マタニティマッサージの4つの利点とは?
他のマッサージと同様に、マタニティマッサージは心身のリラクゼーション、痛みの緩和、そして妊婦さんを気持ち良くすることを目的としています。しかし、その利点についてはご存知でしょうか?
マタニティマッサージ
通常のマッサージとマタニティマッサージの唯一の違いは、マタニティマッサージは妊婦さん向けであるということです。このマッサージでは、妊婦さんに生じる変化が考慮されています。そのため、マッサージ師はその変化に合わせてマッサージを行うことになり、妊娠中の重心の移動によってもたらされる首、背中、肩への大きなストレスを軽減する内容となっています。また、体重増加による腰への負担も緩和してくれるでしょう。
マタニティマッサージの目的は、筋肉や身体をほぐすことで不快感や痛みを軽減させることです。また、他のマッサージと同様に気分を良くし、リラックスさせ、そしてストレスや緊張を解放させることも目的としています。
マタニティマッサージの利点
1.ストレスや不安を軽減する
マタニティマッサージの後には、妊婦さんのストレスレベルが低くなり、快適な睡眠を与えてくれるでしょう。
マタニティマッサージが妊婦さんのストレスや不安を軽減する効果があることはさまざまな研究で明らかになっています。実際、5週間にわたって20分間のマタニティマッサージ受けたボランティアの妊婦さんは、初回からストレスが軽減したと報告しています。
これらのマッサージを受けた妊婦さんたちは、気分が改善し、不安が軽減され、そして快適な睡眠がとれたことを示しました。さらに、これらの利点は産後うつになる可能性を下げることもできます。
こちらもご参考に:新生児仮死につながる可能性のある危険因子
2.腰痛を軽減する
妊娠中の最も一般的な悩みの1つとして背中や腰の痛みがあります。体重の増加により筋肉に負担がかかり、痛みをもたらします。また、赤ちゃんの成長と共に子宮も大きくなって重心が移動するので、妊婦さんの姿勢が変わります。その結果、背中や腰の痛みを引き起こすのです。
マタニティマッサージはこれらの筋肉の緊張をほぐし、リラックスさせることができます。いくつかの研究では、このマッサージが腰痛の軽減に役立つことが示されています。
3.足の痛みを軽減する
足のマッサージは、体重増加やむくみによる足への圧を軽減するのに役立ちます。
腰痛のように、足のむくみに悩まされている妊婦さんは多くいます。妊娠後期には特にこの症状に悩まされることが多いでしょう。妊娠中には血流が増加し、体重増加が静脈と動脈を収縮させます。そのため、むくみや疲れだけでなく、足の疲れやさらにはこむら返りに悩まされている妊婦さんが多いのです。
この不快感を防ぐためには、体の水分レベルを保ち、座りがちな生活を避けるために歩くといいでしょう。また、筋肉をリラックスさせたり、ストレッチさせたりすることが推奨されています。マタニティマッサージには、リラックス効果だけでなく、足を含めた全ての筋肉をほぐすことを目的としているので、これらの症状の改善にも役立つのです。
4.早産リスクを下げる
妊娠中のうつや不安は、胎児に影響を与えたり、早産のリスクを高める可能性があります。いくつかの研究では、マタニティマッサージがコルチゾール値を下げることを示しています。このホルモンが下がることによりストレスや不安が軽減し、 うつ病を緩和させることができます。
実際、マタニティマッサージを受けたうつ気味の妊婦さんは早産リスクが減少しました。さらに、効果は妊婦さんのみならず、マタニティマッサージを受けた妊婦さんの赤ちゃんのコルチゾール値も下げることできると明らかになっています。
こちらもご参考に:産後うつ病をコントロールするためのヒント
マタニティマッサージで気を付けたいこと
どのようなマッサージを受けるべきか、またマッサージがあなたにとっていいかどうかを医師に相談してみましょう。
マタニティマッサージには多くの利点があり、健康リスクはほとんどありませんが、次のような場合には推奨されていません。
- 多胎妊娠および危険を伴う妊娠の場合
- 高血圧および心臓の問題がある場合
- 出血や胎盤剥離がある場合
- 嘔吐、熱、下痢といった症状がある場合
そのため、マタニティマッサージを受けるかどうかを判断する前には、
- 医師に相談しましょう。そして、どのようなマッサージがいいのか、どの箇所をマッサージしてもらうべきなのかを尋ねてみてください。
- マタニティマッサージ専門のマッサージ師に相談しましょう。妊婦さんへのマッサージの仕方、マッサージする部分、マッサージの強さ、そしてマッサージの体勢を熟知しているのは、専門家のみです。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Tiffany Field, “Pregnancy and labor massage”, Expert Rev Obstet Gynecol. 2010 Mar; 5(2): 177–181.
- Grote NK, Bridge JA, Gavin AR, Melville JL, Iyengar S, Katon WJ. “A Meta-analysis of Depression During Pregnancy and the Risk of Preterm Birth, Low Birth Weight, and Intrauterine Growth Restriction”. Arch Gen Psychiatry. 2010;67(10):1012–1024. doi:10.1001/archgenpsychiatry.2010.111
- Tiffany Field et al. “Massage therapy reduces pain in pregnant women, alleviates prenatal depression in both parents and improves their relationships”, Journal of Bodywork and Movement Therapies (2008) 12, 146–150
-
T. Field, M. Hemandez-Reif, S. Hart, H. Theakston, S. Schanberg & C. Kuhn (1999) “Pregnant women benefit from massage therapy”, Journal of Psychosomatic Obstetrics & Gynecology, 20:1, 31-38, DOI: 10.3109/01674829909075574