女性に多い:脊柱側弯症
脊柱側弯症とは、脊椎が曲がってしまっている状態を指します。
日本側弯症学会のサイトでは「脊柱は頚椎(首の部分)、胸椎(胸の部分)、腰椎(腰の部分)、そして仙椎・尾椎から成り立っています。脊柱を横から見ると、頚椎、腰椎は前方に弯曲(前弯)、胸椎は後方に弯曲(後弯)しています。脊柱を正面から見た場合に、左右に曲がっている状態を脊柱側弯症といいます。」と定義されています。
脊柱側弯症とは先天的な問題で、昔ながらの装具療法を行う事によって治療することができます。
また骨粗しょう症の症状の1つとして脊柱側弯症を発症する人も増えています。
更年期を迎えた女性は、特に脊柱側弯症を発症するリスクが高いと言われており、X線ではっきりと背骨がCやSの形に曲がっているのが分かるほど曲がるのが特徴です。
痛みを伴い姿勢の軸も崩れ、場合によっては、脊柱が内側に入ったり、一方にずれるなどの深刻な症状へと進行することがあります。
今回は、多くの患者さんがいるにも関わらず、あまり語られない脊柱側弯症の症状と治療についてご紹介します。
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女性に多い脊柱側弯症
生まれつきの脊柱側弯症は、男子よりも女子が多いと言われています。
大人になってからも、男性よりも女性の方が、骨や関節に問題が生じる確率が高いのが事実です。
脊柱側弯症は、更年期になると症状が強く出てくる可能性があると言われてきましたが、先ごろAmerican Journal of Neuroradiologyで発表されたジョンホプキンス病院で行われた研究で、この事が明らかにされました。
また、この調査研究の結果では、脊柱側弯症のほとんどのケースが軽度のもので、中度から重度の患者さんは17%に満たないと言う事です。
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脊柱側弯症の原因
大人が発症する脊柱側弯症は、退行性脊柱側弯症と呼ばれています。
- 主に大人の脊柱側弯症は、65歳を過ぎてから発症する
- 女性は40歳から50歳で症状が現れる事がある
- 女性の場合、更年期のせいで骨や関節の質、強さ、抵抗力に影響がでる
- また、骨粗しょう症や関節炎は、背骨の小さな関節に局部的に起きる事も忘れてはいけません
退行性脊柱側弯症の症状
初期段階では、側弯症とは分かりにくく、靭帯に何かしらの問題が生じていると思ってしまう方が多くいます。ところが、少しずつ背骨の間が麻痺し始め、腰のあたりに指すような痛みが出たり、手足に痺れが生じたりします。
ひどい疲れを感じる事が多くなったり、時には呼吸が難しくなる事もあります。
朝に痛みがひどくなり、特に座っている時に痛みが増す事が多く、動かない状態でいると痛みを強く感じます。
痛みなどの症状の他にも、背骨の1部がずれている、一方の肩が上がらない、猫背になっている、身長が少し低くなったなどという症状もあります。
退行性脊柱側弯症と若年性特発性脊柱側弯症の違い
脊柱側弯症は、10歳から18歳の思春期に発症する事がありますが、この場合、原因が分からない事が多いのですが、側弯症のほとんどが先天性のものであると言われています。
ところが、退行性脊柱側弯症には明らかな原因があります。ここで大切なのは、背骨の異常は、年々少しずつ悪化し続けると言う事です。
大人に対しての側弯症の治療
手術での治療ではなく、まずは手術以外にも様々な方法での治療が考えられます。
医師と相談した上で、最善の治療方法を見つけると良いでしょう。
- 薬理学的治療:痛みを抑える薬はいくつかあります。中にはよく耳にするイブプロフェンやアセトアミノフェンなども含まれています。これらは、関節の炎症を抑えてくれる効果もあります。その他にも、硬膜外麻酔も選択肢の1つです。
- 理学療法:この療法に関しては、運動療法や水中運動療法、カイロプラクティックなどの様々な筋骨格系の疾患に効く治療法があります。
1つの治療法だけにこだわらない事も大切です。
側弯症のせいで、毎日の生活に支障が起きてしまわないように、専門家の意見を聞いて色々な治療法を取り入れてみて下さい。
医療は日々発展し新しい治療法もどんどん登場します。
症状を軽くし毎日を楽しく過ごせるように、様々な治療に挑戦してください。
引用サイト:日本側弯症学会
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