを傷めた可能性があります。その場合、治癒するまでに長い時間がかかります。
- 腱炎や滑液包炎も、誤った動きや衝撃が原因のケガによく見られます。滑液包(骨と筋肉または腱のあいだのクッションの役割を果たす、液体がいっぱい入った小さな袋)の炎症が原因です。
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特に理由もないのに痛みが起こったら?
- 変形性ひざ関節症:ひざ関節の軟骨がすり減ったために起こります。骨と骨がこすりあうため、階段を登るなど、ごく単純な日常動作を行うだけで痛みます。この病気が原因のひざの痛みは、夜間にいちばんひどくなります。残念ながら、ひざ関節症は治癒できませんが、薬や自然療法で症状をやわらげることができます。
- 関節リウマチ:これは関節を冒す病気で、疲労感・不快感・痛み・熱などを伴います。急に症状が現れたかと思うと、また消えたりします。幸いなことに、時間をかければ治癒できます。また、薬や人工関節置換術などで、関節の機能を回復できます。あなたにとってどの治療法が最適であるかは、必ずかかりつけのお医者様の指示に従ってください。
ひざの痛みをやわらげる自然療法
植物性油
オリーブ油は痛みをやわらげるのに役立ちます。抗炎症作用がありますし、血行をよくしてくれます。1日に2回、オリーブ油大さじ2杯を使って患部をやさしくマッサージしたあと、ガーゼでひざを包みましょう。
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氷パック
氷パックは、炎症を鎮め、痛みをやわらげるのに効果的です。ビニール袋に角氷を詰め、ひざに20分間当てます(20分間以上当てていると凍傷になるので気をつけましょう)。
小麦粉とターメリック療法
牛乳・小麦粉・ひまし油・ターメリックで、抗炎症ペーストを作ることができます。コップ半分の暖かい牛乳に、小麦粉大さじ3、ひまし油大さじ1、ターメリックひとつまみを加えてよくまぜます。なめらかなペースト状になったら、まだ暖かいうちにひざに塗りましょう。痛みにとてもよく効きます。
天然の抗炎症剤
ひざの炎症を抑える働きをもつ食品があります。これらの食品を取り入れた、バランスよい食生活を実践すれば、ひざの痛みによい効きめがあります。オメガ3脂肪酸(サケ・ニシン・イワシなど)・チアシード・アマニ(フラックスシード)・ブロッコリー・クランベリー・クコの実・ターメリック・パイナップル・緑茶などを、毎日十分に摂取するようにしましょう。
ひざの健康を守るその他のアドバイス
- 体重が増えすぎないようにしましょう。肥満はひざに負担をかけます。
- 水泳は、ひざを鍛えるのに役立つスポーツです。
- 変形性ひざ関節炎にかかっている人は、長時間のランニングやサイクリングのような、ひざに負担のかかるエクササイズは避けましょう。鋭い痛みがあるあいだは、ひざを休ませるのがいちばんです。
- 抗炎症剤は、さまざまな副作用を引き起こしがちです。どうしても薬を飲まなければならないときは、アセトアミノフェンを利用されるとよいでしょう。