心膜炎:その症状と治療について

心膜炎の症状は、心臓発作ととてもよく似ています。ですが、自然に治るか一般的な鎮痛薬で対処できることが多いでしょう。それ以上の処置が必要となるケースは稀です。
心膜炎:その症状と治療について

によって書かれた Edith Sánchez

最後の更新: 09 8月, 2022

心膜炎とは、その名の通り、心臓を包む袋のような形をした膜である心膜の炎症です。この膜は2層になっており、層と層の間には少量の液体が含まれています。この液体は、2層が前後にスライドするための潤滑油の役割をします。

この液体の量が増えると、心膜炎を起こします。それにより、心臓が詰まったり機能不全になったりすることもありますが、多くの場合は深刻なトラブルを引き起こすことはなく、治療をせずとも消えてしまうでしょう。ただしごく稀に、薬の投与や、時には手術を必要とする深刻なケースもあります。

心膜炎は、主に20〜50歳の男性に影響を及ぼします。治療が不可能な場合は、心筋を取り除く手術が行われます。それによって深刻なトラブルが起きることはないでしょう。

心膜炎の種類

組織サンプル

心筋炎には2種類あります。急性と慢性です。それぞれの特徴を以下に説明しましょう。

  • 急性心筋炎:6週間以下の短期間で突然発症します。相対頻度として心外膜液に繋がるでしょう。症状は心臓発作とよく似ています。再発する患者の割合は少ないでしょう。
  • 慢性心筋炎:心膜が厚みを帯びる、または液体が蓄積された結果として慢性の心筋炎が起こります。6週間以上続き、右心不全へと繋がることがあります。これは腹部、脛骨、足首の浮腫になります。慢性心筋炎は、線維性組織が心臓の周りに形成されたときに起き、血液を運ぶ静脈に圧力を与えてしまいます。したがって、心膜液はよどみ、体の他の部分に蓄積されてしまいます。

心膜炎の原因

心膜炎のおよそ80%は、その原因が確定できません。ですが、なんらかの感染の結果、発症することが一般的です。感染は、ウイルス性のものであることが多いでしょう。最近感染の可能性もありますが、真菌感染である可能性はごく稀でしょう。

また、以下のような病気に伴って心膜炎を発症することも多いようです。

  • 自己免疫疾患
  • 白血病を含むガン
  • エイズ
  • 腎不全
  • 甲状腺機能低下症
  • 結核
  • リウマチ熱

その他のケースでは、心臓発作や心臓の手術、胸部の外傷などが直接的な原因となることもあります。また、心膜炎は心筋の炎症、胸部放射線療法、特定の薬剤の使用などからくることもあります。

心膜炎の症状と診断

 

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急性心膜炎の典型的な症状は、強い不快感です。胸の左側、胸骨の後ろ側をナイフで刺されているかのような痛みを感じます。ですが、中には、それほど酷くない痛みを継続して感じるという人もいます。様々な程度の圧力を胸に感じるという人もいます。

左肩や首に痛みを感じるという人は多いようです。咳をした時、深く息を吸い込んだ時、就寝時は特に不快感が増すようです。座っている時や、前方に少し体を傾けていると、痛みを軽く感じるようです。

胸の痛みは、普通、慢性心膜炎の主な症状ですが、以下にあげるような症状が見られるかもしれません。

  • 心臓の動悸
  • 微熱
  • 足のむくみ
  • めまい
  • 吐き気
  • 虚弱
  • 倦怠感

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心膜炎の治療

心膜炎の軽いケースでは、自然に状態が改善します。しかし、一旦心膜炎だと診断されると、薬剤を投与した治療が始まることが一般的です。通常は、炎症を抑える薬や痛みを抑える痛み止めなどが処方されるでしょう。

炎症や再発を抑えるためにコルヒチンが処方されるかもしれません。ただし、この薬は肝臓や腎臓に病気のある人や他の薬剤を服用している人には安全ではありません。また、前述に薬剤が効かない場合は、コルチコステロイドが処方されることもあります。心膜炎が細菌感染である場合は、抗生物質が処方されるでしょう。

心臓タンポナーデの疑いがあるなど、もっとも深刻なケースの場合は、心膜穿刺術で液体を排出させる必要があるでしょう。心膜切除術や心膜の除去などはめったに必要ないでしょう。


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