甲状腺機能を自然に高める6つの方法
甲状腺は喉のあたりにある、蝶のような形をした比較的小さな腺のことをいいます。ちょうど首の正面に位置しています。
甲状腺にはホルモンや新陳代謝、発育プロセスなどの調整をするはたらきがあります。
甲状腺にはチログロブリンと呼ばれるたんぱく質が存在し、ヨウ素を用いることでホルモン分泌を活性化して、身体の器官や組織、細胞の機能をはたらかせます。
さらに、たんぱく質の合成や細胞への酸素供給など、他にも身体を健康に保つための重要なはたらきに関与しています。
しかし、甲状腺もその他の器官と同じく、はたらきが不安定になるような様々な要因にさらされています。そうなれば当然、その機能に問題が起こってしまいます。
甲状腺トラブルがあれば、身体のあちこちに変化が起こるだけではなく、いずれ深刻な疾患にまでつながることもあります。
そのため、甲状腺に効果のある栄養を摂取するなど、その健康を守るための努力は常に惜しんではいけません。
今回は、甲状腺の機能を自然に高めるための6つの良い習慣をご紹介します。
1.食事にヨウ素を取り入れる
ヨウ素不足は甲状腺機能低下、つまり甲状腺ホルモン不足の最も一般的な原因です。
ヨウ素は人の身体が作ることのできない栄養であるため、食べ物を通して摂取することが不可欠なのです。
ヨウ素は以下のような食品に含まれています。
- 卵
- 貝・甲殻類
- 脂肪分の多い魚
- チーズ
- 食卓塩
ただし、食卓塩に関しては摂取量をほどほどに抑えましょう。塩分の取りすぎも健康問題につながります。
(注: 世界においてはヨード不足が懸念される文化が多い中、日本は基本的にヨードの豊富な食文化であり、甲状腺トラブルがある場合は逆に過剰摂取しないよう注意したり医師から制限される場合もありますのでご注意下さい)。
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2.セレンの摂取量を増やす
セレンは甲状腺疾患の治療に効果のある大切なミネラルの一つです。
セレンには、ストレスを抑え、解毒を促すはたらきがある他、ホルモンの活動を調節する役割ももっています。
また、セレンを含むたんぱく質には、新陳代謝機能や食べ物をエネルギーに変える仕組みを助けるはたらきがあります。
セレンを摂取できる食べ物には以下のようなものがあります。
- ナッツ類
- 亜麻仁・ひまわりの種
- 卵
- ヨーグルト
- きのこ
3.亜鉛の摂取量を増やす
亜鉛不足は、甲状腺機能低下症と甲状腺機能亢進症という二つの主な甲状腺トラブルにつながります。
ホルモン値が高すぎるにしろ低すぎるにしろ、甲状腺が不安定な場合は全身にさまざまな不調が出てきます。
この不可欠なミネラルは多くの食品に含まれていますが、サプリで摂取することもできます。
以下は亜鉛を含む主な食品です。
- 牛肉の赤身
- 牡蠣
- 豚肉
- 鶏肉
- ほうれん草
- 種・ナッツ類
- チョコレート
- くるみ
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4.マグネシウムもお忘れなく
正常な甲状腺機能のために欠かせないもう一つの要素は、吸収がされにくく、身体の機能において非常に重要な役割をもつミネラル、マグネシウムです。
甲状腺ではヨウ素を甲状腺ホルモンに変える必要があるため、マグネシウムの摂取はあらゆる合併症を防ぐ鍵となります。
マグネシウムはローションを塗って吸収することができますが、以下のような食品から摂取することもできます。
- とうもろこし
- アボカド
- バナナ
- ほうれん草
- レーズン
5.ココナッツオイルを摂取する
1日に大さじ1、2杯のココナッツオイルを摂取することによっても、甲状腺機能を高めることができます。また、中鎖脂肪酸が新陳代謝をサポートします。
豊かなビタミン、ミネラル、抗酸化作用をもつココナッツは、不安定な甲状腺による影響を打ち消してくれる完全食です。
ココナッツオイルが身体に与える影響に関してはさらなる研究が求められていますが、治療を補うために食事に加えるようにアドバイスする専門家もいます。
6.ストレスを避ける
ストレスフルな状態が長く続くと、甲状腺機能を損なう大きな原因となってしまいます。
ストレスは、初めのうちは気分にだけ影響するようにも思えますが、いずれは体内で化学反応の進行を乱し、健康に影響を及ぼすようになります。
これは、甲状腺ホルモンが細胞に入り込むのを阻害する コルチゾールという物質の生成が促されるためです。
甲状腺の健康が気になる場合は、これらの習慣を生活に取り入れてみてください。また、より正確な検査のためには医療機関での定期健診へ行くこともお忘れなく。
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- Pardo Calderón, S. G. (2016). El uso de plantas medicinales en las enfermedades de la glándula tiroides (Bachelor’s thesis, Universidad de Guayaquil. Facultad de Ciencias Químicas). http://repositorio.ug.edu.ec/bitstream/redug/17969/1/BCIEQ-T-0162%20Pardo%20Calder%c3%b3n%20Steven%20Gregorio.pdf