多発性硬化症:多面的な病気
ミエリンまたは神経線維を覆っている脳の白質や骨髄に影響を与え、損傷を引き起こし、硬化症のプラークが現れた時には機能に変化が起こります。結果として、神経がインパルスを伝達することを阻害します。
原因と結果
この病気はミエリン鞘が影響を受けた時に起こります。ミエリン鞘とはニューロンを覆うもので、多発性硬化症は脳のどの部分でも起こる可能性があり、神経インパルスを止めたり変化させたりします。しかしながら、損傷は、ヒトの免疫細胞が神経システムに影響を与えることによる炎症に由来します。
研究の中には、多発硬化症が遺伝的要因やある種のウイルス、または環境的な影響によって、引き起こされることを証明しているものもあります。それにもかかわらず、多発性硬化症が発症する理由についてはまだ知られていません。家族にこの病気を発症した人がいる場合や、多発性硬化症が頻繁に発症する場所に住んでいる場合には、あなたにより大きなリスクがあることは事実です。
以下のような結果になることがあります:
- 考え事をしたり、理由を考えることができなくなる
- うつ病
- 尿路感染症
- 圧迫潰瘍
- 薬による合併症
- 物を食べたり、飲み込んだりすることが難しくなる
- 自分の世話ができなくなる
- 骨粗しょう症や骨が弱くなったり細くなったりする
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あなたが多発性硬化症かどうか確かめてみよう
病気の程度に応じて、症状やその継続期間は変わってきます。人によっては数日や数週間にわたって影響を受ける人もいれば、何ヶ月もの時間を失う人もいます。同様に、多発性硬化症は再発することもありますし、時間が経つにつれて悪化の一途をたどることもあります。
日光に当たる、暑いお風呂、熱を出す、ストレスを感じるなどは、すべてこの病気の原因となり得ることで、すでに症状がある場合にはその症状が悪化していきます。また、この病気は神経システムに関連していることから、症状は身体の至る所で出ることがあります。そのため、腸、膀胱、筋肉、目、または他の部分が影響を受けることがあります。
眼に現れる症状
- 失明(通常片目ずつ)
- ものが2つに見える
- 目が焼けるように痛む
- 目の動きを調整できなくなる
腸や膀胱に現れる症状
- 頻尿や急な尿意
- 尿失禁
- 尿を排出し始めることが難しくなる
- 便失禁
- 便秘
筋肉の問題
- 歩行が困難になる
- 方向感覚の問題や微細な動きが取れなくなる
- 筋肉が痙攣する
- 平衡感覚の低下
- 四肢が弱くなる
- 腕や脚を動かすことが難しくなる
- 身体のあらゆる場所で感覚がなくなる
- 顔に痛みを感じる
- 脚や腕に燃えるような痛み、刺すような痛み、チクチクした痛みを感じる
神経や脳の病気
- めまいがする
- 平衡感覚を失う
- 理由を考えたり、考え事をすることが難しくなる
- うつ病になったり、日常的に寂しさを感じたりする
- 耳が聞こえなくなる
- 注意の欠陥、記憶喪失、理解力の低下
他の症状
- 女性器の潤滑化が難しくなる
- 勃起障害
- 午後になると疲労感が出てくる
- 不適切な身ぶり手ぶり
- 噛むことや食べることにおける問題
治療法
多発性硬化症の治療法はありません。しかしながら、ある種類の対処法によって、病気の進行を遅らせたり、患者さんができる限り普通の生活を送れるようにすることができます。
薬には以下のようなものがあります:
- フィンゴリモド(ジレニヤ)
- 疲労にはアマンタジン
- 振る舞いや気分を改善するために抗うつ剤を飲むこともできます
- 尿関連の問題を減らすためのコリン作動薬
- 筋肉の痙攣を減らすためのベンゾジアゼピン、リオレサール(バクロフェン)、チザニジン(ザナフレックス)
- アザチオプリン(イムラン)、メトトレキセート、シクロホスフォミド(シトキサン)、静注用免疫グロブリン
- 酢酸グラチラマー(コパクソン)、ナタリズマブ(タイサブリ)、ミトキサントロン(ノバントロン)とインターフェロン(ベータセロン、アボネックス、またはレビフ)
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また一方で、下のような対処法を使うこともできます。
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