肝不全の5つの症状と4つの原因
肝不全とは、肝臓の機能が停止してしまった状態のことを言います。
肝臓の機能がすぐに停止してしまうわけではなく、数か月、数年をかけて起こります。
肝不全は大きく二つに分けられます。急性のものと慢性のものです。
・急性肝不全(劇症肝炎)は進行がとても早いものです。
・慢性肝不全は、気づかぬ間に時間をかけてゆっくりと症状が悪化します。
肝不全の原因
その他の深刻な病気と同じように、肝不全にも原因はいくつかあります。注意して読んで、自分に当てはまるものがないか確認してください。
厚生労働省難治性疾患政策研究事業・難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究のホームページによると、急性肝不全(劇症肝炎)は”新生児から高齢者まであらゆる年齢層に、男女を問わず発症”するとのことです。また、”最近では、B型肝炎ウイルスのキャリアからの発症や、もともと肝臓病以外の病気のために薬物治療を受けていた患者さんが劇症肝炎になる場合が増える傾向”にあるとされています。
もし気になる事があるならすぐに受診して、はっきりさせましょう。
では、原因を見ていきましょう。
1.特定のウイルスにかかる
私たちは毎日の生活の中で、肝臓に負担をかける様々な毒素に接触しています。
その中に、他から感染するウイルスがあります。これはヘルペス、A、B、E型肝炎など、肝臓の健康に重大なダメージを与えます。
2.過度の薬の摂取
必要な薬を必要なだけ摂取するのは健康にも大切なことです。ですが、必要以上の量や種類を飲みすぎるのは肝不全の原因となります。
特に注意するべき薬
- 非ステロイド性抗炎症剤
- 抗痙攣薬
- 抗生物質
- 避妊薬
効果を感じないからと言って、好きな時に好きなように飲んでいたら量も回数も増えていきます。
そうする前に、薬を変える必要があるのか、それとも自分が効果を感じていないだけなのか医者に相談しましょう。
3.毒素の多い食品を食べる
毎日食べる食材の中にも、少量の毒素を含んでいるものがあります。したがって、どの食べ物を食べると具合が悪くなるかを自分でしっかりと見極め、バランスの良い食事を取りましょう。
- マッシュルームは一般的に食べられているものですが、実は少量の毒素を含んでいます。
- もしこの真菌を良く食べていたり、自分で治療しようとしたり、前記したウイルスにかかっているようなら、肝不全が進行している可能性があります。
こちらもお読みください『肝臓を洗浄する食生活』
4.お酒の飲み過ぎ
最後にご紹介する、肝臓の機能を弱くする原因は、過度のアルコール摂取です。飲みすぎが良くないことは分かっているにも関わらず、人との付き合いなどでついつい飲みすぎてしまうという人も多いでしょう。
ですが、週に数回お酒を飲む機会がある人は気をつけてください!疑いようもなく、あなたの肝臓は大きなリスクを抱えています。
- お酒は1日2杯以上飲まないようにしましょう。
- もしそれ以上に飲んでしまった場合は、アルコール1杯につき水を2杯を飲むようにしてください。
肝不全の症状
では、次の肝不全の症状について見ていきましょう。
以下に挙げるような症状が現れる頃には、肝不全はだいぶ悪化しているということを忘れないでください。肝不全は初期の段階での発見が難しいのです。
1.肌の色が変わる
肝臓にトラブルを抱えると、肌の色が黄色く変色します。これは皮膚にビリルビンが蓄積されるためです。
肝臓がビリルビンを分解できず、皮膚下の血液にビリルビンが溜まるのです。
2.腹部の痛み
最も一般的な症状の1つが腹部の痛みです。
お腹が痛むのは、肝臓が炎症を起こして敏感になっているためだと考えられるでしょう。
3.消化不良
肝臓のダメージが進むと、肝臓は胆汁の生成をストップします。胆汁は消化過程に重要な役割を果たしているので、これは大きな問題です。
胆汁が適切に分泌されないと、上手く食べ物の消化が出来なくなるため、消化不良を引き起こします。
こちらもお読みください『消化不良の背後に隠れているかもしれない病気とは?』
4.便の色が悪い
胆汁は消化過程に大きな役割を果たしており、便の茶色の色も胆汁によってつくものです。ですので、普通は便の色は茶色です。
ですが、もし便が白や薄い色になっているようなら、肝臓が正常に働いているかどうかチェックした方が良いでしょう。
肝臓に問題があって胆汁の生成に影響している場合は、便の色が変化します。
5.黄疸
黄疸が出ている場合は、間違いなく肝臓に問題があると言えるでしょう。
黄疸が出ると、肌や目の白い部分も黄色く変色します。
肝不全は発見次第すぐに治療を始める必要があります。治療法は、原因と症状によって変わります。大事なのは、医師の診断とアドバイスを受け止め、それに従う事です。
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