他者を尊重する子供を育てるには
他者を尊重する子供たちを世界に送りだすためには、人間としての基礎を形成する幼年期に子供の人格を尊重することが大切です。
教育や子育てにはさまざまなスタイルがあります。自分の子供を育てるにあたり、親たちは自分たちの価値観に応じて、最も適切であると考える育児法を自由に選ぶことができます。
でも、だれもが決して無視してはならないことは、子供たちの幸せです。
また、大人には、子供たちにしっかりとした価値観を教える責任があります。
自分の子供を教育することは、責任のある行為であり、人生の中でも最も重要な仕事の一つと言えるでしょう。
もちろん、子育てに必死になるあまり、誰よりも完璧な親になろうと必死になったり、強迫観念に襲われる必要はありません。
今回は、他者を尊重する心を持つ子供を育てる方法についてお話します。
愛情深く、他者を尊重する子供
遺伝的にしろ環境的にしろ、さまざまな要因が子供たちの人格形成に影響していくため、親が教えようと努力することに反応を示さない子供もいます。
この世に生まれて数年で、親が子供のことを完全に理解することは不可能です。
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子供たちは、性格や個性があり、成長の過程において、アイデンティティを発達させます。
子供は親の写しではありませんし、子供の考えや行動をすべて親が決定する必要はありませんし、逆に子供もすべて親が決めた道を進む必要はありません。
親の務めは、愛情と尊敬の念を持って、子供の成長過程を見守り、子供が必要とするときにサポートを与えることです。
他者を尊敬する子供を育てたいのであれば、親が子供を尊重し、愛し、大切にすることが第一です。
子供の自然の発育を尊重しよう
1990年代、早期教育に関する議論が活発になりました。
早期教育と「加速」教育とを混同してはなりません。中には、子供が4歳になるまでに読み書きがしっかりできるようにしなければ、と思い込んでいるお母さん方がいます。
5歳児に数学の問題を解かせたり、英会話やバレエ、ピアノ、サッカーなど、いくつもの「お教室」に通わせたり……。「忙しくて遊ぶ暇がない」子供たちが増えているのではないでしょうか?
「そんなのあたりまえ」というような風潮に惑わされず、子供たちを暖かい愛の中でのびのびと育てましょう。
自由に遊ばせ、目の前に広がる世界を自分たちで発見させてあげましょう。
自ら第一歩を踏み出し、公園で走っては転び、転んでは起き上がって走り出す、そんなたくましい子供たちが育つ環境を親が整えることが大切です。
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子供自身が親から愛され、尊重されていると感じるとき、子供たちも他者を愛し、尊重するようになるでしょう。
子供たちの気持ちを理解し、感情の表し方を教えよう
親が子供に向かって声を張り上げ、「赤ちゃんみたいに泣かないの!」とか「そんなバカなことにつき合う時間はないの、ママは疲れているんだから」などと叱りつけるとき、子供の精神状態や人格形成に悪影響を与えます。
- 子供の人格を尊重する教育は、子供たちの感情の世界を正しい方向に向けさせ、自分の怒り・怖れ・不安などを理解できるように導きます。
- 自分の感情を尊重することを学ぶことは、子供たちの健康と成長とに欠かせません。それを教えてくれたことに対し、やがて親に感謝するようになるでしょう。
- 自分の話に耳を傾けてもらっていると感じ、どんな一言にもきちんと対応されていると理解するなら、子供たちは安心してすくすく成長していくことでしょう。
ただし、子供の人格を尊重する教育は、放任主義とはちがいます。
子供にとって、きちんとしたけじめを教えることは非常に大切なことです。
社会があなたに要求するように、あなたの子供たちも年齢に応じた規則や責任を受け入れられるようにならねばなりません。
子供たちに権利と責任とを教えることも、子育てにおける「尊重」の1つの表れです。
子供たちは自分の欲求不満に対処し、いつもどんなことを期待されているのかを理解できるようになるでしょう。
親が自分の感情に任せて子供を叱るのではなく、社会的なルールや人間としての基本的な責任に応じて子供を教育していくことで、子供は善悪の区別を理解します。
そして、他者を尊重する子供たちは、どうやって自分自身を尊重すればよいのかも理解することでしょう。
多くの家庭で、子供の人格を尊重する子育て法が実践されています。
愛と尊敬は子供たちの成長を導く目に見えないきずなであると、理解している親が多くいます。
子供たちは、できることとできないこと、してよいことと悪いことを理解した上で、安全に歩くことができると共に、自由に自分のペースを保てると感じる必要があります。
親として、そして大人として、子供たちの最高のお手本となるように心がけましょう。
子供たちは、言葉よりも親の行動、つまり子供が「模範」とする相手から多くのことを学びます。