火の呼吸がもたらす6つのメリット
プラナヤマはヨガの呼吸法です。それぞれのヨガの姿勢や、ポジションを補う呼吸法です。火の呼吸はプラナヤマの1つであり健康に良いと言われています。
ヨガの最も重要な要素の1つは呼吸です。なぜなら、ヨガのポーズをとっているときに深く呼吸をしリラックスすることができるからです。また心を落ち着かせ、緊張を解き、脳に酸素を送ります。
火の呼吸とは?
火の呼吸はサンスクリット語で “kapalabhati”といいます。“Kapala”は「頭蓋骨」、 “bhati”は「洗浄」を意味しています。つまり、心の浄化を意味しているのです。
不安、神経質、心配、悲しみ、痛み、恐怖などをコントロールするのに役立ちます。最も一般的な姿勢は蓮華座(ロータスポーズ)です。
こちらもご参考に:エネルギーの回復におすすめのヨガポーズ4選
火の呼吸の方法
初心者の場合は、肺を空気でいっぱいに満たすまで、鼻から静かにそして深く呼吸することを心がけましょう。その後、強制的に空気を全て吐き出してください。横隔膜を刺激するため、背骨を通して腹部を収縮させてください。
慣れたら徐々に呼吸のリズムを早めてください。
火の呼吸のメリット
火の呼吸には様々なメリットがあります。主に、感情をコントロールし呼吸全般の健康を高める利点があります。それに加えて、以下のようなメリットもあります。
1 .ストレスをコントロールする
コントロールされた方法で呼吸する事は、集中力を改善し、否定的なエネルギーとストレスを排除し心を清浄に保ちます。
ストレスが溜まっている時、横隔膜は内側(太陽神経叢の領域)に向かって収縮します。ここが私たちが感情を保つ場所です。
火の呼吸によって、感情が流れ出て体から排出することができます。これによって体のバランスをとり精神的および肉体的健康を維持します。
2. 血液を浄化し肺から毒素を放出する
循環を良くし、大量の酸素によって血液を浄化するのを助けます。
呼吸器系を浄化するのにも役立ちます。すべての空気を追い出すことによって肺に余分な残留物が残りません。再び息をすることで新しくきれいな空気が肺に入ります。
3. 肺活量を改善する
人間は通常限られた方法で、浅い呼吸をしているので肺を最大限に利用することがありません。息が浅いと多くの酸素を取り入れることができません。
頻繁に火の呼吸を練習することによって、次第により多くの酸素を取り入れることができるでしょう。
ご存知でしたか?:簡単で効果的なヨガのポーズでガス溜まりを解消しよう
4. 第3チャクラを強化する
マニプラとも呼ばれるこのチャクラは、感情に焦点を合わせることに役立ちます。すべてのチャクラの中で最大かつ最強であり、私たちの行動や感情に大きく関係しています。
怯えていたり悲しい時に胃に空虚さを感じたことがあるでしょうか? これはおそらく第3チャクラの不均衡の表れによるものです
5. 記憶及び集中力を高める
深く呼吸すると血液だけでなく脳も酸素を取り込むことができます。脳が正しく機能するのを助け、認知能力と集中力を向上させます
6. 消化器系の機能を刺激する
横隔膜が一定に動くため消化器系が活性化されます。それにより、胃の様々な問題を防ぐことができます。
注意事項
- 火の呼吸を始めたばかりの時は、完全にマスターするまで常にインストラクターの監視下で行ってください。習得するのに忍耐と繊細なテクニックが必要となります。
- めまいがするほど急速に呼吸をしないでください。呼吸器系は大量の空気を早く吸い込んだり吐き出したりするのに慣れていません。やり過ぎないように徐々に回数を増やしていくようにしましょう。
- めまいがしたらすぐに呼吸法を中止してください。気分が悪くなったら続けないようにしましょう。反復的に胃の中に酸素が出入りすることで疲れてしまうことがあります。最悪の場合死に至ることもあるので無理は決してしないでください。
- あなたの体の声をよく聞いて下さい。常に健康的な方法で訓練することが重要です。
禁忌
妊娠中または月経中の女性には適していません。てんかん、高血圧、肺気腫、心臓に問題がある人にもお勧めできません。
火の呼吸は精神的能力と肺活量の両方を向上させる健康に非常に良いテクニックです。
ただし、始めたばかりの時は慎重に行う必要があります。前にやったことがあるけれど、もう少し呼吸を早めようと思っている場合も注意してください。ヨガで大事な事は忍耐を持って行うということです。たった1日で効果は現れません。忍耐深く続けることでその効果は徐々に現れるでしょう。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Brown, R. P., & Gerbarg, P. L. (2009). Yoga breathing, meditation, and longevity. In Annals of the New York Academy of Sciences. https://doi.org/10.1111/j.1749-6632.2009.04394.x
- Derek B. Johnson, Mathew J. Tierney, Parvis J. Sadighi. 2004. Kapalabhati Pranayama: Breath of Fire or Cause of Pneumothorax?: A Case Report. Chest. https://doi.org/10.1378/chest.125.5.1951.
(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S001236921532198X) - Vijaya Kavuri; Nagarathna Raghuram; Ariel Malamud; Senthamil R. Selvan. 2015. Irritable Bowel Syndrome: Yoga as Remedial Therapy. Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine. https://www.hindawi.com/journals/ecam/2015/398156/
- Sahasi, G. (1984). A replicated study on the effects of yoga on cognitive functions. Indian Psychological Review, 27(1-4), 33–35.
- Florence Villien, Melody Yu, Pierre Barthélémy, Yves Jammes. 2005. Training to yoga respiration selectively increases respiratory sensation in healthy man. Respiratory Physiology & Neurobiology. https://doi.org/10.1016/j.resp.2004.11.010.
(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S156990480400326X) - Ansari R. M. (2016). Kapalabhati pranayama: An answer to modern day polycystic ovarian syndrome and coexisting metabolic syndrome?. International journal of yoga, 9(2), 163–167. https://doi.org/10.4103/0973-6131.183705
- Masaoka Y., Kanamaru A., Homma I. (2001) Anxiety and Respiration. In: Haruki Y., Homma I., Umezawa A., Masaoka Y. (eds) Respiration and Emotion. Springer, Tokyo. https://doi.org/10.1007/978-4-431-67901-1_6
- Brown, R.P. and Gerbarg, P.L. (2009), Yoga Breathing, Meditation, and Longevity. Annals of the New York Academy of Sciences, 1172: 54-62. doi:10.1111/j.1749-6632.2009.04394.x