知っておきたい胸の痛みのすべて

一般的に胸の痛みと呼ばれるのは、首と腹部の間が痛むことです。その原因は、心臓によるものと、そうでないものに分けられます。今日の記事では、それぞれの特徴について見ていきます。
知っておきたい胸の痛みのすべて

最後の更新: 03 3月, 2021

胸の痛みは、胸部の何らかの構造からきます。食道や筋肉、神経、肋骨などの臓器からくることもあります。痛みは、首や上肢、顔にまで広がることもあります。

時折、痛みは背中の痛みとして始まることもあります。ですが、これはどこが痛みの原因かによります。胸の痛みとしてみなすには、やはり体の前側が痛むはずです。

このタイプの痛みがあると、恐れを感じる人がほとんどでしょう。無意識に心臓の病気と結びつける人が多いからです。救急のおよそ5%は、胸の痛み関連なのです。小児で緊急を訪れる患者の中では、胸の痛みを訴える患者は1%未満と少数です。

今日の記事では、胸の痛みの原因として考えられることを見ていきましょう。

胸の痛みとされる痛みは、首から腹部の間の痛みです。痛みとしてはっきりと表現する人もいますが、中には、なんとなく苦しい、変な感じがする、と表現する人もいます。

胸の痛みのカテゴリー

胸の痛みは、通常2つのグループに分けられると専門家はみなしています。心臓が原因の痛みと、心臓以外が原因の痛みです。どの部分が原因かによって、緊急な処置が必要なのか、そうでないのかが判断されます。

まずは、心臓が原因の痛みを紹介しましょう。その次に、心臓が原因ではない痛みを引き起こす構造をご紹介します。

心臓の原因

  • 虚血性心疾患:胸の痛みは、狭心症や心臓発作のサインかもしれません。締め付けられるような、とても激しく耐え難い痛みを感じるでしょう。痛みを感じる場所は心臓部分で、上肢や首にかけても痛みが伝わるでしょう。
  • 大動脈破裂 :大動脈は、高圧に耐えられる分厚い壁で覆われていますが、それでも破れてしまうことがあります。これは、大動脈破裂と呼ばれる稀な病気で、激しい痛みを伴います。また、緊急の処置が必要です。
  •  心膜炎 :心膜は心臓の膜です。様々な理由から液体が蓄積し、むくみ、心膜炎を引き起こすことがあります。心膜炎は胸の痛みが特徴的です。痛みは間欠的なこともあり、患者の体勢によって痛みが変わります。

心臓以外の原因:肺塞栓症

  • 肺炎:細菌性の肺感染症によって胸の痛みが起こります。継続することがあり、また、咳や呼吸運動によって痛みが激しくなることがあります。一般的に、痛みは感染した部分側に起こります。
  • 肺塞栓:呼吸器系の動脈と静脈は、詰まってしまうことがあります。これが、肺塞栓と呼ばれる状態です。この詰まりが肺や循環器系に形成されると、緊急を要する状態となります。
  • 気胸:心臓が心膜に囲まれているように、肺は胸膜に囲まれています。胸膜が形成するスペースに空気が溜まってしまったら、気胸という状態になります。呼吸困難のような症状を伴う、激しい痛みが特徴です。
  • 胸膜炎:胸膜はむくみやすい部分です。この炎症は、胸膜炎または肋膜炎と呼ばれています。心膜炎と同じように、痛みは間欠的で、体勢によって変わります。
胸を押さえる女性 知っておきたい胸の痛みのすべて

心臓以外の痛み:消化管に起こる痛み

  • 食道けいれん:食道は、胸の中央を通り、口から胃を繋いでいます。壁は筋肉でできていて、中は空洞で、痙攣を起こすことがあります。痙攣が起こった時、食道は自動的に閉じ、食べ物を通すのを止め、胸の痛みを引き起こします。
  • 胃炎:胃は胸の下の方にありますが、胃炎や消化不良が胸の痛みとして感じられることがあります。胃炎はまた、げっぷや胃酸の逆流、吐き気などの消化系の症状を伴います。胃食道逆流が原因の胸の痛みは、胸の真ん中を縛られたような痛みでしょう。
  • 胆石:胆のうに胆石があるなら、胸にも影響を与えることがあります。ですが、お腹の痛みが一般的です。胆のうの位置や胆石の位置によると、右の肺や右肩あたりまでに痛みを感じる人もいます。
心電図 知っておきたい胸の痛みのすべて

胸の痛みの他の原因

前述したように、胸部や腹部の臓器以外の他の構造や状態が痛みを引き起こすこともあります。従って、緊急性が少ない他の原因だと診断するには、まず、その痛みが、もっとも深刻な原因で引き起こされている可能性がないと判断されなければなりません。

他の原因として、以下のようなものが挙げられます。

  • 心理的要因:例えば、パニック発作などは胸の痛みを引き起こします。ですが、痛みは心理的なものであり、解剖学的なものではありません。胸が締め付けられるような感覚や不快感を感じるでしょうが、これは内臓の機能不全によるものではありません。
  • 肋軟骨炎:肋軟骨炎とは、肋骨と胸骨をつなぐ軟骨の炎症です。抗炎症薬や部分的に冷やすことで、痛みは改善されるでしょう。
  • 筋肉痛:この場合、胸壁を形成する筋肉が痛むかもしれません。炎症や強打による血腫、筋違いなどが原因でしょう。一般的に、治療には抗炎症薬が用いられるでしょう。
  • 神経炎:肋骨間を通る神経がむくみ、胸の痛みの原因となっていることがあります。よくある例として帯状疱疹があります。

いかがでしたか。このように、「胸の痛み」は全て同じではありません。様々な原因があるのです。胸の痛みを感じる人は、すぐに医師に相談し、その原因が何であるかをはっきりとさせましょう

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