アンナ・カレーニナ症候群:愛の犠牲者

アンナ・カレーニナ症候群に陥っていませんか?行き過ぎた情熱の危険性とは何でしょう?
アンナ・カレーニナ症候群:愛の犠牲者

最後の更新: 01 12月, 2018

レフ・トルストイは、アンナ・カレーニナという世界的に有名な古典小説を書きました。この小説は、常に悲惨なエンディングを迎えてしまう情熱的で激しく、危険な愛を表現した代表作として浸透しています。

ところで、アンナ・カレーニナ症候群というものを論じる時、これはこの小説の主人公に起こるとても劇的な結末に起因しているわけではありません。それよりも、この小説で表現されている過度な愛情や情熱、執着といった、恋に落ちた時に経験する感情の事を指しており、これらは時に私たちを自らの限界を超えた愛の惨劇に引き込みます。

この記事では、私たちに恩恵よりも痛みをもたらしてしまう、こうした行き過ぎた情熱の危険性について議論したいと思います。そして、しつような恋愛関係がなぜ健康に害になるのかを説明します。

 

アンナ・カレーニナ症候群:情熱的な愛とその危険性

過去にとても情熱的な愛を経験した人は、失う事の痛みを知っているにもかかわらず、また新たな情熱的な愛に浸りたいと望む、と言われています。強い感情は私たちに「生きている」と感じさせてくれます。強い感情は、「あなたと私」という関係性を築き上げる際の惹かれ合う感覚や相互への忠誠心、執着や性欲といった感覚に内在し、それらは絡み合っています。

しかし、そこには留意すべき様々な危険が潜んでいます。

  • アンナ・カレーニナ症候群に苦しむ人たちは、大きな災難を経験しています。彼らは厳密には強迫性感情障害として知られる、自らのコントロールを失ってしまう状態に苦しんでおり、完全な中毒状態となることで自らの限界が見えなくなってしまいます
    私たちは、愛する人をもつと、自分を失う事があります。愛する人に嫌われないために、自らのアイデンティティーを放棄し、自分の操縦桿を愛する人に譲ってしまうのです。
  • 疑いや、浮気されたり捨てられたりするのではないかという恐怖感、愛する人が常に側に居てはくれないという寂しさ、自分は相手に尽くしているのに相手から自分への愛が足りないという考え、こうした苦しみを感じる愛なら、それは本当の幸せをもたらしてはくれません。
  • 少しずつ、私たちは自尊心や誠実さ、感情的なバランスを失っていきます。過度な愛情表現によって自らの人生を他人を中心にして回すことによって、最終的には自分の人生を失ってしまいます。それほど破壊的な事は他にありません。

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情熱的な愛をどうコントロールするか

アンナ・カレーニナ症候群

初期の恋愛関係では、説明のできない強い情熱を抱くのは正常なことです。しかし、危険なアンナ・カレーニナ症候群に陥らないために覚えておくべき事柄があります。以下のポイントを熟考しましょう。

  • パートナーに対して、「自分とのギャップをなくす」或いは「自分の一部になってもらう」という考えを抱かないこと。あなたの人生の目的が単に、より良い自分の一部を見つけることであってはなりません。私たちがまず成すべきことは、しっかり個人として自立し、成熟さとバランスを兼ね備え、個人として幸せであることができ、同時に他人に幸せをもたらすこともできるように、内的に成長することです。あなたの空虚感や恐れを埋めるために他人を求めないでください。互いに成長し合えるようなパートナーシップを築いてください。

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  • あなたの自由を制限するような恋愛関係には注意してください。それはあなたの成長を阻害し、誠実さやあなたを特徴付けるものを失わせます。愛は前へ進むことや成長であり、失ったり限界が設けられることではありません。そして執着は決して良いものではありません。それはあなたの人生に限界を設けます。あなたが他人を人生の最優先事項として設定するとき、あなたは何かを失うでしょう。あなたは自分の趣味や交友関係を隅に置き、自分の価値観まで置き換えてしまいます。それは決して良くはありません。アンナ・カレーニナのアレクセイ・ヴロンスキーに対する行き過ぎた愛を思い出してください。とうとう彼女は自分の息子すら置きざりにしてしまったのです。
  • 盲目的な愛に走らないこと。開かれた心と開かれた目で愛を捉え、自分という自覚をもった上で他人を愛し、同時に、パートナーがあなたに行うこと全てを見ましょう。彼はあなたを尊重していますか? 彼はあなたの話に耳を傾け、理解しようとしてくれますか?彼はあなたが個人として成長する事を助け、同時に2人の関係も成長していくよう助けてくれますか?
    真の愛は執着ではありません。真の愛は日々の幸せであり、お互いがどう問題を解決するか分かっており、互いの話を聞き、互いの希望を尊重し、嫉妬や不信、強制等がないものです。

今日、アンナ・カレーニナ症候群は決して珍しいものではありません。是非、情熱的でありながら、しかし盲目ではない愛を心がけてください。


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