1日5食ダイエットが効果的ってホント?
1日5食ダイエットという名前を聞いたことはありますか?
減量、代謝の促進、空腹感を感じないなどを目的や、人間は3時間ごとに少量の食事をするべきなどの理由で、1日に食事を5回行う食事法です。
しかし、この食事法は本当に効果があるのでしょうか?
今回は、この興味深いトピックに焦点を当てます。
1日に何回食べる必要がありますか?
「1日5食を食べなければならない」という理論は、正確ではありません。
食事の回数は、個人の空腹の状態、1日の生活パターン、仕事、スケージュール、そして運動などの身体活動によって異なります。
午前中と午後の軽めのスナックの時間を作ると、ジュースや清涼飲料だけでなく、甘いお菓子、塩辛いお菓子、ソーセージなどの加工肉、そして糖分が加えられた乳製品など、食べる必要のないものや食べてはいけないものまで食べてしまう可能性があります。
1日5食を実践しようとするあまり、食べる食品の質が低下してはいけません。
何を食べるかというのは、どれだけの量を食べるのかと同じくらいまたはそれ以上に大切です。
つまり、この食事法で5回の不健康な食事を行うよりは、1日3回の健康的な食事の方が健康には良いでしょう。
私たちにはどのような食事内容が必要なのでしょうか?
朝食を抜いてはいけないというのはよく言われていることですが、朝食だけが大切ということではなく、どの食事も他の食事と同じくらい大切という意味です。
もちろん、空腹で朝食を食べたくないという朝もあるでしょうが、必ず健康的でバランスの良い食生活を実践することが大切です。
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1日5食ダイエットは代謝が促進されますか?
食事をする時には、体内で食品を消化し分解するためにエネルギーが消費されます。これは、食品の熱効果と呼ばれるものです。
食品を消費するときに使用するカロリーは、食事の量と多量栄養素の種類にほぼ比例することがわかりました。
1日2,000 kcalの食品を消費する場合、このカロリーを3回に分けて食べるか5回に分けて食べるかは関係ありません。なぜなら、食品の熱効果は同じだからです。
Journal of Nutrition(栄養学雑誌)では、食事の頻度を増やすと減量に役立つと言う確固たる科学的証拠はない、と結論付けた研究が発表されています。
ファスティングを行うときには?
空腹を感じた時に食事をするのが大切です。
グレリンとレプチンというホルモンによって制御される空腹感と満腹感のメカニズムがあるため、空腹を感じた時に食事をすることは大切です。
同じように、子供にも健康的でバランスの良い食事を提供し、あまり子供たちが空腹を感じないように、適切なタイミングで食事を提供することが大切です。
運動選手や妊娠中の女性など、ある特定の環境や健康状態にある健康な成人は、食事をせずに何時間も過ごすことができます。
私たち人間は、ファスティングと呼ばれる断食を数時間行い、血液中のグルコースが消費されると、身体は肝臓と筋肉のグリコーゲンを使用します。
体内の蓄えが尽きると、体は糖新生を活性化し、タンパク質の分解と脂肪の分解によるグルコース産生(筋肉と脂肪組織の破壊)は、尿中に排出されるケトン体を生成します。
このように、断続的なファスティングは、一部の人々にとっては良い減量法になるかもしれません。
これは16:8ダイエットと呼ばれるファスティングを用いた減量方法ですが、必ず医師や栄養士などの専門家の指導のもとで行なってください。
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1日5食を食べるべき人
- 不安感と食欲をコントロールする必要がある人: 1日5回食事を行えば、空腹を感じる頻度が少なくなり、量を食べがちな人は、食べる量を適切にコントロールするのに役立ちます。逆に食事を抜くダイエットをすると、お腹が空いて過食をする可能性があります。
- 糖尿病などを発症している人:低血糖を防ぎ血糖値を一定に保つためには、1日5回の食事を行うことが大切です。
- スポーツ選手:大量の食事や栄養素を摂取するべきスポーツ選手の場合は、3回よりも5回に分けて食べる方が、栄養素を最適なタイミングで補給することができます。
結論
適切でバランスの良い食事計画と食事の時間をしっかりと設定することをお勧めします。
1日5回食べることに慣れている人が3回だけ食べるのは簡単ではないですし、逆も同じです。
最も大切なことは、健康的で飽きのこないバランスの良い食生活を続けることです。
健康的な食べ物をバランス良く食べている場合、1日の食事の回数はさほど重要ではありません。
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