ストレスが及ぼす負の影響
ストレスを、周りの人に語ることで解消しようとする人がいますが、実はそれはストレスを解消する具体的な方法とは言えません。精神的、そして身体的な不快感をストレスと同じカテゴリーに分類する人もいますが、実はストレスの負の影響を忘れている可能性があります。
ストレスによる負の影響を特定する人は、専門家である必要はありません。
自分自身と自分の体を理解し、自分の性格や自分の行動傾向に寛大で、十分な情報や知識を持っている人ならば誰でも大丈夫です。
ストレスによる負の影響を特定することで、心と体のケアをサポートします。
ストレスの生理学
信じられないかもしれませんが、軽度のストレスは私たちの健康にとって良い効果をもたらします。
ストレスとは、動物の恐怖への反応と言われる「闘争・逃走反応」の一つであり、仕事などの効率や生産性を高める効果があります。
しかし過剰なストレスや慢性のストレスとなると、内分泌系、神経系、免疫系の3つの系に直接影響してかなりの悪影響を及ぼす可能性が生じます。
ストレスとは、脳の化合物を全て活性化させて連鎖反応を起こすため、ホルモン分泌を引き起こすと同時に、ACTHコルチコトロピンを分泌する下垂体を刺激します。
その結果、コルチコトロピンは副腎を活性化し、これによりアドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリン(ノルエピレフリン)、コルチコステロイド(アルドステロン)、そしてグルココルチコイド(コルチゾール)が誘発されるため、ストレスに関連する反応および異常なホルモン分泌が、体内のすべての臓器に影響を及ぼしながら、免疫系にも直接影響を及ぼします。
ストレスの段階
カナダ、モントリオールの内分泌学の医師であり生物学者であったハンス・セリエ氏は、ストレス学説を唱え、ストレスに対する生体の反応を、警告反応期、抵抗期、疲憊期という3つの基本段階に分類しました。
警告反応期:ストレスの原因であるストレッサーに対する警報を発し、ストレスに耐えるための内部環境を急速に準備する緊急反応をする時期です。
交感神経系が活性化され、アドレナリンとノルアドレナリン分泌が起こり、集中力と注意力が向上します。すぐに現れる身体への影響は動脈性高血圧症、心臓リズムの増加および発汗が含まれますが、この段階は短期間のみ持続する必要があります。
抵抗期:警告反応期が必要以上に長期間にわたると、この抵抗期に突入します。この時点で代謝には変化が現れ、私たちの体内器官は神経系の興奮とそれに伴って生じるホルモン分泌の負の影響に苦しみ始めます。この状態を維持するためにはエネルギーが必要であり、エネルギーを消費しすぎて枯渇すると次の疲憊期へと突入します。
疲憊期:長期間にわたって継続するストレッサーに生体が対抗できなくなり、徐々にストレス耐性が衰え、様々なシステムにバランスの乱れが現れます。疲憊期の初期には、心拍・血圧・血糖値・体温が低下しますが、疲弊状態が長期にわたり、ストレッサーが弱まることがなければ、私たちの身体はさらに衰弱します。
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ストレスの負の影響
消化器系
ストレスが消化器系に及ぼす影響には、胃潰瘍、過敏性結腸症候群、潰瘍性大腸炎、胃炎などがあります。また、ストレスによる、食欲不振、過食、そしてジャンクフードばかり食べるなど、食生活に関連する行動にも悪影響を及ぼします。
呼吸器系
ストレスは呼吸器系に直接、または間接的に影響を及ぼす可能性があります。
直接的な影響では、過呼吸や呼吸困難、そして心因性喘息や窒息感を引き起こします。間接的な影響では、免疫系に及ぼす衰弱効果によって、呼吸器疾患を発症するリスクが高まります。
心血管系
ストレスの影響をもっとも受けやすい体内システムの一つで、頻脈、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、期外収縮、慢性頻脈などを引き起こすと言われていますが、中には致命的な悪影響を及ぼすこともあります。
皮膚や筋肉
ストレスは皮膚や筋肉に影響を及ぼしやすく、にきび、乾癬、かゆみ、湿疹、皮膚炎、筋肉痙攣、筋肉の痛み、硬直、そしてしゃっくりと過反射、脱毛症などを引き起こす可能性があります。
神経系
残念なことに、ストレスによる負の影響は多様であり、毎日の生活やライフスタイルにもストレスが反映されます。
不安感、不安障害、頭痛、偏頭痛、中毒、うつ病、睡眠障害、精神障害、人格障害、恐怖症や恐怖心の発症、さらには摂食障害などを引き起こしたり、現在これらの症状を発症している人は、治療にさえ悪影響を及ぼします。
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ストレスによる負の影響は、心身の健康維持や完全性の喪失につながる可能性があります。
心身の健康を促進しながら、前に進むためには。自分自身を愛し、理解し、そして大切にすることが大切ですが、そのためには、その方法や専門家のサポートを得ることが大切です。
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