流動的な人間関係と壊れやすいきずな
流動的な関係は、カップルだけでなく、友人同士や家族の間にも見られます。
その共通点は何でしょう? ある期間は続きますが、期待していたよりも早く終わりが訪れるということです。
こちらの記事もお勧めします:健康的な関係のための10の習慣
社会は変わり、それと共に私たち自身も変わったように思われます。昔は、人々の間のきずなはもっと強く、堅固なものでした。私たちはそれと気づかないうちに、遅かれ早かれ時がくればだめになる、流動的な関係にとらわれてしまったようです。
社会における流動的な人間関係
浮気・ウソ・感情的な依存—これらの状況は、どれも人間関係を有害なものに変えたり、破壊したりしかねません。いずれも不幸な結果をまねくことでしょう。
私たちが他の人たちと結ぶきずなは、遅かれ早かれ壊れてしまい、思い出となります。ここで大きな問題となるのは、これらのきずなが壊れたとき、私たちは恐ろしい現実—孤独—に直面するということです。
でも、どうして人間関係が流動的になってしまったのでしょう? 私たちは昨今、できるだけ早く自分たちのニーズを満足するよう駆り立てられています。そしていったん満足すると、何か他のものを求めるようになります。それはうわべだけのものかもしれませんし、とても自分勝手なものかもしれません。
こちらもお読みください:こんな関係にご用心! 絶対避けるべき6つの有害な関係
また、大勢の人たちが「永遠」という概念を恐れています。私たちは人生を思う存分に楽しみたいと願っており、だれかに縛りつけられていると感じることは私たちの計画に含まれてはいないのです。このため、結婚や子育てについてくる責任を逃れようとしている人たちがたくさんいます。
そういう人たちは、結婚して腰を落ち着ける心の準備がまだできていないか、義務や責任に縛られずに自分だけの自由を味わいたいだけなのかもしれません。でも、何にでも代価はあるもので、人との関係が弱まって亀裂が生じてくる可能性があります。
自分が何を望んでいるか、わかっているでしょうか?
こういう流動的な人間関係とは自分は無縁だと思っている方もいらっしゃるでしょう。でも、直接的にしろ間接的にしろ、社会は私たちをその方向に押しやっているのです。ポーランドの社会学者であり哲学者でもあるジークムント・バウマン 氏の言葉を借りるなら、私たちは急速に変化しつつある社会に適応するよう迫られていると感じています。私たちは順応性を備え、これらの社会的変革に適応し、「慣れて」いくよう期待されているのです。
流動的な関係が増加しているのは、それだけが原因ではありません。 バウマン 氏によれば、私たちは硬い殻で覆われた「流動的アイデンティティ」を生み出し、それを鎧のようにまとっているのだそうです。これは外から見れば堅固で強そうに見えますが、内側の人間は壊れやすく、弱く、非常に苦しんでいるのです。
こちらの記事もお読みください:精神的に大人になるってどういうコト?
確かに、このような社会規模の変化を前にして、堅固な関係を維持していくのはとても難しいでしょう。そんな弱いきずなを避けるには、一貫性と安定性とが必要です。でも、今日それは不可能なことに思えます。
ソーシャルメディアが、この新しい人間関係の構築法に重大な影響を与えています。あなたもFacebookで何人友達がいるか、心配したことはありませんか? Twitterで自分のフォロワー数を増やすため、他の人たちをフォローしたことはないでしょうか?
おわかりのように、質よりも量が大切にされ、それがあなたの実際の人間関係にも反映されています。若者たちは軽く生きることを望み、友達や恋人を短期間で変え、家族の一員としての意識も薄らいでいるのが現状です。
深い人間関係を築くには
現代人は深い人間関係よりも、他の人たちと軽い「つながり」を持ち、他者に対して自分を100%与えることはせず、どんなつながりも遅かれ早かれ終わると感じているのです。
こういった状態から、どうやったら逃れることができるでしょうか? 私たちは今一度、堅固な関係を築けるようになるでしょうか? もちろん、だれもがこの「リキッド・モダニティ(流動的近代)」に同調しているわけではありません。でも、もしあなたがこの液状化した社会のさなかに置かれていると感じ、そんな状態を防ぎたいと思っているのであれば、以下の3つのアドバイスを参考にしてください:
- アイデンティティを固める:あなたの中の一番深いところにある「あなた」を見いだし、あなたが本当に望み、必要としているのは何かを発見しましょう。
- 物の見方を変える:質よりも量を大切にするかどうか、自分に尋ねてみてください。これがあなたの物の見方を変えることにつながります。
- 深い関係を築くことを学ぶ:コミットメントや責任は、必ずしもネガティブなものではありません。思いきって自分を100%与える心構えを整えましょう。心配したり、恐れる必要はありません。
あなたは今、だれかと流動的な関係にありますか? それについてどうお考えでしょうか? 必ずしもそれが悪いということではありません。私たちの選択には、すべてプラスとマイナスの両面がつきものです。堅固な人間関係を築くか、壊れやすいきずなで満足するか、それを選択するのはあなた自身です。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Castro Santander, Alejandro. (2012). La convivencia de los modernos individuos líquidos. Perfiles educativos, 34(138), 08-18. Recuperado en 05 de febrero de 2019, de http://www.scielo.org.mx/scielo.php?script=sci_arttext&;pid=S0185-26982012000400016&lng=es&tlng=es.
- Hernández Moreno, Jazmín. (2016). La modernidad líquida. Política y cultura, (45), 279-282. Recuperado en 05 de febrero de 2019, de http://www.scielo.org.mx/scielo.php?script=sci_arttext&;pid=S0188-77422016000100279&lng=es&tlng=es.
- Vespucci, Guido. (2006). La fragilidad de los vínculos humanos en la moderna sociedad líquida. Revista argentina de sociología, 4(6), 160-163. Recuperado en 05 de febrero de 2019, de http://www.scielo.org.ar/scielo.php?script=sci_arttext&;pid=S1669-32482006000100009&lng=es&tlng=es.
-
Bauman, Z. (2013). Amor líquido. Acerca de la fragilidad de los vínculos humanos.