帝王切開手術前後のケア

5月 1, 2019
帝王切開の前後は、母親と赤ちゃんの両方を感染症や合併症から守るためにも、特別なケアを行うことが大切です。

帝王切開とは外科手術の一つであり、赤ちゃんを取り出すために腹部と子宮を切開します。

現在では、普通分娩中に赤ちゃんや母親が危険な状態になった時や、普通分娩が難しい様々なケースの妊娠の際に行う最も安全な処置であると言われていますが、外科手術である以上、十分な注意が必要です。

帝王切開手術は、会陰切開術とは異なります

会陰切開術は普通分娩の際に、出産を容易にするために会陰の一部を切る手術で、帝王切開は腹部、つまり骨盤の上を切開して子宮から赤ちゃんを人為的に取り出す手術です。

かつて帝王切開は、母親の命が危険にされされている状況で、赤ちゃんが間違いなくまだ生きている時にのみ実施されていました。

しかし現在では、自然分娩が不可能な時などの計画出産にも帝王切開が用いられています。

また先進国では一般的な産科手術であり、特にここ数年でその数が増えています。

1960年代には、帝王切開は、出産のうちの5%のみでしたが、1990年代には入るとその割合は25%に増加しました。

帝王切開の可能性について聞く女性

帝王切開が必要な場合

産婦人科医は、膣からの自然分娩が母親と赤ちゃんの両方にとって危険であると判断した場合に、帝王切開を推奨します。

出産が複雑になり時間が長期に渡ると、赤ちゃんにも危険が及ぶためです。骨盤の異常や子宮の変形、そしてへその緒が絡みついているなどの問題の他にも、陣痛や出産で母親の体が疲れ切っている場合なども帝王切開になることがあります。

その中でも特に、赤ちゃんが苦しんでいる場合は、すぐに帝王切開に切り替える判断をする医師が多くいます。

また、子癇前症または子癇のような合併症が起こっている場合、双子やそれ以上の複数の出産が起こっている場合、または逆子などの場合も帝王切開となることがよくあります。

ここまででご紹介した以外にも、自然分娩の代わりに帝王切開となるケースをご紹介します:

  • 巨大児
  • 骨盤の収縮
  • 子宮内感染
  • 陣痛促進がうまくいかない

帝王切開を推奨するタイミングについては、医師によって異なります。

こちらもご参照を:35歳を過ぎてからの妊娠と出産

帝王切開前の準備

帝王切開前の検診

帝王切開を受ける前に大切なのが「自分はなぜ帝王切開を受けるのか?」という理由を理解することです。

担当医には正しく説明する義務がありますし、患者は理解できない場合は何回も質問することをお勧めします。

精神面でも準備が必要です。帝王切開の手順などを聞いて理解することで、不安が軽減されるでしょう。

一般的な帝王切開の手順はほとんど同じです。

リスクが高い妊娠で、事前に帝王切開を勧められて計画出産する場合を除いては、一般的には普通分娩が推奨されます。

しかし普通分娩の最中に帝王切開に切り替わることもあるため、ある程度の理解は大切です。

計画出産として帝王切開を行う場合は、合併症のリスクなども少なく、医師も患者も十分な準備をした状態で手術に臨みます。

しかし緊急の帝王切開の場合でも、医師は患者に手順と、自然分娩ではなく帝王切開を行うことの利点を説明することが大切です。

計画出産の場合は、健康診断を受けて手術に耐えられるかどうか、どのようなリスクがあるのかを知る必要があります。

手術の前日には、十分な睡眠をとってください。

手術の前日だからと言って、隠毛を急に剃る必要はありません。逆に感染症のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。

鉄分欠乏症の患者には、サプリメントなどで鉄分の摂取を推奨することが多くあります。

こちらもご参考に:血液中の鉄分量を増やす5つの方法

手術後のケア

帝王切開後は、母親は回復室に運ばれて8時間程度はベッドの上で横になって休みます。

その後は目が覚めたら椅子に座って良いと言われるかもしれません。

初日は一般的に辛い痛みを感じるかもしれませんが、医師の処方による鎮痛剤を用いて乗り切りましょう。

また栄養は点滴などで補給します。

帰宅するまでの時間は、病院内で体力の回復に努めます。

退院後も日常生活に戻るまでには約4~6週間かかります。

帝王切開を受けた後は、たとえ帰宅した後でも重いものなどを持つと傷口が開いて出血する恐れがあるため気をつけてください。

また出血が止まるまではタンポンなどは使ってはいけませんし、セックスも避けてください。

十分な水や水分を摂取することで、水分補給を欠かさないようにしてください。

帝王切開の後、または帰宅後に発熱や腹痛が起こったら感染症の兆候かもしれないので、すぐに医師の診察を受けるか病院に電話して相談してください。

  • Van Goethem, B. (2017). Cesarean Section. In Complications in Small Animal Surgery. https://doi.org/10.1002/9781119421344.ch73

  • Guirguis, G. F., & Apuzzio, J. J. (2017). Cesarean delivery. In Operative Obstetrics, Fouth Edition. https://doi.org/10.1201/9781315382739