家庭菜園におすすめのバジルの種類
バジルはどの品種もすべてメボウキ属の植物です。しかし、最もよく知られているのはバジルやバジリコとも呼ばれるメボウキ(Ocimum basilicum)で、食用と薬用の両方の用途があります。この他にも、庭で栽培できる種類のバジルがあります。もっと詳しく知りたい方は、ぜひ読み進めてみてください。
まず最初に、バジルは夏の暖かい気温を好むことを覚えておいてください。実際、低温になるとすぐに枯れてしまう傾向があります。とはいえ、育て方は簡単で、どんな規模の庭にも適しています。以下では、その詳細をご紹介します。
バジルの主な種類
バジルは、シソ科の植物で、古くから芳香剤や薬草として用いられてきました。その中でも最もポピュラーなのは、私たちが「バジル」として知っているメボウキ属の植物です。
バジルには、推定で30種類以上の品種があると言われており、味や色、形など、それぞれに違いがあります。では、家庭菜園で育てられるバジルには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、それぞれのバジルの特徴をご紹介します。
コモンバジル(スイートバジル)
学名はOcimum basilicumで、別名「スイートバジル」と呼ばれています。南アジアが原産ですが、世界各地で栽培されています。『Expert Opin Drug Metab Toxicol』誌のレビューによると、バジルとそのエッセンシャルオイルには、健康を促進する生物活性化合物が含まれているそうです。
これらにはポリフェノールやフラボノイドが含まれ、その抗酸化作用は慢性疾患の予防に関連しています。料理では、ジェノベーゼ、マリネ、サラダなどによく使われる食材です。
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パープルラッフルバジル
庭で栽培できるバジルの種類のひとつで、コモンバジルの派生種です。学名はOcimum basilicum var. purpurascensで、紫色の葉が特徴的です。高さは50cmを超えず、あまり背丈は成長しません。
『Food & Function』誌によると、アントシアニンが豊富に含まれており、抗菌作用があることも知られています。料理における用途は、コモンバジルと同様です。
ホーリーバジル
学名はOcimum tenuiflorum、別名トゥルシーとも呼ばれ、高さは90cmにもなります。日当たりの良い場所で育つと紫の葉になり、そうでない場合は緑の葉になるので、両方の色の葉が見られます。
『Pharmacognosy Reviews』誌に掲載されたレビューによると、この品種のバジルには、抗炎症、抗酸化、抗糖尿病、抗菌、心臓保護、鎮痛などの効果がある化合物が含まれているそうです。紅茶によく使われますが、レモネードなど他の飲み物に加えてもよいでしょう。
ブッシュバジル
装飾用に使われるバジルの一種で、学名のOcimum minimumが示すように、サイズが小さいのが特徴です。アジアでは古くから芳香剤や薬草として使われてきましたが、これらの用途は世界各地に広がっています。
『Molecules』誌の記事によると、この種類のバジルからは抗菌作用のあるオイゲノールとリナロールを多く含む精油が抽出されるといいます。
ジェノベーゼバジル
ジェノベーゼバジル(Ocimum basilicum ‘Genovese’)は、イタリア料理でよく使われ、パスタやピザの材料としてよく使われています。他の品種との違いは、葉が大きく湾曲していることで、ジェノベーゼソースの材料としてよく使われます。
『Journal of Agricultural and Food Chemistry』誌によると、この種のバジルには薬理効果のある揮発性オイルが含まれていますが、このオイルは適切に使用する必要があります。安全な摂取量と有効性のエビデンスはまだ十分に揃っていません。
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シナモンバジル
学名はOcimum basilicum。名前の由来は、シナモンにも含まれる物質が含まれており、その独特の香りがあるからです。葉は緑色の他、赤や紫がかったものもあります。料理に使う人もいますが、通常は観賞用です。
レモンバジル
バジルには交配種もあります。レモンバジル(Ocimum × citriodorum)は、スイートバジルとOcimum americanumの学名を持つバジルの交配種です。高さは50cmにもならず、白い花を咲かせます。
レモンのような香りが特徴で、アラブ、ペルシャ、タイなどの料理によく使われます。サラダ、スープ、シチュー、グリル料理などのレシピによく使われます。
家庭菜園で育てられるバジルの種類
バジルには多くの種類がありますが、ほとんどの種類が薬用や料理用に使われています。庭での栽培に適していますが、低温(氷点下)には弱いので注意が必要です。
水分を多く含んでいない、ゆるくて通気性のある土壌が必要ですが、手入れが簡単で場所を取らず、何ヶ月も新鮮さを保つことができるので、どんな庭にも適しています。
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