ターメリックの効能 vs 7つの医薬品
世の中には何百もの病気があり、それらの症状を緩和するため、それこそ掃いて捨てるほどの医薬品が生み出されてきました。医師の処方箋なしに購入できるものも少なくありません。
その大部分は確かにかなりの効き目があり、何時間にもわたって症状を緩和してくれます。でも、そういった医薬品は一般的に化学物質から作られており、過剰摂取による副作用がしばしば問題となります。
このため、以前からさまざまな自然薬が勧められてきました。身近にある安価な材料を使って、高価な医薬品と同じくらい、あるいはそれ以上の効果を得ることが可能なのです。
そんな自然薬のひとつがターメリック(ウコン)です。インド原産のよく知られたスパイスで、カレーなど、さまざまな料理に使われています。日本では、二日酔いを防ぐために利用している人も多いようです。
ターメリックはショウガの仲間。おどろくほどの栄養分を含んでおり、二日酔いの予防だけでなく、さまざまな症状を軽減するために利用できます。
何よりおどろかされるのは、ターメリックには医薬品と非常によく似た効能があるという研究結果が出ていることです。
今回は、ターメリックを食生活に取り入れるべき7つのすぐれた理由をご紹介しましょう!
1. アトルバスタチン(コレステロール降下剤)
アトルバスタチンは、コレステロール値をコントロールし、心血管系疾患を防ぐために用いられている医薬品です。
2008年に『Drugs in R&D』誌に掲載された研究論文によると、ターメリックに含まれているクルクミノイドには、動脈硬化症につながる内皮機能不全に対し、アトルバスタチンと同等の効果があるのだそうです。
また、ターメリックは2型糖尿病患者が悪化させやすい炎症や酸化ストレスを軽減する、という報告もなされています。
2. 副腎皮質ホルモン
毎年、何千人もの人々が、関節炎やがんなどの病気に伴う炎症を治療するために、ステロイド剤の注射を受けています。
『Phytotherapy Research 』誌に掲載された研究論文によると、ターメリックの有効成分であるクルクミンには、眼炎の治療に際し、副腎皮質ホルモンと同じような働きがあることが判明したそうです。
その後の研究によると、ステロイド剤で治療されているその他の炎症にも同様の効果が認められたと報告されています。
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3. 抗うつ剤
プロザックやパキシルのような抗うつ剤には深刻な副作用があり、中には実際にうつ症状が悪化してしまう人もいます。
でも、ターメリックでも替わりがきくのなら、どうしてこういった医薬品に頼る必要があるでしょうか。
強力な抗酸化物質であるクルクミンは、うつ病の症状を緩和するすぐれた作用があるほか、健康を損なうことがないという長所もあわせ持っています。
4. 血液希釈剤
心臓麻痺や循環障害のリスクがある患者さんは、一般的に予防手段として血液希釈剤を使います。
しかし、ターメリックを摂ることで、誰でも体によい結果を得られます。ターメリックには、血液循環を助ける薬として推奨されているアスピリンとよく似た効能があるからです。
ターメリックに含まれている有効成分には、抗血小板物質とプロスタサイクリンを調整する働きがありますから、動脈血栓や関節炎の治療に利用できます。
5. 抗炎症剤
痛みと炎症を引き起こす病気も、一時的・長期的なマイナスの副作用があることの多い従来の医薬品ではなく、ターメリックを使って治療することが可能です。
これまでの研究で、ターメリックには、以下に挙げる医薬品と同等な抗炎症効果および増殖抑制効果があることが判明しています:
- アスピリン(鎮痛・解熱剤)
- イブプロフェン(非ステロイド系消炎鎮痛剤)
- ナプロキセン(非ステロイド系消炎剤)
- ジクロフェナク(非ステロイド系消炎剤)
- インドメタシン(非ステロイド系消炎剤)
- デキサメタゾン(ステロイド系抗炎症剤)
- セレコキシブ(非ステロイド系消炎鎮痛剤)
- タモキシフェン(抗エストロゲン剤)
6. 抗がん剤
私たちは何年もの間、化学療法が数少ない有効ながん治療法のひとつだと信じ込まされてきました。
でも、いくつかの研究によって、ターメリックには、抗がん剤のひとつであるオキサリプラチンと同等か、それ以上の働きがあることが指摘されています。
毎日少量のターメリックを摂取することで、大腸がん細胞の増殖を妨げることが可能です。
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7. 糖尿病の薬
糖尿病の患者さんは、このパワフルなスパイスを食生活に取り入れることで、すぐれた効果を期待できます。
『Biochemical and Biophysical Research Communications』誌に掲載された研究論文によると、ターメリックには、最高でメトホルミン(血糖降下剤)の100,000倍ものグルコース吸収力があると言います。
ターメリックは、同じ目的で開発された医薬品の大部分と同様に、肝臓における過剰なグルコース生成を防ぐ役割も果たします。
覚えておきましょう!
これらのターメリックの効能はすべて、複数の科学的な研究によって証明されています。でも、医師から許可されないかぎり、かかりつけの医師によって処方された医薬品の替わりに用いるべきではありません。
一般的に、ターメリックは適量を守るかぎり深刻な副作用を引き起こすことはありませんから、たやすく毎日の食生活に取り入れることができます。ただし適量を守り、決して過剰に摂りすぎないことです。また、すでに肝臓が悪い人や妊娠中の人、黄疸・結石・ヘルペスなどを患っている人は、使用する前に必ずかかりつけの医師と相談してください。
大人の1日の最大摂取量は5グラムです。
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