骨粗しょう症をふせぐ食生活

骨粗しょう症とは、骨の中がスカスカになってもろくなり、骨折やケガをしやすくなる病気のことです。その症状は全身の骨におよびますから、発症を防ぐための手段を講じることがたいへん重要です。

男性よりも女性の方が骨粗しょう症にかかりやすい、と医師たちは声をそろえて言います。これは、女性の方がもともと骨が細く骨密度が低いうえ、更年期に起こるホルモンバランスの変化が、骨密度をさらに低下させてしまうためです。

以下、骨粗しょう症をふせぐ食生活に欠かせない栄養素についてお話します。

 

カルシウム

オレンジジュース

骨粗しょう症の治療と予防に最も大切な栄養素はカルシウム。ご存知のように、カルシウムは骨や歯の主成分ですが、カルシウムの役割はそれだけではありません。筋肉を収縮させたり、神経の伝達を助けたり、免疫システムを活性化させたりと、身体機能を維持するためになくてはならないミネラルなのです。

ヘルシーでバランスのとれた食生活を実践していないと、体は骨から必要な栄養素を得ようとします。単に1日だけきちんと食事を摂れなかっただけで、またすぐいつものよい食習慣に戻ったのならば、大きな問題にはなりません。そういう場合は、少し余分にカルシウムを摂って、骨が失った分を埋め合わせてやればよいのです。けれども、ふだんから栄養的に乏しい食生活を送っていると、この埋め合わせが効きません。体は骨からカルシウムを奪い続け、そのうち骨粗しょう症を引き起こす結果となるでしょう。

私たちの骨の強度と密度がピークに達するのは30歳のころ。ですから、子供も大人も、体が必要とする十分な量のカルシウムを摂取することが大切です。特に女性は、更年期にさしかかるとホルモンのバランスが変化するため、骨密度が低下します。骨粗しょう症にかかりやすくなりますから、カルシウムの摂取が必要不可欠となります。

理想的な1日のカルシウムの摂取量は1000〜1200ミリグラム。これだけの量をカバーするサプリメントがたくさん出回っていますが、自然の食品からカルシウムを摂ることが大切です。サプリメントを利用している方は、2500ミリグラム以上のカルシウムを摂らないよう気をつけてください。カルシウムの過剰摂取は腎臓結石をまねくほか、ミネラルの吸収をさまたげる可能性があるからです。

カルシウムを豊富に含む食品は、イワシの缶詰・卵・干しイチジク・オレンジ・ヒヨコ豆・貝・ニンジン・松の実・玉ネギ・カルシウム強化豆腐・低脂肪牛乳などです。

 

ビタミンD

カルシウムは骨の健康に必要不可欠ですが、ビタミンDがなければ骨粗しょう症をふせぐのに役立ちません。ビタミンDは、骨はもちろんのこと、カルシウムを必要としている体の各部分にカルシウムを運ぶ手伝いをしてくれるのです。大人の場合、ビタミンDが不足すると、体は必要なカルシウムを骨から得ようとしますが、補充することはありません。そのため、骨粗しょう症が発症しやすくなるのです。

ビタミンDは、1日に800 IU摂取することをおすすめします。ビタミンDが豊富な食品は、サケ・イワシ・ビタミンD強化牛乳・豆乳・ビタミンD強化ヨーグルト・卵の黄身・マッシュルームなどです。

 

 マグネシウム

マグネシウム1

マグネシウムは体内でさまざまな働きをします。その1つは、カルシウムの吸収をうながすこと。適量のマグネシウムを摂取すると、骨密度を高め、骨粗しょう症と骨折をふせぐのに役立つという研究結果が出ています。カルシウムとビタミンDを含むサプリメントには、通常マグネシウムも含まれています。これはカルシウムの吸収を助けてくれますが、同時に胃の不具合を引き起こします。

マグネシウムのサプリメントは必要ありません。次に挙げる食品のいくつかを毎日の食生活に加えるだけで十分です:カボチャの種・ほうれん草・アマランス・ひまわりの種・アーモンド・じゃがいも・豆類・ピーナッツ・ピーナツバター・全粒粉のパン・ごま。

 

カリウム

カリウムには、骨の生成をうながす・カルシウムのバランスを改善する・骨密度を高める・代謝酸が引き起こす骨密度の低下を軽減するなどの働きがあります。3000人の閉経前と後の女性を対象にした研究では、閉経前にカリウムの摂取量を増やした人たちは、骨密度を8%向上させたそうです。

研究者たちは、この結果にはくだものや野菜がもつ天然成分による恩恵もかかわっていると言いますが、カリウムが骨粗しょう症予防に一役買っているのは明らかです。

カリウムを豊富に含んだ食品には、ジャガイモ・ヨーグルト・大豆・魚・サツマイモ・アボカド・バナナ・レタス・ほうれん草・メロン・カボチャ牛乳・ニンジン・レンズ豆・桃・パパイア・ピスタチオ・豆乳・スイカ・トマト・マッシュルーム・干しぶどう・ピーナツ・アーモンド・オレンジ・ブロッコリー・ひまわりの種などがあります。

 

ビタミンK

ブロッコリー

ビタミンKは、骨の中にのみ存在するタンパク質であるオステオカルシンの生成に欠かせません。これまでの研究で、ビタミンKの摂取量が多い人は、骨折や骨粗しょう症にかかる可能性が低いことがわかっています。ですからビタミンKを十分摂ることが大切です。ただし、サプリメントの利用を考えていらっしゃる方は、まずかかりつけのお医者様に相談なさってください。

ビタミンKを含む食品は、ほうれん草・ケール・スイスチャード(フダンソウ)・キャベツ・エンダイブ・からし菜・レタス・ブロッコリー・パセリ・芽キャベツ・クレソン・アスパラガスなどです。

 

タンパク質

タンパク質は骨粗しょう症のリスクを高めると考えている人が大勢います。タンパク質を食べれば食べるほど、より多くのカルシウムが尿に排出されるからです。しかし科学者たちの研究によると、問題はタンパク質の摂りすぎであって、タンパク質自体ではないことがわかっています。

実際、タンパク質は骨を強くするために必要な栄養素の1つ。肉・魚・卵・豆類・ヒヨコ豆・大豆・クルミなど、じょうぶな骨を作るのに欠かせない食品に含まれています。ただし脂肪を多く含む食品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)は、毎日食べない・少量摂るなど、控えめにしておきましょう。

骨粗しょう症を予防する食生活と言っても、あまりキチキチに栄養を制限したり、ふだんの食事をガラリと変えてしまったりしないよう気をつけましょう。ご覧のように、バランスのとれた食生活を実践すれば、あなたの骨の健康を守るために必要なミネラルとその他の栄養素を、十分摂ることができるのです。