熱が体に及ぼす6つの影響
熱が体に影響を及ぼすと、体温を調節できなくなってしまいます。体温が正常に保たれなくなると、命に関わるような状況にも陥ります。
人間は、体温を36.5℃前後に保つシステムを持っています。この体温下で、人間はそれぞれの臓器の機能を正常に保つことができるのです。体温が変わると望ましくない影響が現れます。体温が大幅に変化すると、病的症状が現れます。低体温や熱中症は死に繋がる危険もあります。
体は熱の影響をどうやってコントロールするか
体は、熱に対して以下の2つのメカニズムを持っています。
- 皮膚への血流を増やす:皮膚の血管拡張を引き起こしながら、体は外気との熱交換を生成します。臓器に影響を与えないように熱を逃がします。
- 発汗:蒸発させることによって熱を逃がします。汗が蒸発すると、体が冷えます。人間の体には汗腺があり、一時間に1/2リットルまでもの汗を排出することができます。
気温が35℃以上と高くなりすぎると、汗が出てきますが、汗を通して水分や塩分が排出されていることに体が気づくと、これは脱水を引き起こすので、体は発汗を止めます。
汗をかくことは、熱に対する体の防御メカニズムの一つです。
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熱が体に及ぼす影響
口臭
脱水は体の全ての組織に影響を与えます。影響を受ける組織の一つが、口腔粘膜です。口腔粘膜が乾燥すると唾液が不足し、口が乾燥します。 唾液がないと、防御メカニズムの一つが消耗し、細菌が増殖します。そして、細菌の繁殖は口臭の原因となります。
熱けいれん
汗をかくことで出て行くのは水分だけではありません。塩分や電解質も排出されます。人間の体の細胞が機能するには電解質が必要です。塩分を最も必要とする組織の一つが筋肉組織です。
従って、大量に発汗し電解質をたくさん失うと、四肢の筋肉けいれんを引き起こします。これは危険サインです。熱けいれんを起こしているときは、身体的活動をすぐにやめ、水分を補給しましょう。もしこの段階で予防できなければ、次の段階は、熱疲労です。
熱疲労
必要な予防策が取られなかった場合、水分や塩分を失ったことから熱疲労が起こるでしょう。特に、体を使っていた状況で熱疲労が起こりやすいでしょう。
熱疲労の症状は以下のようなものです。
- 頻脈
- 全身疲労
- 炎症
- 過呼吸
- 低血圧
日射病
日射病は熱疲労とよく似た深刻な状態です。その違いは、日射病は日光に長時間晒されることによって起こるという点です。日射病にかかるのは、長時間日光に当たることによって正常なメカニズムが働かなくなることが原因です。
その症状は以下のようなものです。
- 頭痛
- 倦怠感
- 吐き気や嘔吐
- 喉の渇き
長時間日光を浴び続けると、日射病になる危険があります。
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熱失神
熱失神には様々な原因があります。その一つは、熱が体にもたらす影響でしょう。過剰な熱は血管拡張や血液の再分配を引き起こします。脳への血流が減少するでしょう。
熱失神は、脳へ正常に血液が送られるのが妨害されてしまう、とても深刻な状態です。脳に十分な血液が送られないということは、脳や体のメカニズムをコントロールする中枢神経系が酸素を十分に受け取ることができないということです。
このメカニズムを調節するには、体を横たえ、脳に血液が流れる体勢にすることです。熱失神の症状は、立ちくらみや目眩です。一般的に、視界がかすみ、ぐらつくことから始まることが多いでしょう。体をまっすぐ横にすることで、脳に血液が到達しやすくなるでしょう。
熱中症
熱による影響で最も危険なものは、熱中症です。緊急の医療的措置が必要となりますし、死に繋がる危険性もあります。
最初の症状は、熱疲労や日射病です。熱疲労の最初の症状が短時間で治らない場合、熱中症へ繋がるでしょう。
体温が40℃以下の場合、体の防御メカニズムが働きます。体温が40.5℃以上になると、このメカニズムは機能しません。この状況では細胞は活動せず、多臓器不全を引き起こすでしょう。
熱による体への影響を防ぐには
熱による体への悪影響を避けるためには、基本的なことを押さえておくことが大切です。暑さぐらい、と思わず、きちんと熱対策をしましょう。予防することが大切です。
- 水分補給をこまめに、しっかりする
- 帽子などでの保護なしに長時間直射日光を浴びない
- 熱射病やけいれんの症状がある人は、仕事やエクササイズを控える
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