死を受け入れる方法
身近な人を亡くすということは、生きていれば必ずと言っていいほど、誰もが経験する避けられない出来事です。にも関わらず、 死を受け入れる という事はとても辛くて苦しいものです。
確かに文化によっては、死を「魂の解放」という意味で祝う場合もあります。もしかすると、そういう考えを持っている人は、死を前向きに受け入れる事ができるかもしれません。しかし、ほとんどの文化では死とは「悲しい出来事」として考えられています。
死を経験すると、悲しみ、失望、怒りといった感情に支配されることもあります。そして時には、そういった感情が起きないことに対して罪悪感を感じたりもします。
しかしそれは、亡くなった人に対してでなく、自分自身がかわいそうで悲しんでいるという事はありませんか?
拒絶と喪失
どうにもならない、解決法なんてどこにも無いことなのに、人は「死」を拒み、避けつづける為、苦しんだりします。
自分にとってマイナスで嫌な人たちとの関わりや、繰り返しおかしてしまう失敗など、そういった人生の困難は受け入れようと努力する一方で、なぜ「死」を受け入れることは出来ないのでしょうか?
愛する人を癌などの病気で亡くしてしまうことを想像してみてください。あまりにも辛く悲しく、その苦しみから抜け出せないとすら感じます。
しかし、悲しみで深く落ち込んだとしても、いつかその感情にも必ず終わりが来ることを受け入れましょう。
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愛する人が病気で苦しんでいる姿を見ていても、そして生きている限りその苦しみが続くとしても、やはり死ぬよりは生き続けていてほしい、と思いますか?
死を拒絶するということは、相手の事ではなく自分の事だけを考えた、身勝手なものかもしれません。
喪失感と依存
喪失感と感情依存はリンクしています。この2つが揃うと、愛する人を失った時の喪失感から抜け出せず、自分をさらに苦しめることになります。
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本当に悲しいと感じるのは、愛する人が突然この世を去り、共に時を過ごすことが出来なくなるという事です。愛する人がいなくなったことではなく、一人取り残されたことが悲しいのです。
これはとても自分中心な感情です。これを受け入れ乗り越えた時、前へ進むことが出来るのです。
深い悲しみに苦しむ時間やそれに費やすエネルギーは、亡くなった人のためではなく、それは全て、自分の置かれた状況に対するものなのです。
しかし、「死」から逃げることは何の解決にもなりません。すなわち、正面から受け入れる他ないのです。最終的には必ずそれを乗り越えることが出来るのですから。
「命」は思うようにならない
命をコントロールすることは出来ません。何もできないまま、とても大切な人の命は失われていってしまうのです。
死を受け入れようと努力しなければ、苦しみは増すばかりです。苦痛の中に身を置くばかりでは、その苦しみは、いつしか抜け出すことが出来ないほど大きなものへと成長してしまいます。
愛する人を失ったことが、あなたの感情や状況を左右するのではありません。あなた自身が死をそのまま受け入れるかどうかが、それらを左右するのです。
もっとありのままに死について語り合いましょう。罪悪感を感じるからと、嘘の悲しみを見せる必要もありません。そうすることが、前向きに進んでいく力になるのです。
周りの目を気にする必要はないのです。
「死」と「生」を別々に考えるのは間違った考えです。「死」は誰にでもいつかは訪れる自然なことなのです。
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