プラスチックの危険性

生活の一部になっているプラスチック製品には実は様々な危険が潜んでいます。プラスチック製品の使用を今すぐやめるのは非常に難しいですが、プラスチックの持つ危険性やそのリスクを理解し、賢い選択をすることが大切です。
プラスチックの危険性

によって書かれた Yamila Papa Pintor

最後の更新: 26 5月, 2022

学校や職場、スーパー、レストラン、家庭内、旅行先など、プラスチック製品は至る所に溢れています。

約50年前にその使用が一般化されたプラスチック製品は、日々の生活や地球環境に大きな影響を及ぼしています。残念なことに、プラスチックが原因で、土壌汚染や空気汚染などの環境破壊が進んでいるのが現状です。

本記事ではプラスチックの危険性と、その対策についてご紹介します。

プラスチックは私たちの生活を改善するのか、それとも悪化させるのか?

プラスチックは日々の生活に欠かせないものとなっており、家庭内にも多くのプラスチック製品が存在します。食品の包装や容器、調理用のボウルや保存容器など、プラスチック製品を目にしないことはほとんどありません。

このように私たちの生活改善に役立つプラスチック製品ですが、逆に健康や地球の環境に悪影響を与える脅威的存在となっていることも明らかになっています。

プラスチックにも様々な種類があるため、現在使用しているプラスチックがどの種類に当てはまるのかを調べるためには、製品の裏にある三角マークとその中の数字を確認する必要があります。全てのプラスチックが同レベルの害を与える有害物質というわけではなく、それぞれの種類によって異なります。

一般的に使用されているプラスチック製品の一部をご紹介します:

ポリエチレンテレフタレート(PET)

プラスチックボトルなどに使用されるこのプラスチックは、ポリエチレンテレフタレートという合成樹脂の略で、これを原料につくられているボトルは「ペットボトル」と呼ばれています。

市場で最も一般的な種類であるこのプラスチックには、人間のホルモンに悪影響を与える化学物質が含まれています。

高密度ポリエチレン(HPD)

比較的「安全」な種類のプラスチックに分類することができますが、それでも安心してはいけません。

私たちの飲料水やその他の物質に化学物質が入ってしまう原因となります。

捨てられたペットボトル

低密度ポリエチレン(LDP)

この種類のプラスチックは、買い物袋などのプラスチック製の袋や食品のラップに使用され、水の中に化学物質が流れ出すという環境への悪影響が報告されています。

ポリ塩化ビニル(PVCまたは3V)

人間のホルモンの働きを妨害する非常に危険な2つの有害物質を発生するプラスチックです。これらの悪影響は社会的にも認知されているにもかかわらず、いまだに赤ちゃん用のボトルなどに使用されているのが現状です。

ポリプロピレン(PP)

シロップやヨーグルトなどの容器として一般的に使われている透明、または白いプラスチックで、比較的「安全」と考えられています。

ポリスチレン(PS)

ファストフード店の容器や使い捨てコーヒーカップなどに使われているこのプラスチックは、ガンをはじめとする疾患を発症する原因となる成分を含んでいます。

ポリカーボネート(PC)

人間の体に非常に有害な物質を含んでいる、とても危険な種類のプラスチックです。スポーツドリンクの容器や赤ちゃん用ボトルの容器の材料として最もよく使われています。

ゴミ箱に捨てられるペットボトル

プラスチックが原因の病気

スペインにあるアリカンテ大学では、研究者がポリカーボネートから作られた多くの製品に含まれている物質、ビスフェノールAについての研究を行なっています。

歯ブラシ、水筒、そしておしゃぶりなどに、このタイプのプラスチックが使用されており、血液中の脂質やグルコースの代謝を乱す原因となることが明らかになっています。さらに、酸化ストレスを増加し、心疾患を引き起こす可能性もあります。

世界保健機関(WHO)によると2014年に世界の糖尿病人口(成人の糖尿病有病者)は4億 2200万人に達したことが発表されました。

ビスフェノールAは膵臓の機能を低下させ、インスリン不耐性を引き起こすとされ、糖尿病有病者数が増加している理由の一つとも言われています。

この成分は私たちが毎日さらされている物質で、体内の内分泌系を崩壊します。

プラスチックの危険性

また、殺虫剤などの農薬に含まれている多くの有害物質は、それらの食品を包装するプラスチックと共に、野菜や果物を通じて私たちの体内に入ります。

私たちは、生まれた時から(そして子宮にいる時から)ビスフェノールAという成分からの悪影響を受けています。このプラスチックに加えられる有害物質が原因で起こる病気の発症率は30年前から急激に上昇しました。

その病気の一部をご紹介します:

  • ガン(乳ガン、子宮ガン、卵巣ガン、子宮頸ガン、脳腫瘍、肺ガン、前立腺ガン、肝臓ガン)
  • リンパ腫
  • 子宮内膜症、不妊、死産
  • 多動
  • 思春期早発症
  • 自閉症

プラスチックの危険から自分自身を守るために

プラスチックを使わないことが危険回避には大切ですが、プラスチック製品に囲まれる現代社会では、全てのプラスチック製品を避けることはほぼ不可能です。

しかしその中でも、プラスチックや有害物質にできる限りさらされずに過ごす生活習慣をご紹介します。私たちの健康、動植物、そして環境を守るためにも非常に大切です。

  • プラスチックで包装された食品や飲料の摂取を避ける
  • 食品の保存や再加熱、また食事をする際のプラスチック容器の使用を止める
  • キッチンではガラス容器または金属製容器を使用する
  • 缶入り飲料と缶入り食品の摂取を避ける
  • 乳幼児用のボトルにはガラス製を使用する(ガラス製は割れた時に危ないですがそれでもプラスチック製よりも安全です)
  • 柔らかいプラスチック製のおもちゃは買わない(子供がプラスチック製のおもちゃを噛んだり舐めたりしないように注意する)
  • プラスチック容器に入った食品を電子レンジで加熱しない
  • 壊れたり溶けたプラスチック容器は使用せず廃棄する
  • プラスチックのウォーターボトルを再利用しない
  • ペンやその他のプラスチック製品を噛まない
海に廃棄されたプラスチックゴミ

プラスチックによる病気を予防するだけではなくプラスチックによる環境汚染を防止する素晴らしい方法です。


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