卵巣嚢腫の予防と早期発見
卵巣嚢腫は、女性特有の良性の腫瘍です。健康に深刻な害を与えるものではありませんが、後で症状が悪化して弊害を起こすのを防ぐため、早めに治療するのが望ましいでしょう。一般的に思春期から更年期にかけて現れる病気で、更年期後に発症するのはまれです。
卵巣嚢腫って何?
卵巣嚢腫とは、卵巣の内側または外側にできる、分泌液が溜まってできた袋状の腫瘍です。これは女性の排卵期に起こります。排卵期には、片方の卵巣の内側に卵胞という小胞ができ、卵巣が成熟するとこの卵胞が破れて、受精への準備が整います。排卵の後はこの小胞は自然と壊れて無くなりますが、この過程が起こらなかったり、排卵の後で小胞がいっぱいになると、分泌液がたまって大きくなり、腫瘍となります。
卵巣嚢腫の原因って?
月経が不規則、不妊治療を受ける、ホルモンバランスの崩れ、また遺伝などの要因で、女性が卵巣嚢腫にかかる可能性が高くなります。
早期発見するには
一般的に、卵巣嚢腫は発見できるほどはっきりとした症状を現しません。しかし、特定の動きをする時に腹部に鋭い痛みを感じることから分かる場合があります。腫瘍が破裂して出血すると、膣内出血を起こして非常に強い痛みを感じることから、一刻も早い手当てが必要です。また、月経が始まる前や性交中に痛みを感じる場合も、卵巣嚢腫の可能性があります。
早期発見を助けるその他の症状:
・吐き気やおう吐
・乳房が敏感になる
・体重の増加
・排尿のトラブル
・腹部、下腹部の張り
・こし、ももの痛み
・痛み、熱、おう吐がおこる
日本女性心身医学会の報告でも、ある程度の大きさになるまでは自覚症状がなく、検診などで偶然発見されることも多いそうです。腫瘍が大きくなってくると、圧迫感を覚えたり、お腹が出てきたりしますが、太っただけだと思い過ごしてしまう方も多いかもしれません。腫瘍の根元がねじれたり(茎捻転)、破裂すると、突然激しい下腹部痛が現れるでしょう。
上記の症状が見られる場合は、専門家に診察を受けて下腹部を見てもらい、卵巣嚢腫があるかどうか確認することが理想的です。この病気の疑いがある場合、超音波検査やMRIで確認できます。さらに、血液検査で嚢種を取り除くべきかどうか決められます。
卵巣嚢腫の予防法
卵巣嚢腫の形成を予防するには、家で簡単にできることがいくつかあります。
健康的な食生活を送る
この症状の予防法そして対処法として、胃にかかる圧力を下げるために食物繊維と水分を多く含んだ食事をすることが理想的です。さらに、ビタミンとミネラルを多く含んだ食べ物、特に亜鉛、ビタミンB、Cが多い物を摂ることが推奨されています。
お湯で圧定布
腹部に痛みがある場合、腫れを治めて痛みを和らげるために、お湯で当て布をすると良いでしょう。
リラックス効果のあるお茶を飲む
腹部の痛みや張りといった症状が出る場合は、カモミール、ミント、もしくはラズベリーの葉のお茶を飲むと良いでしょう。こういったお茶はストレスに効果があり、心を鎮めてくれるため夜寝る前に飲むのに最適です。
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水を飲む
水をこまめに飲むというと、ごくシンプルな習慣に聞こえますが、体に十分な水分を与えて卵巣嚢腫を予防してくれる重要なものです。少なくとも一日にコップ8杯の水を飲むことが勧められています。
タンポポティーを飲む
たんぽぽはその利尿効果が良く知られており、肝臓をきれいにし、毒素を排出し、さらにホルモンのバランスも整えてくれます。こういった効果から、卵巣嚢種を予防するのに理想的なのです。
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定期的に運動する
運動はホルモンサイクルを整えて、生理痛を和らげてくれるだけでなく、様々な点から健康維持に欠かせません。良く運動する人は月経が不規則になりにくく、嚢種の形成を防いでくれることが確認されています。
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