生理不順を引き起こす6つの原因とは?
月経周期は女性特有の、ホルモンの作用による生物学的プロセスであり、身体的・精神的健康のさまざまな側面に影響します。
一般的に月経は28日毎に起こります。個人のホルモンの活動によってちがいはありますが、通常3~6日間続きます。
それぞれのサイクルの間、一連の変化が起こって性的および生殖能力に直接の役割を果していますが、それに注意を払わない人がたくさんいます。
また月経周期には人生の各段階においてさまざまな変化が見られます。これは 思春期から閉経までの間にホルモン生成が大きく変化するためです。
それでも生理不順(月経不順)は健康上の問題やホルモン異常のしるしかもしれませんから、それをどう解釈すべきか理解することが非常に大切です。
生理が早すぎる、あるいは遅すぎることが、その他の異常を発見するカギとなるかもしれません。
日本女性心身医学会によると、「月経不順や無月経の原因で多いのは、急激なダイエットやストレスによるホルモンバランスの崩れであり、悩みや不規則な生活によって月経リズムが乱れる人もいます。また、子宮や卵巣、甲状腺などの病気が原因」になることもあります。
生理が不規則だからといって必ずしも重大な問題が隠れているわけではありませんが、合併症を防ぐために注意を払うことが大切です。
生理が不規則な人の多くは、どうしてそうなのか理由を理解しようとしません。
今回は、生理不順の 6つの主な原因をご紹介します。
1. 甲状腺の問題
生理不順を引き起こす主な要因の1つは、 甲状腺の活動に関係した病気 です。
甲状腺は大切なホルモンを生成する臓器であり、無月経または月経不順の少なくとも 15%は甲状腺の異常と関連しています。
甲状腺は内分泌系・代謝・性的活動をコントロールしており、「マスター腺」と考える人もいます。
こちらの記事もご覧ください:甲状腺の機能を高める自然療法
2. 避妊薬の使用停止
経口避妊薬は妊娠を防ぐための女性ホルモン剤。
これらの錠剤はエストロゲンのレベルを高く保つようにできています。身体がこれを妊娠と解釈し、排卵を抑制するのです。
経口避妊薬を21日間飲んだあと、1週間の「休息」期間があり、その間は正常な生理があります。
問題はこの薬の使用をやめたとき、生理不順が起こるケースが多いこと。ホルモンの変化のせいで、まったく生理がない場合(無月経)もあります。
経口避妊薬を定期的に飲んでいたあとにその使用をやめた人たちの29%が、最長3 ヶ月の無月経を体験すると推定されています。
3. 激しい運動
激しい運動は副腎・甲状腺・脳下垂体内の変化に影響することがあり、これが通常月経の変化を伴います。
たとえば、マラソンやその他の激しいスポーツ競技に参加する女性は、ホルモンの活動に変化が起こるため、1~2ヶ月間生理がないことがあります。
実際、女性のボディービルダーの 81% は人生のある時期に生理不順を体験しているといいます。
4. ホルモンバランスの乱れ
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)によって引き起こされるようなホルモンバランスの乱れは、生理不順のよくある原因の1つです。
この状態はエストロゲン・プロゲステロン・テストステロンを含む生殖ホルモンのレベルに変化をもたらします。
その結果、月経周期にも変化が起こり、体毛異常・にきび・急激な体重の変化など、その他の症状を引き起こします。
ホルモンバランスの異常が引き起こすもう1つの問題は「早発閉経」—40歳前に生理がなくなってしまう状態です。
この場合、生理不順は以下の症状を伴います:
- 膣乾燥
- 寝汗
- 慢性の気分変動
5. アレルギー、食物不耐症
食物不耐症やアレルギーは、月経周期の異常と大いに関係があります。
これらの症状はほとんどの場合副腎の活動に支障をきたすため、ストレスが増加し、生殖ホルモンのバランス異常を起こすのです。
こちらの記事もお勧めします:ストレスはどの様に女性に影響するのか?
6. 栄養不足
栄養不足も甲状腺と副腎の正しい機能を妨げます。
食生活に抗酸化物質・ビタミン・ミネラル・プロバイオティクス(善玉菌)が不足すると、コルチゾール値が上昇し、甲状腺機能低下症や副腎疲労などの病気になる可能性があります。
でもコルチゾール値の上昇は、ストレス増加につながるだけではありません。 生殖ホルモンを含む数多くの重要なホルモンの活動も妨げます。
生理不順の最初の兆候が現れたら、栄養価の高いさまざまな食品を食べるようにしましょう。
まとめると、生理不順に正しく対処するためには、この問題を引き起こす数々の要因を知ることが非常に大切です。
また、ホルモンのレベルを正確にチェックするために医師の診察を受けることもお勧めします。
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引用サイト:日本女性心身医学会
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