慢性的な倦怠感の6つの原因
慢性的に倦怠感を感じるというのは、身体的・精神的努力を必要とするアクティビティを行う強さが欠けているという証拠でもあります。
その倦怠感がちょっとしたものなのか、激しいものなのかはその倦怠感の原因やその人の身体的キャパシティによります。
だらだらとした生活を送っている人や肥満の人は、より激しい不快感を感じるでしょう。たとえ、ちょっと散歩に出かけるというようなことでもダルいと感じるのです。
また、原因は不健康な生活習慣や肥満だけではありません。きちんとエクササイズをしていても慢性的な倦怠感を引き起こす要素はあるのです。
今日は、慢性的な倦怠感を引き起こす6つの要素について見ていきましょう。
1. 甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症とは、体の代謝を正常に保つためのホルモンを甲状腺が十分に生成できない時に起こる状態です。
甲状腺機能低下症は疲れや倦怠感の主な理由の一つで、きちんと休んでいても常に体が弱く感じ、元気がでません。
甲状腺の機能を変えてしまう甲状腺機能低下症を疑うポイントは2つあります。
- 負担の少ない簡単な活動の後でさえも、何もしたくないように感じる
- どんなことをしても元気になれない、エネルギーがないと感じる
2. 貧血
貧血とは、血液中の赤血球が減ってしまうことから起こる状態です。赤血球は体内で酸素を輸送する働きを担っています。
酸素が脳や組織に行き渡らなくなると、身体的・精神的に疲れを感じ、弱くなったように感じるでしょう。
貧血になると、疲れの他に以下のようなサインが表れます。
- 肌が青白くなる
- 安静時心拍数が高くなる
- 爪が割れやすくなる、髪が切れやすくなる
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3. 心不全
心不全は、心臓が体の他の部分に対して十分に血液を送り出すことができない時に起こります。
循環を妨害するため、細胞内の酸素が少なくなります。つまり、体が弱くなったように感じ、倦怠感を覚えるのです。
最初の段階では、適度な活動を行った時に疲れを感じるといった程度でしょう。ですが、時間が経つにつれ、慢性的な倦怠感を感じるようになります。歯を磨くなどの簡単な動作でも疲れを感じようになるでしょう。
心不全からくる倦怠感は以下のような症状を伴うことが多いでしょう。
- 手足のむくみ(浮腫)
- 体を使った時、または休んでいる時でも息が切れる
- どんな小さなことでも頑張れる気がしない
- 高血圧
- 循環トラブル
- 脚が重く感じる
- 胸が引きつるような痛み
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4. 糖尿病
糖尿病は血液中にブドウ糖が過剰に蓄積されることから起こります。インスリン不足のせいなのか、インスリン耐性があるからなのか、どちらにしても、細胞がエネルギーを生み出すためにインスリンが使われていないのです。
糖を十分に受け取っていないと、体の細胞は”お腹が空いた”と感じます。細胞が正しく機能していない時、痛みのある症状を引き起こすのです。
糖尿病かもしれない場合、倦怠感の他に以下のような症状が見られるでしょう。
- 喉の渇き
- 突然体重が減る
- 尿に変化が現れる
- 脚が弱くなる
5. 睡眠障害
嫌な夢を見てよく眠れなかった翌朝、身体的な疲れを感じ、活動的になれず、集中するのが難しいのは当たり前のことです。
良い睡眠を得ること(連続して7時間以上)は体を回復させる上で欠かすことができません。
眠りにつきにくい夜、朝までぐっすり眠れずに途中で起きてしまうという夜が何度かあるのなら、慢性的な疲れが溜まっているのかもしれません。
この場合、以下のような症状も伴うでしょう。
- 日中の眠気
- 睡眠時無呼吸症候群
- 夜、眠りに落ちにくい
- 寝ても体が回復しない気がする
6. 鬱
鬱は精神疾患で、その主な症状として、急激な気分の変化が挙げられます。鬱に苦しむ人は、悲しみを覚えやすく、自己愛が低く、エネルギーに溢れていません。
鬱を無視すると、身体的、精神的結果をもたらす慢性の病気へとつながるでしょう。
もし鬱であるなら、慢性の倦怠感に加え、以下のような状態が現れるでしょう。
- 落胆、意気消沈
- 自己愛が低い
- 深い悲しみを感じる
- ストレスや不安感
- 社会的孤立
- 日々の活動に対しての興味を失う
あなたは常に疲れを感じていませんか?毎日のちょっとした活動をするためのエネルギーすらないと感じることはありませんか?
こういった症状に思い当たる節がある人、日々なんらかの不快感を感じる人は専門医に相談し、他の病気が隠れていないか調べましょう。
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