糖尿病患者に起こる性機能障害について
性機能障害は、糖尿病患者に頻繁に起こり、男女のどちらにも均等に影響すると考えられています。
糖尿病を発症すると血糖値が上昇しますが、この時に神経と血管の両方にダメージを与えるため、性器にも影響を及ぼします。
これは、性的刺激への身体の反応が、神経系と循環系と密接に関係しているためです。
今回の記事では、糖尿病を発症している男女に起こる性機能障害について詳しく学びます。
糖尿病の男性の性機能障害
勃起不全
勃起不全は、糖尿病の男性に起こる最も一般的な性機能障害です。
勃起不全とは、性的刺激を受けた後でも永続的に勃起が起こらないことを指し、糖尿病に関係なく、40歳~70歳の男性の約半数に見られます。
尿道の上にある陰茎上部には海綿体と呼ばれる構造があり、性的刺激を受けると血液が入るようにリラックスします。
その後、陰茎が拡張して勃起が続きますが、このプロセスの一部が遮断されたり変化が起きると、勃起不全を引き起こす可能性があります。
糖尿病は、勃起不全に様々な形で影響を及ぼします。
動脈を遮断するため、性器への血流が損なわれて神経と陰茎の感度を変更します。
糖尿病患者は、勃起不全が起こったら、できる限り早く医師に知らせるようにしましょう。
医師が、勃起不全の薬を処方するケースもありますが、最善の改善方法は血糖値をコントロールすることです。
血糖値をコントロールするだけで、勃起不全につながる可能性のある神経や血管の損傷を防ぐことができます。
糖尿病の女性の性機能障害
女性の性機能障害は、男性の性機能障害ほど研究は進んでいませんが、これから説明する問題は、糖尿病が原因の神経と血管の損傷に関係している可能性があります。
性器の潤い不足
膣内の潤いが不足するのは、糖尿病を発症している女性の間で一般的な性機能障害です。
潤いが不足すると、性交中の痛みや刺激を引き起こして、喜びを感じることができなくなります。
血糖値が高いと脱水症状が起こり、膣の乾燥が起こるからだと考えられています。
性欲減退
性的欲求が主な性的反応であり、性的興奮とそれに続くオルガズムへとつながります。
高血糖になると、糖尿病患者、特に女性患者は、重度の疲労を感じて性欲低下の原因となります。
性欲が減退することで、満足のいく性的関係を維持するのが不可能になるでしょう。
膣痙攣
膣痙攣は、骨盤底筋の不随意の収縮により、膣の全体的または一部が引き締まる状態を指します。
多くの場合、膣内の潤いが不足していることが原因と考えらますが、感覚神経障害が起こった結果、膣の感度に変化が現れたことが原因である可能性があります。
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無オルガズム症
無オルガズム症は、適切な性的刺激を受けた後に、オルガズムに達することができない状態です。
糖尿病は、無オルガズム症の直接的な原因ではありませんが、性的欲求と潤いの欠如に関連しています。
この状況は、性交中に痛みや不満ばかりが生じて、オルガズムに達することができなくなります。
前述のほとんどの場合、高血糖が膣感染症を発症する素因を増加させると言われています。
これは、膣内に異常な分泌物、痛み、かゆみ、過敏症を引き起こし、セックスそのものも非常に不快になります。
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